よくテレビや新聞で“東証一部”という言葉を聞かれますが、皆さんはその意味について十分に理解しているでしょうか? 特に就活生の場合この仕組みを分かっていないと、企業選びの際「どんな場所が社員満足度や待遇に優れているのか」という点に迷ってしまう事も考えられます。なので今回は東証一部の概要や、その過程に含まれる上場企業について解説を入れていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

そもそも東証一部って何?

 

 

 

 

よく耳にする「東証一部」とは証券取引所が運営する株式市場の事を指します。証券取引所はニューヨークやロンドンなど世界各国に設置されているものですが、日本ですと東京や札幌、福岡に名古屋といった各都市に存在し、国内の株式市場を動かしているわけです。

見出しにある東証とは要するに東京証券取引所の略語。そしてその種類も色々と分かれており、東証一部・二部にマザーズやジャスダックという感じに、上場した企業のランク(規模や知名度に資産など)で変わっていきます。

 

ここで言う“上場”とは東証の設ける審査を通過して、前述の株式市場に登録する事を意味します。言うまでもなく日本では大手や中小を始めとする数多くの株式会社が存在するわけですが、その運営は資金があってこそ成り立つものです。そもそも株式は株主(投資家あるいは一般層)に自社株を購入してもらい、そこで得た資金の一部を事業に投入し、その後利益を株主に配当するシステムで成り立っています。簡単に言うと資金調達ですね。企業のメリットとしては多くの株主に証券を売ってオーナーになってもらい、権利の一部を渡しつつ企業の知名度や事業発展の資金を集める事が含まれます。

ですが、たとえ超有名企業でも市場に出回っていない“未公開株”の場合は自由に売買する事が出来ません(非上場企業)。しかし上場という形で株式市場に自社を登録出来れば、未公開株が市場に出回って今まで以上に投資家達の目に留まるようになります。そうなれば資金調達が容易になるだけでなくメディアに取り上げられて知名度が向上する上に、従業員のモチベーションも高まって業務の生産性が上がる事まで見込めるでしょう。

 

クラウドファンディングで株を動かす事も

 

「ていうか、未公開なら企業は資金調達が他より難しくなるじゃん」と思われるかもしれませんが、株式市場に登録していない未公開企業の手段としては、株式型クラウドファンディングが第一に挙がりますね。“クラウドファンディング”は芸能人やベンチャー企業がよく取る資金調達手段なのですが、中身を詳しくみていきましょう。クラウドファンディングは個人や組織がインターネット経由で資金調達を行うもので、本の発行や途上国の支援など各プロジェクトによって到達目標額は異なります。こちらも株式の流れを汲んでおり、実行者は目標を達成するための資金を得て、支援者は物や税制緩和などの対価を得る事が可能です。もちろん税が絡むリターンは会計・税務を交えた処理が必要になりますが。

そして株式型クラウドファンディングは市場に回せない非上場企業のためのシステムであり、通常のクラウドファンディングと違い対価が株式となります。未公開株を公開前に売り渡し、上場への足掛かりにする手段としては有用性に優れていると言えますね。

 

将来的に二部から一部へ変更する事も可能

 

ただ企業によって強みや会社規模は異なってきますので、上場するにもまずは“自社の特徴に合わせた市場登録”をする必要があるでしょう。ここで先ほど軽く触れた上場のランクに巻き戻るのですが、誰もが知るような大人気企業は東証一部に上場する事が可能です。次が東証二部ですね。俗に言う中堅企業の多くがこちらに該当しています。それよりも下に位置しているのがマザーズとジャスダックです。ジャスダックは誕生したばかりの新規企業やベンチャー企業、マザーズでは一部・二部入りをしたい企業が含まれます。

つまり上場の面では一部がトップクラスの水準というわけですね。よくメディアで「〇〇企業が一部上場を果たしました」と取り上げたり、年々業績を上げている企業が「数年以内に一部入りを目指します」などと発言したりするのは、それだけ一部上場の世間的注目度が高いという事を意味するわけですね。ですが繰り返しになりますが、どんな企業でも真っ先に一部を狙えるわけではなく、将来的な一部上場を考えてまずは自社のランクがどこに位置しているかを考える必要があります。生まれたばかりの企業なら社員数はそこまで多くないでしょうし、たとえ中堅企業でも抱える資本金は歴史ある大手企業とは比べるまでもありません。そこで最初はマザーズや二部に上場し、事業が安定して業界での信用度を確固たるものに出来た後で、一部上場へシフトするための審査を受けるという流れが主流となるでしょう。

 

上場企業になる基準とは?

