就活、特に面接の機会では誰もが学生時代の誇れるエピソードを語って、面接官に好印象を与えようと考えますが、部活やサークル活動をしていなかった人の多くはアルバイトの経験を“売り”にするかと思います。しかしアルバイトをテーマにする学生は非常に多く、それなりの内容に仕上げないと他の就活生に埋もれてしまうリスクも大きくなってしまいます。そこで、どんな内容が相手の心に響くのかを本稿で紹介いたしましょう。

 

面接でアルバイト経験を話すのはどういうメリットがあるのか?

 

 

 

 

学生にとって切っても切り離せない存在であるアルバイト。単なるお小遣い稼ぎで始める人もいますが、一人暮らしをしている立場だと生計を立てる目的で必死に取り組む事でしょう。そして選択したバイトの種類によって働ける期間から職場の雰囲気に得られる賃金も大きく変わりますが、正社員雇用などと違い、年齢や能力に関係無く応募しやすいのも特徴的ですね。そのため「アルバイトをした事が無い」という学生の方が少ないように思えます。学業や部活動で他に割ける時間も体力も残されていないという事情があるなら別ですが、大多数の学生は学校が終わった後に朝や夜中に従事している事でしょう。

 

では就活生として動く事になった場合、過去のバイト経験を話す事はどんなメリットに繋がるのでしょう? 言うまでも無く学生の身分では、世のサラリーマンのような社会人経験を積む事は出来ません。会社から任せられる業務の選択肢も差がありますし、対価として得られる高い給与とそれに伴う責任も違います。しかしバイトといえど学生の立場で既に“働いた経験がある”のは、就活生として動く場合かけがえのないアドバンテージになるはずです。

 

お金を稼ぐ事の大変さ、職場の上下関係やお客さんとの距離、仕事を覚えつつ現場で実際にスキルを反映させる事の難しさなど。学業や部活動では味わえない体験がバイトだと豊富ですし、学生の内にバイトをするだけでも社会に通用する能力や意識向上を図る事が出来ます。

もちろん“労働”には変わりませんので、自身が得意としない事ややりたくない事も増えていくでしょう。ミスをすれば当然怒られますし、会社(店)の都合で未経験だろうと社員と同じくらいの動き方を要求される事だって考えられます。ですが、たとえ嫌な事も真面目に取り組んできた姿勢は決して無駄にはなりません。就活生として自分を売り込んでいく機会でも相手に「苦手な事があっても諦めずに取り組める」と、経験に基づいたアピールが可能になるので自己PRの説得力がバイト経験有る無しでは段違いです。

 

 

 

 

そしてバイトの詳細や取り組みを話す事で、志望する業種・職種が過去のバイトと近しいものだと面接官も実際に就活生に仕事を任せる事のイメージがしやすくなります。

また、新卒採用を狙う企業は“未経験者”である学生を採っていくわけですが、その基準は実績や資格の有無ではなく「仕事に対して意欲的かどうか」「将来的な成長を見込める人材か」で判断するので、そういう意味でも“働く事の酸いも甘いも知る事が出来る”バイト経験のアピールは効果ありと言えるでしょう。

 

もちろんバイトをしていなかったとしても就活が不利になるわけではありませんよ。バイトの有無はあくまで選考における自己PRの素材を増やすだけに過ぎないので、学業や部活動で汗を流してきた経験があるのなら、無理に「就活が始まるし何かバイトをしておいた方がいいかも…」と考える必要は無いです。

 

アルバイトを通して得た事(学んだ事)を伝える

 

 

 

 

もちろんアルバイトの経験がアピールの手段として有効的と言っても、ただ闇雲に職種や仕事の概要を語って「大変でした」で終わってしまうのはもったいない。先ほども話したように企業は学生の仕事に対する熱意や成長の可能性、そして配属されても問題無くコミュニケーションを取っていける人柄なのかをチェックします。その把握を可能にするには、勉強や部活にサークル、そしてボランティアといった課外活動の学習内容や苦悩を語る時と同じように、自分が行ってきた仕事(バイト)の内容から店や自身が抱えていた課題、そしてそれを乗り越えるために具体的にどう対策して自分にどんな変化が生じたかなどを明瞭にする必要があります。

