人々の生活と密接に関係しているアミューズメント・レジャー業界。その実態は映画やゲーム、観光商業にパチンコなど姿かたちはバラバラですが、他の業種と同じく日本の経済を大きく支える要素として知られています。特に近年では東京五輪を間近に控えている事もあり、年々外国人旅行客も増加傾向にある事から、こういった余暇業界の取り組みにも多様化が進んできています。

ただ就活生の立場で言うと、他の“堅実な業界”と比べて良いイメージ(語弊がありますが)に乏しい面もあり、親から反対されるというケースも多いのではないでしょうか? 確かに暗いイメージが先行しがちなアミューズメント・レジャー業界ですが、今回はその業態についてお話していきます。

 

 

 

 

 

 

アミューズメント・レジャー業界の現状

 

 

 

 

そもそもアミューズメント・レジャー業界とは何なのかを説明しましょう。アミューズメントとレジャーは「娯楽・余暇」を意味するもので、主にゲームや映画にカラオケ、玩具にキャラクターグッズの企画や発売、そしてテーマパーク(遊園地や水族館に動物園)などを扱う行楽事業などと、他業界に比べてかなり裾野が広いのが特徴的ですね。これ以外にもホテルなどの宿泊業や国内外の旅行産業もこの界隈に含まれるので、まさに私達の生活とは切っても切り離せない存在として考えられます。

その他にもパチンコ・パチスロといったギャンブルもアミューズメントに該当し、世間的(賭博を良しとしない一般層)な評価は正直なところ芳しくありませんが、その経済効果は他所の産業と比較しても群を抜く水準を記録しており、パチンコ・パチスロは未だに確固たる地位を業界内で築いています。

 

 

 

 

これら産業のコンセプトは“老若男女問わず多くの人を楽しませる”事にあり、提供するサービスや商品に違いはあれど、どの産業でも徹底した“空間づくり”が長生きの肝となっていきます。実際、テーマパークなどの動きを見てみても、最新トレンドを素早く吸収したり、時代に取り残されないために最先端の設備を導入し、イベント活動も活発に展開していくなどの試みが顕著です。

また、アミューズメント・レジャー業界の面白い点として“複合的構造”が挙がり、様々な業種が柔軟に提携・融合し合い、提供サービスや産業の特色もその度に変化していくのです。

 

この自在な動き方や事業展開の仕組みによって「〇〇業ではこうしなきゃダメ! こうするべき!」といった縛り効果も比較的薄めであり、一見あまり関係無いような仕事同士が繋がって新たなサービスを生む事も多いです。分かりやすい例を出すならホテルとテーマパークが提携し、チケット代と宿泊費が割安になる企画を打ち出したりが考えられますね。客層のニーズに合わせて業種に関係無く自由な動き方をアミューズメント・レジャー業界では行う事が出来るので、今後も新たな展開の可能性に秘めていると言えます。

 

余暇市場の経済効果はどのくらい?

 

ではアミューズメント・レジャー業界の経済効果についてお話していきます。一昔前とは違って日本人の娯楽・余暇の種類とライフスタイルの変化は著しいものがあり、それを追うかのように業界の形態も多様化してきました。それだけでなく訪日外国人観光客の数も年を重ねる毎に増加の一途を辿っているので、こうしたインバウンド効果(外国人による消費行動)の増幅も、アミューズメント・レジャー業界在ってのものと考えられます。

 

日本人の余暇活動は7年連続「国内観光旅行」が首位に輝いており、その人数も5240万人とされています。海外旅行事業が軒並み展開している昨今、未だに国内旅行活動が好調なのは凄い事ですね。国内だからこその安心感や比較的安価な旅行プランなど需要を安定させる要素はいくらでもありますが、大きな理由はやはり各地方や都市部での旅行者向けのサービスに多様性が増してきた事も起因していると言えるでしょう。

 

その中身ですが、国内の遊園地などのレジャー施設・大型テーマパークやリゾートクラブが好調の兆しを見せ、反対に海外旅行の参加数が低調の流れを生んでいます。また、市場規模が非常に大きいパチンコ・パチスロ(娯楽部門)ですが、ここ数年で膨大なレベルでの落ち込みが継続している状況にあります。

 

