

新卒へ!内々定をもらった時の対応と注意すべきこと
3月に就活が解禁となり順調に進んでいる人の中には、もうすでに“内々定”をもらっている人もいるのではないでしょうか。 複数社の入社試験を受けていくつか内々定の連絡を受けている、あるいは複数の内々定を獲得するまでは就活を続けるという就活生もいるかと思います。 みなさんは内々定と内定の違いを説明することができますか? 今回は、内々定についてのお話をしていきます。 本記事では「なぜ内定ではなく、内々定として通知がくるのか」や「内々定をもらった時の対応のしかた」、「内々定が取り消される可能性」についても触れていきます。
内々定と内定の違いってなに?
それでは内々定と内定の違いについて見ていきましょう。
内々定とは、「内定前の内定」と捉えることができ、わかりやすく言うと「あなたに内定を出します!」という企業からの約束です。
一方の内定は「あなたを来年の4月1日から雇用します!」という企業からの約束になります。
企業が就活生に対して採用の意思を伝える点では、内々定と内定は何ら変わることはありません。
しかし、内々定と内定の間には法的効力があるかどうかという点で違いがあります。
内々定は「あなたに内定を出します!」ということを約束するだけのものですので、法律上の拘束力はありません。
これに対して内定は「あなたを雇用します!」という約束をするものですので、この約束をあなたが「よろしくお願いします!」と承諾した場合は一種の労働契約を結んだことになり、法律上の拘束力が発生します。
つまり、この両者には「労働契約を結んでいるかどうかという点で異なり、契約関係から発生する拘束力の有無」が違いとしてあるということになります。
では、なぜ内々定と内定を使い分ける必要があるのかということになりますが、これには日本経済団体連合会(経団連)のルールが関係しています。
経団連は「10月1日までは内定を出してはいけませんよ」とルールを定めています。6月に選考がスタートし、10月まで就活生に採用結果を伝えることができないとなると就活生は他社の選考を受ける可能性があり(複数社を受けるのが通例ですが・・・)、他社へ流れてしまう恐れがあります。ですので、企業は一応ルールを守るために「内々定」という表現を使い、いったん就活生に対して企業としての気持ちを伝えて人材を確保しているわけです。「内々定」、「内定」と表現は使い分けていますが、企業側も就活生側も同じ意味で受け止めているのが現状といえます。
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内々定への対応のしかた(承諾・辞退・キープ)
では次に、内々定の通知を受けた時にどのように対応すればよいのか、内々定を承諾する場合、辞退する場合、キープ(保留)する場合をそれぞれみていきましょう。
承諾する場合
「内々定の連絡はもらったけど、どのようにリアクションしてよいか分からない」という就活生はいませんか?内定通知の場合は内定承諾書が一緒に送付されてきますが、内々定通知の場合は先ほどお話したように、法的な拘束力はありませんので、電話を通して口頭で伝えられる場合もあります。ですので、必ず内々定承諾書が送付されてくるとは限りません。
内々定承諾書の提出を義務付けていない企業もあるかと思いますが、何かしらのリアクションはしておきたい人もいるはずです。その場合、最低限の形式を整えていれば、自分で書式を作成して提出しても差し支えありません。最低限の形式としては、文面の最初に企業名と部署名を記載します。もし分かる場合は担当者の名前まで記載してください。内容は、内々定通知への感謝の気持ち、承諾する旨を記載します。また簡単に今後の意気込みを添えると印象が良くなるでしょう。
また、会社から送付されてきた場合は、書式に従って必要事項を記載していけば大丈夫です。あとは送付するだけですが、指定された期日がある場合には期限内に返信することは当然ですが、決められた期限がある場合でも5日以内に送付することが理想です。電話やメールで内々定通知が来た場合、それぞれ電話とメールで承諾の意思を伝えることができますがそれはそれとして、あらためて書面で連絡すると丁寧な印象を与えることになるのでよいでしょう。
なお内々定承諾書は、正式に内定が出た場合には入社する意思はあることを伝えるものですので、提出したからといって絶対入社しなければならないなどの法的な拘束力が発生するものではありませんので安心してください。
辞退する場合
