就活生にとって悩みの種であるガクチカ(学生時代に力を入れた事)の掘り起こし。これは自己分析の一種で“何を頑張り”“どんな事を学んだか”などを振り返り言語化する作業なわけですが、就活したてだと何を書いていけばいいか分からないという人も多いのではないでしょうか? ガクチカを書く上で大事なのは“自分の強みを相手に伝える事”です。今回はガクチカを書く際のポイントや例文を紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガクチカでは何を盛り込むべきか?

 

 

 

 

ESや面接での受け答えを突破するのに必要不可欠な要素であるガクチカ。その名の通り、学生時代に力を入れた内容を落とし込むわけですが、傾向として就活生の多くは部活動やサークル活動をテーマにする事が非常に多いです。確かに学生にとってこの二つは身近な取り組みであり、自分の好きな(得意な)事と向き合えるだけでなく挫折や苦悩も経験しやすいはずなので、力を入れた事という意味では“とっつきやすい”内容と言えます。

 

もちろん学生の本分である学業面に焦点を当ててみるのもアリですね。勉強という行為が自分の性格と考え方にどんな影響を与えてきたかを掘り下げる人も少なくありません。もちろん勉強といっても学校内の授業だけで無く、セミナーや塾などフィールドは様々です。また、就活生に“人気”なのがボランティアや留学といった学校外活動。数ヶ月~数年間、海外に赴いて語学やその土地の歴史などを学び、社会的な視野が広がった。ゴミ問題や高齢者問題に悩む地方にて、ポイ捨ての回収や多くの高齢者を介護してホスピタリティ精神に目覚めたなど。従来の環境下ではまず味わえなかった体験を盛り込むのも目を引きやすいです。

 

そして忘れてはならないのがアルバイトの体験談。こちらも部活・サークルと並ぶベターな要素ですが、社会人経験の乏しい学生が“働く楽しさや大変さ”への理解を深めるのにとても有効的な手段と言えます。飲食業やサービス業など人によって種類や勤務内容は変わってきますが、お客さんに先輩社員などの対人関係や業務上のトラブル(課題)など、乗り越えなければいけない要素は共通しているはず。“そういった事柄を如何に対処しその経験がどう活きているか”を、ガクチカで表現する必要があります。

 

 

 

…という具合にガクチカで盛り込みやすい要素をざっと挙げていきましたが、これらの“ネタ”を取捨選択していく作業は本当に迷ってしまいますよね。「何が一番濃い内容なのか」「どれがアピールに繋げやすいか」を、情報に漏れが無いように一つずつ振り返っていかなければならないので精神的にも疲れますし。

 

また、人によっては上記に当てはまらないような体験談を持っている人もいるかと思います。もちろん部活や学校外活動、アルバイト以外の体験談を書く事は別段問題ありません。記事冒頭でもある通りガクチカは、自身の人柄や物事に対する姿勢を読み手に訴えかける事が目的です。よほど社会規範や風紀に違反するような内容で無い限り、ガクチカで「〇〇しか書いちゃいけない!」という縛りは無いので安心してくださいね。

 

ガクチカ構成の順序

 

具体的なガクチカの纏め方ですが「結論・動機・課題・行動・結果」という順序で書き連ねていきます。ガクチカに限らず何かを相手に解説する際は、必ず結論を先に置いて“これからどんな内容を話すのか”を伝えましょう。

逆に書類だろうと面接だろうと、結論を最初に話しておかないと「この子は何の話をしているのだろう?」と内容への理解度を下げてしまいます。

 

何に力を入れてきたか(結論)を紹介したら、今度は「なぜそこを頑張ったのか」という動機について語っていきましょう。行動にはそれなりの理由が付加するものです。たとえば部活動でチームの協調性を上げる事に注力していたとしましょう。当時は1人1人の足並みが乱れがちだったり、スタンドプレーが目立ち団体で動く意識が欠如していたという課題を抱えていたのなら、大会や試合で良い結果を生むためにそこを改善しなければいけないと考えるはずです。このように学生の時分に発生した課題を掘り下げつつ「その時に自分が何を感じ、どんな目標を立てたのか」も振り返っていくのが動機を説明するコツです。

