就活は自分が望む企業の内定を得ることが最大の目的となりますが、やるべきことが多いだけでなく手順も複雑なので、そこに到達するのは決して容易ではありません。選考も学校の試験のように明確な答えが用意されているわけでもなく、学生時代では当たり前だったことが通用しなくなるものです。

そのため、新卒採用に日々取り組んでいる就活生は誰もが悩みの一つや二つを抱え込むことになり、抱える悩みや課題が解消できなければ、有意義な就活を実現することが難しくなってしまいます。

今回は就活生がぶつかりがちな悩みの数々を列挙し、具体的な解説方法も追って紹介していきましょう。

 

 

 

 

準備物の用意の仕方が分からない

 

 

準備物、要するに「履歴書」「ES」といった提出書類を指します。アルバイトを経験したことのある学生ならば履歴書の書き方はある程度分かっているつもりでも、就活用で提出する履歴書とアルバイト用では“勝手”がまるで違います。

丁寧に字を書かなければなりませんし、枠を意識して文章全体のバランスもきれいに整える手間も必要です。内容に関しても志望動機やキャリアプランといった、選考の材料となる部分をまとめなければならないので、初めはどう書けばいいか迷うことでしょう。

ESに関しても同様で、丁寧に書くのはもちろんですが企業の納得がいくように内容を掘り下げなければなりません。

 

解決策としては「就活を支援する人達に協力してもらいつつ、作成の数を追う」がベストです。

学校のキャリアセンターでは書き方を学べるだけでなく履歴書やESの添削を行ってくれます。それに求人情報を提示してくれるハローワークでも受付で申し込めば、キャリアセンターのように添削やアドバイスを行ってくれるのです。

 

企業に関する情報収集

 

自分がどんな業種職種を志望するか、世の中にはどんな企業で溢れているのかを把握することは就活を行ううえで前提となる条件です。しかし、企業説明会や合説、コーポレートサイトばかりに注目していては、表面上の情報しか探ることができないので、心の底から「働きたい」と思える企業と出会えるチャンスを掴みづらくなってしまうでしょう。

よく大手病を患ってしまい誰もが注目するような倍率高めな人気企業ばかりにエントリーをかけてしまう人は、こういった情報取集が不十分であり、広く浅くな状態に満足してしまいがちです。

 

確かに就活のとっかかりとして企業HPや説明会を参考にすることは大事ですが、情報をより広く深く探っていくにはインターンシップやOBOG訪問への参加が欠かせません。

限られた時間内で企業の良い面しか知れない説明会、企業の基盤しか載っていないコーポレートサイトとは違い、OBOG訪問やインターンシップでは実際の職場風景や事業内容を社員の生の声を通じて知ることができます。

業界・企業分析を後押ししてくれるのは言うまでもなく、自分が思い描いていた理想と現実のギャップも認識できるので、就活生としての視野を広げるためにもぜひ参加しましょう。

 

やりたい仕事が見当たらない

 

星の数ほどある仕事の中から自分に合ったものを厳選していかなければならない就活。ただ就活序盤では「やりたい仕事、興味のある仕事が分からない」と悩む学生を数多く見受けられます。

まだ実務経験のない学生という立場なので、自分が何が得意でどんな道に進むべきかを迷うのは当然といえば当然ですが、中には自己分析や企業分析を欠かさず行っていても、やりたいことを見つけられていない人もいらっしゃいますね。

 

しかし、きちんと就活の軸を設けることができれば仕事選びも容易に行えるようになるはずです。

就活の軸とは簡単にいうと、「仕事をするならこれだけは譲れない」という絶対条件。給与や福利厚生、残業の有無に時間、社内の平均年齢など、自分がどんなことを最低限望んでいるのかを明確化できれば企業選びはもちろん、やりたいことも見つけ出すことができるでしょう。

 

自分のアピールポイント

 

日本人というのは不思議なもので、自分の欠点は簡単に思い浮かぶことができても長所となる部分はなかなかイメージできないという特徴を持っています。

前向きな言い方をすれば奥ゆかしい国民性といえますが、就活の場面では嫌でも自身の長所短所を相手に伝わるよう言語化しなければなりません。

手段としては数週間~週ヶ月に及んで自己分析を行い、過去のエピソードから自分が活躍したこと、要するに自身の強みによって周囲にどんな影響を与えたかを思い出しながら書いていきます。

ただ、それでも強みとなる箇所を見出せなかったり、「これが自分のアピールポイントになるのか」と疑問に思ったりする人も少なくありません。

 