そして全体的な余暇市場に目を向けてみましょう。2017年度のデータによると、国内観光旅行の経済効果は69兆9310億円を記録。前年度と比べると“多少”落ち込んではいますが、数値だけを拾えばまだまだ好調とされますね。先ほど触れたインバウンドによる国内需要の向上化や観光・行楽事業の勢いがまだまだ衰える様子が見られないわけですが、来年には東京五輪という名のビッグイベントも開催を控えているので、各国の五輪時の勢いに漏れず、今後も更なるアミューズメント・レジャー業界の発展と活躍が見込まれるでしょう。

 

街から姿を消すゲームセンター

 

ただアミューズメントの一翼を担い、若者の娯楽の中心部だったゲームセンター産業は全国的に大幅な市場規模の低下を見せています。その原因としてはソーシャルゲームの台頭と圧倒的な普及率が挙げられ、多くの人が時間や場所を問わず手軽にゲームを楽しめる環境になってしまい、そしてゲームセンター内部のサービス(アーケード・プライズゲーム)自体も、80~90年代の“黎明期”と比べて斬新さや注目度に欠けてしまい、上手い具合に集客に結びつかないというシビアな部分も考えられるでしょう。平成30年間の内で多くのゲーム産業が誕生と撤退(倒産)を繰り返す事になりましたが、特に物的対価を得られないビデオ・メダルゲームを多く取り扱うゲームセンターは経営が厳しくなってしまっているのが現状です。

 

他業界との違いとは?

 

 

 

 

「アミューズメント業界」と一口で言っても、その構造は他の業界と比べて複雑に絡み合っているのが特徴的です。ゲーム産業をピックアップしてみても“家庭用ゲーム機”“業務用ゲーム機”にも分かれるだけでなく、そこから映画業界や玩具業界、カラオケにパチンコなど多くの事業に関係していきます。まるでヒットした原作小説がアニメ~ゲームに映画へとメディアミックスされる流れのように、一つの産業に縛られずに次々に展開出来るのはこの業界の強みと言えますね。

 

また、アミューズメント・レジャー業界は“いかにリピートに繋げるか”が利益を生む上で大きな課題になっていきます。他の業界に比べても特に神経質となっているポイントですね。

映画とテーマパークのコラボレーションや、動物園・水族館での動物のパフォーマンスなど、全国からお客さんを集めるには、飽きられないための工夫と斬新さが求められます。

“最大級の思い出作り”の一環として無形のサービスが主にはなりますが、こういった点も他業界との違いとされます。

 

ただあくまでこれらは娯楽の範囲内での話。あえてイジワルな言い方をするならば、これらは“余暇”という文字が指し示すように、飲食業やIT系にライフラインを支えるインフラ業と違って“日常生活に無くても困らないもの”ばかりです。アミューズメント・レジャーはお客さんに非日常感を提供して精神的な豊かさをもたらすもの。しかしこれらは他の業界以上に景気の影響を多大に受けやすい性質があり、お客さんの消費意識が薄れてしまえば、こちらがいくらパフォーマンスに力を注いでも集客が難しくなるのです。

趣味や休日の過ごし方に価値を見出す産業故に極端な話、無くなっても人々(お客さん)の生活が困窮するわけではないので、その不安定さは他の業種に比べて強いと言えるでしょう。

 

ダイバーシティ推進との関連

 

 

 

 

アミューズメント業界、特にパチンコ産業でのダイバーシティ(人材の多様化)推進が進んでいるのも解説しておきましょう。ここ数年で各企業で働き方改革が推し進められているのは、就活生の間でも周知の情報かと思いますが、人材不足や店舗数の減少で落ち込み気味なパチンコ産業でも既存サービスの満足度上昇や、社員のモチベーションアップ(離職率低下)を狙い、ダイバーシティに基づく働き方の見直しが成されてきています。

 

特に今年の3月に組織再編を実施した大手ホールのマルハンではこの動きが顕著であり、各店舗の代表者を集めて成果報告会を行うなど、“向かい風”となっている流れを一新しようという熱意が感じられますね。その中身についてですが、女性役職者の教育や試験の実施に、社員の休憩時間改善による残業数減少と業務効率の底上げなど。まだまだ着手して一年余りのダイバーシティ推進ですが、既存の慣習に縛られないため、時代のニーズに対応出来る姿勢を獲得するために、パチンコ業界では今後もこの試みが浸透していくのではないかと考えられます。

 

そしてパチンコ業界といえば気になるのが「カジノ法案(IR推進法)」の影響です。昨年でも大々的にニュースで取り上げられた法案ですが、これについてまず話さないといけませんね。