そしてその動機の誘発経緯が自発的なのか、あるいは周りに流されて能動的に起きた事なのかも明確にしておくように。自身が率先して「行動を起こさねば」と考えたのならば、アプローチ次第で「問題処理に積極的な姿勢を持てる子だ」というインパクトを与えやすくなるでしょう。

 

次が課題についてです。ここでは前に話した動機(過去の事象の問題点など)を解決するために、乗り越えなければいけないポイントを紹介していく運びとなります。第三者にも分かるように発生した問題を噛み砕いて説明する必要があるでしょう。もちろん相手の理解を妨げてはいけないので、その界隈でしか通用しないような専門用語を使うのはNGです。

 

課題に触れたならば、その後は改善するために自分がどんな行動を取ったのかを解説していく事になります。一朝一夕では解決出来ないような問題をクリアするのに何が必要だったか、どんな点を工夫してきたのかなどを具体的に書いていきましょう。

その後に取り上げたエピソードの結果を纏めます。この場合の結果とは自分の取り組みが最終的にどんな効果をもたらしたのかを書いていくわけですが、それだけでなく問題の解決に自分のどんな能力が活きて、経験を通じ何を得たのかを話して締めとなります。

 

企業側がガクチカで気にしているところとは?

 

 

 

 

ガクチカで盛り込む内容や枠組みについて長々と紹介していきましたが、企業がガクチカのどの内容に重きを置いているのかをここで解説しましょう。就活生の皆さんは当然、中途入社ではなく新卒として動くわけですから、何もかもが初めてなので実績もスキルも伴っていない人が大多数かと思います。それらは仕事の過程で培われていくものなので、採用活動の段階でも企業は学生に直接的に利益に結びつくような能力を期待していません。

 

では書類・面接選考でのガクチカで企業はどんな点を気にしているのかというと、学生時代に出した成果だけでなく、それに至るまでの過程や物事に対する価値観です。「滞りなく業務を遂行してくれるだろう」と期待される就活生は、数年間の学生生活で培ってきた実績・成果と、それに至るプロセスを明確化されているからこそ評価されるのです。

よくガクチカもとい自己PRの面で失敗しがちな就活生の特徴では、過去の実績や成果ばかりをフィーチャーしてしまう点が挙げられます。

 

ですが穿った見方をするならば、その輝かしい結果が偶然のものだったり、あるいは事実と虚構を織り交ぜているだけかもしれません。相手に仕事を任せる事の不安感を抱かせないためにも、過去の成果だけではなく、その過程で発生した課題や対処する姿勢と行動を明確化する事で、話の整合性を取りやすくなる上に、持続的に成果を挙げてくれるかもしれないという期待を持たせる事が出来るのです。

 

そしてガクチカは部活動やサークルにアルバイトなどと複数の形がありますが、活動の経験で言うと正直多くの学生同士に差は生まれないはずです。ただ十人十色という言葉があるように力を入れた動機や物事の捉え方は人によって違ってきます。こういった価値観は仕事をこなしていく上でも重要な要素であり、“どういった姿勢や考え方を持って業務と向き合うのか”をチェックするのに欠かせない判断材料です。このようにガクチカでは就活生特有の価値観も明示して、相手に仕事を任せるイメージをさせやすくさせる狙いもあります。

 

ガクチカの例文を3つ紹介!