就活生が内々定を辞退するのは珍しいことではありません。内々定を辞退する場合、「いつまでに辞退することを伝えなければいけないのか」が気になるかと思います。内々定を辞退する時は、いつまでにと明確な期限はありませんが正式な内定が出る10月1日よりも前であり、なおかつできる限り早く連絡するようにしましょう。
可能であれば内々定の連絡をもらった月内が無難といえます。内々定に法的な拘束力はないとはいっても、辞退の連絡が遅くなるほど企業へ迷惑をかけることになります。自分のことを受け入れて評価してくれた企業に対して辞退を伝えるのは心苦しく感じてしまい、連絡を躊躇してしまう就活生もいるかもしれませんが、就活生の状況も企業は把握していますので、できるだけ早い段階で辞退の意思表示をするように心がけましょう。早ければ企業側も次の行動へと移ることができ、空いた採用枠を埋めるために対応していくことが可能になります。
キープする場合
内々定は就活の序盤でもらえることが多いです。内々定を獲得した後も就活を継続する就活生がほとんどかと思います。複数の内々定を獲得してから、どの企業にしようか選ぼうと考えることも珍しくありません。その場合、いくつかの企業をキープする必要性が出てきます。内々定の通知に返答をする際、企業から指定された期限の少し後に別の企業の結果が出るケースがあるかと思います。その場合はできる限り早く、期限を延長してほしいと保留をお願いしましょう。
このように保留をお願いする場合には、保留したい理由を正直に伝え、いつまでなのか明確な期限、また保留期間は短めに設定するようにします。別の企業の結果が出てからの返答になるかと思いますが、長くても2週間と考えておきましょう。保留して検討した結果、内々定を辞退することになった場合、企業は改めて募集をかけることになるかもしれませんので早めがよいということです。
また、長すぎる保留期間をお願いした場合には入社する意思が低いものと捉えられてしまいかねません。いずれにせよ、保留をお願いする場合、正直な理由、短めの期間でいつまでか明確に伝えてお願いする必要があります。
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内々定の取り消しもありうるの?
「内定が取り消された」なんて話をテレビなどでよく耳にしますが、内々定の段階でも取り消されることはあるのでしょうか。結論からいうと、取り消される可能性はあります。
では、どのような場合に取り消されてしまうのでしょうか。
次の場合が挙げられます。
・単位を取得することができなくなった(卒業見込みがなくなった)
・履歴書等の提出書類に詐称事項があった
・健康状態の問題
・重大な違法行為が発覚
・企業が提出を指示した書類を提出しなかった
などの就活生の個人に関する行動が原因になるものです。繰り返しになりますが、内々定には法的な拘束力はありません。企業は人材確保のために安易に取り消しを行うことはありませんが、内々定の段階であれば?から?に該当する事案があった場合、内定段階と比べると取り消しを行いやすいことを意識しておきましょう。内々定をもらい安心をして気が緩み、自分の不注意から取り消しを招いてしまうということも十分にありうる話です。
4月1日までは特にも気を引き締めて責任ある行動をとるように注意してください。とくにSNSの使用方法については見直しておくとよいでしょう。SNSは便利で自分の考えを発信しやすいという利点がありますが、その分制御をかけることも難しいものです。軽率な発言や不適切な動画・写真を載せてしまったことで、内々定を取り消されるケースも実際に発生しています。SNSという顔が見えない所でも企業はあなたの様子を確認することができてしまいます。今一度、自身のSNSとの付き合い方を見直し、せっかくの内々定が取り消されることがないように心がけましょう。
なお万一、自分が納得することができないと思う不当な理由で取り消しを受けた場合、まずは学校の就職課やカウンセラーなどに相談してみましょう。話を聞いてくれると同時に、今後どうしたらよいか一緒に考え、行動してくれます。ただし、原因が自分にあるときは対処の方法はありませんので気をつけてください。
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まとめ
今回は内々定についてお話ししてきましたが、いかがでしたか? 正式な内定の連絡を待っているより、早い段階で内々定の連絡をもらえていると安心することができますよね。企業も早期的に人材確保をすることができ、就活生も早く安心することができる。内々定にはそんないいところがあります。しかし、複数の内々定をもらっている人は企業の立場を考えて素早く承諾、辞退、保留するかを判断しなければなりません。