まず可決されたIR法案ですがこれは「複合型(総合型)リゾート=IRにおけるカジノの設置」と言い換える事が出来ます。アメリカやアジア各国とは違い日本では“金銭のやりとりが介在する賭博”は法律によって禁止されているのものですが、この法案によって将来的に日本でも合法的にカジノを楽しめるようになります。

「いやいや、パチンコも金銭介在してんじゃん」と思われるでしょうが、その説明は後々に回しますね。

 

そして法案自体は「IR整備法」「IR推進法」の2つのタイプがあってこそ成立するもの。前者では北海道・和歌山・大阪・長崎を候補地とし、複合型リゾートを設置するための住民理解や建設工程などの“整備”を行うものであり、これらを通過した暁には後者のIR推進法が本格的に始動するようになります。複合型リゾートについても宿泊・展示・レクリエーション施設がこれに該当しますが、カジノ施設そのものはこれら全体のたった3%しか含まれません。

反対派からは「カジノ法案」と揶揄されている代物ですが、リゾートの規模で考えてみるとそこまで大きな存在感を放ってはいないように感じます。まぁ、カジノ合法化という点がギャンブル依存者増加の懸念などを含む議論を生んでいるわけですが…。

 

このIR法案には財政の改善と確保、地域経済の活性化、観光産業の振興の3つの目的が含まれており、IR法案によってカジノを含む複合型リゾートが各地に展開するようになれば、地方での財源が潤うだけでなく国内外での観光客増加による持続的なインバウンドも狙えると考えられます。

 

 

 

 

ではパチンコ業界に話を戻します。先ほど軽く触れた事ですがパチンコは3店方式によって“うまい具合に”法の網目をくぐり金銭のやりとりを可能にしています。あまり大きい声で言えませんが。

具体的に説明すると長くなってしまうのでざっくりとした解説をすると、パチンコ店で出玉を直接お金に換えると違法。ただし得た出玉を“景品”と交換して、その後に別の場所で景品をお金に換えるのはセーフなわけです。

 

では、IR法案の影響はパチンコ業界にどれほど与えるのでしょうか? 世間的には「ギャンブルに依存する人が増える」と指摘されていますが、専門家の見解によると「確かにカジノの常態化には課題が山積みですが、この法案で賭博の“住み分け”が容易になる」との事。

つまりパチンコは全国的に展開している事業で庶民的な存在。逆にカジノは定められた都市の複合型リゾートにあるごく少数規模の設置数であり、なおかつリゾートを楽しむ富裕層の“付加価値”に過ぎないとされているのです。

 

少し長い説明になってしまいましたが、要するにカジノを目的に赴く人は全体的に見ても“ほんの一握り”で、ほとんどの人はリゾートそのものを目的として余暇活動すると考えられています。

これだけ見ても、IR法案によって近い将来北海道や大阪でカジノ有りな複合型リゾートが誕生しても、それだけでは長く親しまれてきたパチンコのシェアが大幅に奪われるという事に繋がらないのです。

 

 

 

 

そして日本では全く馴染みの無いと言えるカジノ。これが台頭するかと言ってパチンコ業者がピンチになるわけでもありません。というのもパチンコ業者にはメーカー(筐体の開発)とホール(事業の運営者)がいるのですが、パチンコにまつわるノウハウを培った業者の能力はカジノでも通用していくとされているのです。簡単に言えばホール関係者は過去のパチンコにおけるビジネスモデルを参考に、カジノの主要プレイヤーになり得ると囁かれていますし、メーカーもカジノで使用するであろうスロットなどの筐体(遊戯台)の製造から運用に至るまでを、パチンコからのノウハウで賄う事が可能です。

このように「IR法案によってパチンコ界隈に大きな影を落とすのではないか?」と多くの人に不安視されていますが、実際は危惧するような自体に発展しないとされているのです。

 

まとめ

 

 

 

 

いかがでしたか? 後半部ではパチンコ業界とIR法案の影響とカジノの存在について語り、長く説明が続いてしまいましたが、それを含めてアミューズメント・レジャー業界は、現代人の精神的安寧をもたらす上で欠かせない存在として注目されています。ただ他の業種とは違って、仕事に“やりがい”を見出せなければなかなか続かない仕事ばかりとも言われているので、それでも「アミューズメント業界に興味がある」と考える就活生の方は、是非とも“自分にはどんな業種・職種が適しているか”をチェックしてみてくださいね!