もしも自己分析を徹底的に行った後で、自分のアピールポイントが分からない(気付けない)場合は、家族や友人、学校の教授など自分をよく知っている人達から「他己分析」という形で評価をもらいましょう。自分では良いと思っていない部分が周囲から印象良く映っているなんてケースは往々にしてよくあります。

さらに、企業もアピールポイントを聞くことで応募者が活躍できる人材かどうかを判断したがっており、短所だと思っていた部分が実は企業にとっては強みに結びつく可能性だってありえるのです。

性格や能力など、自分の誇れるポイントを探るのは難しいものですが、もし掘り下げでつまづいてしまうのなら、決して自分だけで解決せず周囲の人の意見を参考にしてみてください。

 

周囲からの期待が重い

 

これはMARCH以上の難関大学に在籍する就活生が抱えがちな悩みですね。偏差値が高くて多くの優秀な人材を輩出してきた学校にいると、どうしても家族や友人からキャリアについて過剰な期待を持たれてしまうもの。「〇〇大学にいるくらいだから、大手企業への入社は間違いないだろう」「〇〇で勉強したなら就職は□□にしなさい」などですね。

こうした周囲の期待は就活生の視野を狭めるだけでなく、大きなプレッシャーとなって心にのしかかってしまうでしょう。

周りは自分を高く評価しているからこそ、幸せになるであろう企業を推している。その気持ちは嬉しいですが、やりたいことがあっても「それを打ち明けることで周囲の期待を裏切る形になるのでは……?」と憶病になって、結局他人の意見を鵜呑みにしてしまうわけです。

 

ですが、幸せの形が人によって異なるように、他の人にとっては喉から手が出るほどのキャリアプランが、自分にとってベストとは限らないでしょう。

有名な企業に志望したからといって、業務や会社への愛着が持てなければ手間暇かけて就活した意味がありません。

就活の最終目標は「自分が満足のいく形で理想的な企業で働くこと」であり、ネームバリューに優れて高給を狙える企業に入るのが最適解とは誰も断言できないはずです。

それに、もしも書類・面接選考で不採用になったとしても自分で選んだ道なので、周囲の人間は責任を持って助けてくれないでしょう。

自分が働く先は自分で決めなければならない以上、周囲からの期待の声や強要はただの“雑音”です。冷たい言い方になりますが、有用なアドバイスでない限りは無視して構いませんよ。

「無視したことで関係に軋轢が生じるかもしれない」と考えるならば、一度自分の将来について家族と腹を割って相談するべきです。

 

他の学生との比較

 

就活の悩みで一番多いのが、ライバルである他の就活生と自分の現状を比べて不安感に苛まれてしまうことです。

就活は競争ではなく、学生一人ひとりでスタートダッシュのタイミングや希望する業界・企業、就活の取り組み方は大きく違うため、比べる行為そのものがまず不毛。

しかし、仲の良い友人が自分よりも先に内定を取って残りの学生生活を謳歌している姿を見てしまうと、羨望と妬みの感情が混ざり込み、「自分も早く受からないと……」という焦りの気持ちが強くなっていくのです。

強烈な焦燥感に駆られてしまうと心の余裕を取り戻すことが難しくなり、企業分析や選考対策も疎かになる可能性もあります。そうなれば受かるものも受からなくなってしまい、最悪の場合は人間関係が崩壊したり就活うつを発症する危険性も現れていくでしょう。

 

置いてけぼりにされたくないという心理は理解できます。しかし、就活を無理なく進めるうえで最も重要なのは「自分のペースを見失わないこと」です。

近年の就活は早期化の一途を辿っているのは確かであっても、長期を見越して就活を継続する学生も珍しくありませんし、それは決して恥ずかしいことでもないのです。

もしも焦った挙句、適性ややりがいを度外視した企業に入社したらどうなりますか?

待っているのは興味の無い業務を続けることへの苦痛、早期退職によって新卒ブランドを失うリスクです。

同じ土俵に立つ者と自身を比較してしまうのは仕方ないといっても、精神的に余計な負荷をかけず無理なく気持ちよく就活したいならば、相手を羨むのではなく「この人が受かったなら次はきっと自分の番だろう。最後まで気を抜かず頑張ろう」とポジティブに捉えるようにしてくださいね。

まとめ

 

いかがでしたか? 本稿の解説が読者である就活生の方々を助けるきっかけに繋がれば幸いです。

就活は準備や対策を自分一人で行うわけではなく、企業を見定めて選考にまで漕ぎつけるにも大勢の人間が関わることになります。

「自分の将来について考えるから自分で解決しなきゃ……」と思うかもしれませんが、どんな些細な悩みでも決して一人で背負わず、家族や友人に学校、あるいは企業と連携して悩み無用な就活を実現できるようにしましょうね。