 

 

 

 

一部・二部にしてもマザーズにしても、上場を果たすには定められた基準を満たす事を求められます。その基準は東京や名古屋などで差があるのですが、各基準点をクリアする事で株式公開が可能となり、国内外多くの投資家を対象に株の売買を行えます。ここの見出しでは一部からマザーズ市場での上場基準を話していくのですが、ジャスダックの解説を先に回しますね。

ジャスダックはベンチャー企業向けの市場ですので一般的な上場の基準が大きく違い、一部や二部と混ぜ込んで話すとややこしくなってしまうので、あえて区切らせていただきます。

まず、ジャスダックは「スタンダード」と「グロース」という二つの市場で構成・差別化されているのが特徴、ジャスダックはこの二つを総称した位置づけになるのです。スタンダードは“実績を基に上場するもの”であり、グロースでは“現状が赤字でも将来性を見込めれば上場出来る”という違いがあります。これによって新興企業であろうと、きちんと結果さえ残していれば上場の切符を得る事が出来るわけですね。

 

詳しい基準ですがスタンダードは“見込み純資産額が2億円以上”“流通株式時価総額が5億円以上”であり“公募などでの株券分布単位が1000以上”または“株主数が200以上”である必要があります。株券の条件はグロースも変わりありませんが、こちらだと“見込み純資産額が正(一円以上のプラス)であればOK”とかなり緩和されています。グロース(成長)とあるだけあり時価総額や純資産額に制約が無く、将来的な成長度が肝となるのが大きな差なんだと理解しましょう。

 

 

 

 

では、一部~マザーズに目を向けていきましょう。最初に「株主数」ですが、一部上場では2200人以上で二部では800人。マザーズは200人以上を求められます。「流通株式」は一部が2万以上、二部は4000以上、そしてマザーズは2000以上です。そして「時価総額」に関しては一部(250億)・二部(20億)・マザーズ(10億)となっております。

実際、上場基準を数値で見てみると一部がどれだけ難関なのかが窺い知れますね。

 

東証一部も良いが他にも注目してみよう

 

 

 

 

ここまでの説明で東証一部について理解出来たかと思いますが、東証一部に上場している企業に就職する事が果たしてベストなのでしょうか? 企業選びにおいて当人が企業に勤める際に“何を求めるか”“どんなキャリアビジョンを描いているか”は異なりますし、学生の中には「いくら上場していても実はブラックなんじゃないの…?」と不安を覚える人もいるかもしれません。

 

ですが、一部上場を果たしている事は“厳しい審査を受けて見事突破した”事を意味しています。会社組織としての継続性だったり経営の健全性だったり。また企業の内部状況を開示して適正に判断する過程も審査では含まれていきます。

仮に事業の“粗”や内部(社員の声)が概ねネガティブなものだったりすると、当然一部上場の門をくぐる事は叶いません。また企業の株価というのはまるで生き物のような動きを見せるものであり、たとえ数年間好調に事業シェアを伸ばしていたとしても、不祥事の発覚やトレンド次第で周囲の信頼が急降下すれば、それに伴い株価も落ちていき企業そのものの“権威”も失墜し経営もままならない状態になる事も大いに考えられます。そんなシビアな流れに堪え(上場見込みのタイミングで)、尚且つ目を見張るほどの実績を保持しているわけですから、一部上場企業の多くは大手企業の中でも高水準な働き方や見返りを期待出来ると言えるでしょう。

 

もちろん一部だけでなく二部やマザーズにジャスダックでも同じ事が言えます。たとえ一部ほどの待遇を見込めなくても、そのランクに上場しているという事は“中堅企業の中では”“ベンチャー企業の中では”成長の期待値や社会的信用を得ているわけですので、企業選びの際は一部以外の上場企業にも気を配りましょう。

 

まとめ

 

 

 

 

いかがでしたか? このように東証や株式、上場企業について学ぶ事は自身の企業選びの選択肢を増やすきっかけにも繋がります。たとえ証券取引所の仕組みや投資家達の動きを今まで深く気にしていなかったとしても、就活が始まり志望する企業が一部や二部に該当していた場合、一度株式市場の流れをチェックしてみるのも面白いかもしれませんね。