就活といえば、「書類選考→面接→内定」という流れが一般的です。しかし、従来の選考方法とは全く違う「ユニーク採用」が、近年増加傾向にあります。ユニーク採用とは、その名の通り、企業独自のユニークな採用方法の事です。今回は、時代と共に変化していく就活市場の中で、なぜユニーク採用を行う企業が増えてきたのか、その理由と目的を解説していきます。具体的な事例として、過去に行われたユニーク採用から、2019年現在行われているものまでご紹介していきましょう。

 

 

 

変わりゆく採用方法

近年は「売り手市場」と言われ、求職者の優位な状況が続いていますが、企業は人手不足に悩まされています。

株式会社リクルートキャリアは、2020卒の6月1日時点で大学生(大学院生除く)の就職内定率は70.3%(+2.2ポイント)、6月1日時点で7割を超えたのは2012年(2013年卒)の調査開始以来初めてだと発表しています。さらに、6月1日から大手企業を中心とした選考が始まる為、内定者はさらに増加していく見込みです。一方企業は変わらず採用に苦戦しており、多くの企業が採用活動を継続している状態と発表しています(※1)

では、なぜ多くの企業で人手不足が発生しているのでしょうか。大きな理由は2つあります。

人手不足の理由①:人口の減少

総務省は少子高齢化が急速に進展した結果、2008年をピークに総人口が減少に転じており、人口減少時代を迎えていると発表しています。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、2050年には日本の総人口は1億人を下回ることが予測されているのです。人口構成も変化し、1997年には65歳以上の高齢人口が14歳未満の若年人口の割合を上回るようになり、2017年には3,515万人、全人口に占める割合は27.7%と、増加しています。他方、15歳から64歳の生産年齢人口は2017年の7,596万人(総人口に占める割合は60.0%)が2040年には5,978万人(53.9%)と減少することが推計されていると発表しています。(※2)

つまり、人口そのものの減少が、働き手世代の減少に繋がっているという事です。

 

人手不足の理由②:離職率の高さ

離職率が高くなる大きな要因とされているのが、入社後のミスマッチです。

・思った様な仕事内容ではなかった

・入社前に聞いていた情報と違った

など、理由は様々。求人も多い状況が続いているので、無理して長い期間働くよりも、転職して新しい環境で働く方が、得策だと感じている方も多くなってきているように感じられます。

 

各企業はそんな人手不足を解消する為、工夫を凝らした採用活動を進めています。その1つがじわじわと増加にある「ユニーク採用」です。ではユニーク採用とは一体どんなものなのかご紹介して行きましょう。

 

ユニーク採用を行う企業の目的とは

まず過去に実施された、ユニーク採用をご紹介して行きましょう。

【株式会社サーチフィールド】

2015に「人狼採用」が行われました。社員と学生が人狼ゲームを一緒にプレーし、素の部分を評価するというものです。

【東急エージェンシー】

2016年度の新卒採用において独自に開発したシステムを使って顔の分析を行い、結果に応じて特典が受けられる「顔採用」を行いました。のんびり顔の人には、エントリーシートの締め切りが1週間延長になる特典。こだわり顔の人には、写真を見て面接官を逆指名出来る特典を受けられるといった選考方法です。

【アソブロック株式会社】

2017年度の新卒採用で「コンビ採用」を行いました。2人1組でしか応募も出来ず内定も出ないという物です。就活生にとっては入社後のライバルになるなどの相乗効果が期待でき、企業側は人材の確保が出来るという双方にメリットがあります。

 

企業が、上記のようなユニーク採用を行う目的は大きく分けて2つ考えられます。1つ目は、話題性を持たせ、より多くの求職者に知ってもらい、求職者に選ばれる企業になる為です。売り手市場と一言で言っても大手企業や人気の企業の倍率は高く、その他の中小企業が人手不足に陥っています。ネームバリューや賃金には敵わない為、採用方法を工夫する事で他企業との差別化を図っているのです。

もう1つは求める人材に合った採用方法を行う事で、入社後のミスマッチをなくす事にあります。あらかじめ欲しい人材だけが応募出来る、興味を持ってくれる様な採用方法を取り入れる事で、適切な人材を確保出来るのです。

 

面白い! 一度は受けたいユニーク採用を紹介


最後に2019年現在、行われているユニーク採用をご紹介していきましょう。

【ユナイテッド株式会社】

2020卒の新卒採用では4つのユニークな採用方法を行っています。その中でも特に話題になっているのが、3日間でゼロから事業案を考えプレゼンし、採用されると入社後新規事業の立ち上げを任せられるという採用方法です。ここまでくると、採用という枠を超えているように感じられます。

【面白法人カヤック】

過去にも様々なユニーク採用を行ってきた面白法人カヤックでは、ゲームの上手さで内定する「いちゲー採用」や、履歴書の代わりにグーグルの検索結果を使って選考する「エゴサーチ採用」を現在でも行っています。また「夫婦採用」では会社がある鎌倉周辺の物件を紹介してくれる特典まで付いています。

【チームラボ】

3時間以内に最大スコアを出すプログラムを実装する、プログラミングコンテスト形式の採用方法「オンラインプログラミング採用」を行っています。プログラミングスキルによって最終面接までスキップ出来る仕組みです。その他書類選考なしの卒論だけで選考する実績選考や、課題選考など様々な採用方法が行われています。

【株式会社アサツーディ・ケイ】

応募者自身が強みを1つに絞り選考に進む「スタメン採用」を行っています。内定を獲得する事がゴールではなく入社後の活躍までを考える様、自分の強みととことん向き合う為の選考方法です。その他、2019年3月時点で部活動や体育会に所属している事が条件の「スタミナ採用」も行っています。

まとめ

各企業は今までとは一味違ったユニークな選考方法で、売り手市場ならではの課題解決に向けて取り組んでいます。今までの選考方法では見られなかった学生の素の部分や、完全なる実力主義の選考方法など「ユニーク採用」は求職者の本質に迫る採用方法と言えるでしょう。また大手企業もより優秀な人材確保の為工夫を凝らした採用方法を取り入れ始めています。今後更なるユニーク採用合戦が始まるかもしれませんね。

(※1)

https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2019/190607-01/

(※2)

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd101100.html