 

 

ここからはガクチカ例文を3つほど紹介していきます。先ほどもお話しましたが、目を見張るような素晴らしいエピソードを持っている就活生ほど、過去の輝かしい実績に意識を囚われてしまい、人事担当者が知りたがっている過程や苦労などの要素を蔑ろにしてしまいがち。

確かに注目されたいという気持ちを持つのは自由ですし共感出来ますが、就活においては“どんな努力や課題を通じて今の自分を形成したのか”“他の学生とは違う自分の強みとは”といった、仕事に応用出来る要素が見受けられるかが肝心ですよ。

 

『私は学生時代、ビジネスホテルのアルバイトに力を入れておりました。私が働いていたホテルは都会の喧騒とは無縁の静かな立地で営業していたのですが、宿泊客対象のアンケート調査だと満足度は芳しくありませんでした。その大きな原因は近年急激に増加した外国人旅行者のマナー違反です。

当時働いていたホテルでは、アメリカや中国からのお客様も頻繁に訪れていたのですが、夜中でも部屋を開けたまま大騒ぎしていたり、廊下にゴミを置いたりとトラブルが山積していました。

その結果、ご贔屓にしていただいた常連の方からも不満の声が挙がるようになり、このままではいけないと考えすぐに行動に移しました。

問題を解決するための具体的な手段ですが、メモ帳に記載した注意事項を各国の言語に訳し、部屋にお連れするまでの間に、注意事項を英語・中国語で解説する役割を担いました。

その後も本来のマニュアルには無い一時間毎の館内巡回を自発的に行い、ポイ捨てしたお客様への厳重注意を実行したところ、次第に騒音やゴミ問題も減少していき、お客様の満足度も向上しました。

私はこの経験によって、トラブルを未然に防ぐための臨機応変な姿勢と、対人関係における気遣いの精神を得る事が出来ました。』

 

『〇〇専門学校に在籍中、私はライターとしての経験を養うためにインタビューの練習に力を注いでいました。ライターは文字を使って正確な情報を多くの人に提供するのが仕事ですが、そこに至るまでには「如何に相手から多くの情報を聞き出すか」という点が重要になっていきます。

その目的を果たすのに有効的な手段であるインタビューにおいても、相手の性格や立場、そして話す内容は時と場合によって異なってきますので、同じような相槌や話の促し方は通用しません。仮に相手が気に入らないと判断した場合は、こちらの都合に関係無く早々にインタビューを打ち切られる場合もあります。

実際、現場を想定した練習風景でも過度な相槌や長々としたアプローチによって、相手を辟易させてしまったケースを何度も経験しました。

そこで改善策を模索していたところ、お世話になっていた講師の方から「数を追って慣れる事も大事だけど、相手に興味を持つ意識が無いと進歩は難しい」とご指摘頂きました。

その時に自分に足りないものは「相手の事をもっと知りたい」という姿勢だと気付かされたのです。

以降はその言葉を胸に刻みこみ、常にインタビュー対象者への好奇心を絶やさないよう心がけています。その結果、今までの作ったような相槌や機械的な対応が嘘のように改善され、初対面の方との自然な距離の縮め方や、相手に「もっと話したい」と思わせるような促し方を会得するに至りました。』

 

『私が学生時代に力を注いだのは部活動です。在籍していたサッカー部には約100名もの部員がいた事から、部員一人一人の意見が上まで届かない事も多々ありました。

そこで私はその問題に注目し、 部員全員が楽しめる環境づくりを実行しました。たとえば普段意見が言いづらいであろう後輩の意見を積極的に聞き、反映させることを努力しました。これを続けた結果、部員全員が学年関係なく意見を言い合える環境ができました。この経験で、組織において周囲の状況を把握し行動する「サポート力」「気配り」の能力が身に付いたと自負しております。

この力を活かし、貴社でも活躍したいと考えております。』

 

まとめ

 

 

 

 

いかがでしたか? 「ガクチカ」と聞くと情報の掘り下げに悩む人も多いですが、志望する企業のニーズと過去の経験で培った自分の強みを結びつかせるだけなので、そこまで深刻に考える必要はありませんよ。もちろんロジックの理解と書く事への慣れは必要になりますが、学生時代の努力や課題を乗り越えた姿こそが、企業が最も重視している情報なので「別に注目されるような結果を出してないし…」と卑下せず、学業や部活、アルバイトに趣味の領域まで、どんな些細な事でもアピールに繋がるような出来事は貪欲に拾っていきましょう。