 

たとえ“アルバイト”という立場でも仕事を任され真剣に取り組み、対価を受け取っているのなら立派な組織の一員。起こった事象に対しきちんと向き合っていれば、その姿勢は選考でも大いに評価されるはずです。もちろんただ「〇〇を頑張りました」だけでなく、行った取り組みが会社や自分にどういう形でコミット出来たかも話しましょう。

 

たとえば小売店に勤めていたと仮定し、働いていた際に店の売り上げが落ちていたとします。それを解決するために低下に至った原因の究明を始め、そこから商品PRの新たな工夫や清掃の徹底化、従業員の接客態度の見直しなどを実施。それによって売り上げが以前に比べ飛躍的に上がり、自分も問題処理が身に付くだけでなくマネジメント能力を育むきっかけに繋がった。売り上げと職場環境が良好になっただけでなく、訪れるお客さんからは感謝の言葉を多くかけてもらえるようになり、従業員のモチベーションも上がった。

このようにきちんと段階(問題点の改善~得られた効果)を踏んで話せれば、仕事・職場に対して真摯に臨む気持ちはもちろん業務の適性まで訴えかける事が出来るでしょう。

 

学んだ事をどのように活かして面接官に伝えられるか

 

そしてアルバイト経験をPRの材料にして選考を突破するには、企業に「この学生は利益を生んでくれる逸材」だと思わせるほどの工夫が求められます。アルバイトだけでなく学校内の活動やボランティアで得た優れた実績や成長の具合を理解させても、それらの経験が実際の業務に活かせなかったら意味がありません。きちんと志望する業種・職種でどんな人材を欲しているかを把握し、アルバイトで得た(学んだ)強みを仕事にどう活かしていくつもりかを書類・面接で無駄の無いように話しましょう。

仮に研究職志望にもかかわらず、コンビニで得た接客スキルをアピールしてもほとんど効果はありません。しかし接客業務に含まれるクレーム処理や課されたノルマへのひたむきな姿勢などは、粘り強さが重要視される研究職において必要とされる要素です。これをベースに考えていけば「この仕事では自分の〇〇な点が活かしやすいな」とアピールが容易になるはずですよ。

 

全てのアルバイト経験を話すべき?

 

学生の中には数ヶ月~数年も1か所でバイトをしてきたタイプと、数年の間でいくつものバイトを渡り歩いてきたタイプがいますが、後者ではアルバイト経験を就活で話す際は“一番長く働き、エピソードも豊富に得られたもの”に絞っておいた方が無難です。むしろ複数に分けて話してしまうと相手によっては「離職の判断が早い、飽きやすい性格かも」と思ってしまいますし、志望度の高さすら疑問しされる恐れがあります。もしアルバイト経験を語るなら1社に限定しておいた方が情報の掘り下げも楽ですし、数多のバイトを辞めてきた理由を追及される心配も無くなりますよ。

 

ギャンブルや風俗関係のアルバイト経験は大丈夫?

 

バイトの種類は様々であり選択も自由意志ではありますが、就活の場面だと“よっぽどの理由”が無い限りはギャンブル・風俗の経験は話さない方がいいでしょう。企業は学生に“清潔感”“清廉潔白”な姿勢を求めたがるものであり、仮に面接でこういったバイトに就いていた事を話してしまうと、仕事の中身よりも学生のイメージそのものに不快感を覚え、不採用の決定を下す場合が考えられます。「職業に貴賤は無い」と言っても、やはり色眼鏡で見てイメージで相手を判断するのが人間です。万が一それ以外のバイト経験が無いようなら、いっその事「学業や部活(所属していた事実有りが前提)に集中していてバイトはしていなかった」と話しましょう。

まとめ

 

 

社会人として動く前に仕事の仕組みやノウハウを学べるアルバイトは、就活でのアピールで起用されがちですが、“何が企業にとって魅力的か”“相手が知りたがっている事は何か”が上手く伝わらないと、ただの思い出話になってしまいます。自分の志望度の高さや人柄、そして将来的な展望を相手に感じさせるには、ちゃんと「どんな苦労があり、それを如何にして乗り越えたか? そしてその経験を今後どう活かすか」を簡潔に話しましょう。