学部生あるいは院生として学生生活を過ごしていると、勉強や部活動に研究といった取り組みのなかで、大小さまざまな挫折・失敗の場面が巻き起こるものです。
出来事の内容によっては、挫折=成長の糧として今の自分を形成する大事なスパイスのように捉えたり、ツラい過去ゆえに思い出したくもない黒歴史と考える場合もあるでしょう。
ただ、そういった経験は就活で自分をアピールしていくうえで強力な売り込み材料になり得ます。今回は挫折経験の活かし方を紹介していきましょう。

 

 

挫折経験は忘れてしまいたい

 

どんな環境に生まれ、どういった境遇を経て育ってきたかは人によりけり。しかし、どんな人物であれど、幾多の挫折(ここでは失敗や悩みも含む)を経験してきた過去があるはずです。
何年も部活をしてきた体育会系の人ならば、望む自己ベスト記録を更新できなかったりレギュラー入りを果たせなかったり。勉強に心血を注いできた人の場合は、得意分野以外の成績をなかなか伸ばせなかったりなど、誰もが目の前に現れた課題に躓(つまづ)き、成功するまで何度も努力し苦しんだことでしょう。
就活生という立場なら、自己分析や企業研究、イベントの参加にOBOG訪問など、これまでの活動と大きく異なった新鮮な出来事に慣れず、ただいま現在進行形で挫折の真っ最中かもしれませんね。
しかし、思い出すだけで泣きたくなるような挫折経験は決して無駄ではなく、困難を乗り越える力に変貌します。

【失敗の連続で強みが得られる】

一見、ネガティブな印象を受ける“挫折”は、精神的成熟を促すうえで非常に重要な要素。
よく就活生が自己PRなどで語る自身のセールスポイントに、「忍耐力」や「粘り強さ・負けず嫌い」などの精神的な強みを挙げるケースが見られますが、こういった要素についても初めから持ち合わせているわけではありません。
こういった性格的なアドバンテージは、「興味があって取り組んでみたけど、なかなか思うような結果を得られない」という状況を体験することで徐々に育まれるものであり、逆境を乗り越えて初めて体得できるわけです。

しかし何事も順風満帆であって、山あり谷ありな場面を経験していなければ、苦労すること自体の必要性や努力の尊さを理解しづらく、社会人に求められる主体性・自立性が培われることも期待できなくなるでしょう。
精神的な成長を実現し、自身の生きる目的や方向性を定めていくうえで欠かせないのは「試練・挫折」「チャレンジ」。
心理学の分野では「自己同一性・アイデンティティー」と呼びますが、自分が何者であり、将来どんなことをしたいのかを見極めていくには、挫折経験が必要不可欠なのです。

就活で挫折経験を活かそう

就活における面接選考で挫折の経験は頻出の質問。書類だけでは伝わらない就活生の人柄を確かめ、どんな業務でパフォーマンスを発揮してくれるのかをイメージするために多くの企業で用いられます。
質問をする具体的な狙いとしては以下の通りです。

①目標設定ができるだけでなく、達成のために必死に努力してきたかを聞きたい
②壁にぶつかって挫折した際にどう立ち上がったかを聞き、当人の性格や価値観に触れたい

技術的精神的な成長を促すには挫折を下地にすることが大切。世界的に有名な偉人達も最初から優れた能力をもって成果をあげてきたのではなく、星の数ほどの失敗を繰り返して目標を実現したわけですから、企業としても挫折によって教訓を知り、困難から立ち直る術(すべ)を学習した新卒に活躍してもらいたいと願っています。
つまり、就活で挫折経験を活かすには「自ら設定した目標に真剣に取り組むことができる」「失敗してもネガティブに引きずらず、反省して次に活かすことができる」を念頭に考えてみるといいでしょう。
挫折経験はただの失敗談ではありません。たとえ努力して望むような結果を得られなかったとしても、目標を達成するために諦めず一貫した目的意識のもと、熱心に努力してきた過程こそが重要なのです。

挫折したことがないときは?

就活生のなかには、今まで記憶に残るようなインパクトのある挫折経験がなくて困っている人もいることでしょう。しかし、本稿で何度も繰り返し語っている通り、どんな人間でも生きていれば大小さまざまな挫折を経験しているものです。
学校で友人と些細なことで揉めて関係にヒビが入ってしまった、プライベートの時間を削って対策したのにテストで良い点数を取れなかったなど、就活で語る経験は小さな挫折でも問題ありません。
大事なのは、そういった物事にどんな気持ちで向かい合って、経験から何を学んだかなので、自分の人柄(性格・価値観)がうかがい知れる内容に整うようにしましょう。
また、どうしても過去のエピソードから挫折経験を探ることが難しいのであれば、自己分析によって明らかになった自分の短所をもとに探ってみるのをオススメします。
自分の短所を改善するために今までどう努力してきたのかを語り、その反省を今後の社会人生活で具体的にどう活用していきたいのかを目標設定できれば、挫折経験のアプローチとして成り立ちます。

 

 

まとめ

なかなか自分の挫折した過去と向き合うという作業は、悔しさや恥ずかしさが先行して内容を掘り下げにくい。しかし、人間というのは壁にぶつかったときが一番、感情や独自性が出やすいものなので、憧れの企業に自分をよく知ってもらうためにも、ネガティブに捉えず真摯に向き合いましょう。