偏差値は“賢さ・優秀さ”の指標として用いられる場合が多いですが、「就職偏差値」として対象企業の人気度や入社難易度を数値化したものがある事をご存知でしょうか? 学生の間でも名の知れた大手企業が名を連ね、お目当ての企業がどの程度のレベルなのかがランキング形式で把握出来る便利な代物です。ただ、就職偏差値を何から何まで鵜呑みにする事には大きなリスクが付きまといます。

 

 

就職偏差値とは一体なに?

 

 

 

 

そもそも就職偏差値とは何かと言いますと、2ch(5ch)内の就職掲示板(就職板)情報を基に書き込まれた大手有名企業の入社難易度や人気度をランキング形式でまとめたものを言います。一般的に名の知れた有名企業や地盤がしっかりした老舗の企業など、約200社規模の就活市場上位に位置する企業群をピックアップし、就職掲示板ユーザーが定めた“偏差値”がそれぞれの社名の傍にあるのが特徴的です。

一般的に志望企業の入社ハードルは、露わにされている入社倍率やOBOGなど“先輩達”の体験談である程度推し量るものですが、こちらでは「この程度の学力(在籍校の偏差値)があれば入社の可能性があるよ」と分かりやすく数値化しているので、志望する企業の壁が如何ほど高いのかが理解しやすいです。

 

ですが誤解無きよう繰り返しお伝えしますが、あくまで情報をまとめて企業の難易度を偏差値で表しているのは各企業の現役社員ではなく姿形の見えない一般ネットユーザー。中には大手企業で勤めている人や数々の企業を渡り歩き就活の実情をよく理解している人もいるかもしれませんが、書き込んでいる多くが全く関係の無い人物ばかりという可能性も大きいです。それは何を意味するかと言うと“ユーザーの主観が介在しやすい”“難易度=偏差値の信憑性”が関わってきます。今ではネットの普及・利便性の向上によって個人でも手軽に膨大な情報を入手出来る時代になりました。一昔前の就職氷河期の頃とは違ってスマホの台頭や、ネットビジネス・ニュースサイトの増大で日々最新の情報が時間場所を問わず把握出来る土壌に仕上がったのです。ですがそれは“不確かな情報”をも氾濫させやすい結果に繋がっているとも言えます

 

 

 

 

上記の就職掲示板が良い例ですがWebというのは誰もが自由に書き込みが出来る反面、“ガセネタ”やユーザーの主観が入り混じった正確性に欠けるものも顕著になってきます。後者の場合、客観的な視点を度外視した不明瞭な評価故に企業毎のランク基準も曖昧。そのために掲示板を閲覧した就活生から「A社がSランクで何でB社がAランクなんだ?」という指摘を受ける事も度々あります。また、高難関大学に所属している就活生でも設けられた就職偏差値を鵜呑みにし、S・Aランクの大手企業をメインに据えて就活に臨み惨敗したケースも多くあります。この事実がある事から、たとえ掲示板の基準値(偏差値)をクリアしている学生だろうと、企業が受け入れてくれる可能性が高いわけではない事が分かります。就活の市場がどんなものか右も左も分からない学生にとって、企業の存在や支持の高さを知れるには良い機会ですが、記載されている“偏差値”に惑わされて「自分の偏差値なら余裕だな」と迂闊な姿勢を取ってしまうのは危険です

 

19就職偏差値ランキング(文系・理系別10選)

 

 

 

 

ここからは19卒版の就職偏差値ランキングトップ10入り企業を、文系・理系のタイプに分けてご紹介していきます。ただこちらでは企業単位でなく偏差値毎に列挙していく事になるので悪しからず。世間的に認知度の高い有名企業や業績右肩上がりな上場企業、そして古くから日本を支える老舗の優良企業ばかりですので、これを機に今後の就活の選択肢を広げてみるのも良いでしょう。

 

文系:就職偏差値ランキング10

 

[69] 日本銀行 野村證券(GM) 三井不動産

[68] 東京海上(SPEC) 日本政策投資銀行 日本テレビ

[67] テレビ朝日 電通 三菱商事

[66] 第一生命(FE) 日本郵船 三井物産

[65] 伊藤忠商事 住友商事 トヨタ

[64] 新日鐵住金日本証券金融 任天堂

[63] 旭硝子 サントリー 東急不動産

[62] 住友不動産 東京海上日動 三菱化学

[61] 日本生命 日立コンサルティング 富士フィルム

[60] 花王 サッポロ 資生堂

[59] 産経 ANA 三井住友信託

 

理系:就職偏差値ランキング10

 

[70] IBM(基礎研) Google Intel

[69] 上位研究所(MRI/NTT持株/豊田中研/鉄研/電中研/産総研)

[68] 上位金融(数理専門) NHK(放送技術)

[67] JXエネ JR東海 Microsoft

[66] ドコモ(中央) INPEX 武田薬品

[65] 味の素 旭硝子 三菱重工

[64] 日清製粉 信越化学 日産

[63] 日清食品 川崎重工 富士フィルム

[62] 東邦ガス 地方電力 明治

[61] 昭和電工 大手ゼネコン 日東電工

[60] NTT東西 日本製紙 森永製菓

 

就職偏差値を信じ切り失敗した人が後を絶たない

 

 

 

 

就職偏差値はあくまで目安に過ぎない”という認識なら問題ありませんが、記載されている数値や企業名をあてにして思わぬしっぺ返しを喰らったという学生の姿も散見します。これに関してですが就職偏差値そのものの問題というより、“就職偏差値によって慢心した学生”に問題があると言えます。たとえば難関大学に在籍中で就活生としてのスタートを切ったばかりの人の中には、特に目標とする企業ややりたい事が定まっていない状態にもかかわらず「この偏差値をクリアしているし大丈夫だろ」と高を括って、大手数社しかエントリーしていないタイプもいらっしゃいます。もちろん企業側のニーズに適い見事早期内定を得たパターンも存在しますが、書類選考時点で落とされる事が多々あります。その敗因ですがやはり偏差値を就活の指標にして“企業を甘く見た”という点ですね。採用活動をするどの企業でも欲しがっている人材は違いますし、活躍出来るスキルや適性だって千差万別です。にもかかわらず「自分ならこの程度の企業余裕で突破出来る」と自信過剰になって対策や企業の求めている人物像の把握が疎かになってしまう。この失敗談が毎年必ずと言っていいほど聞かれます。

 

また企業選びの際でも理念に共感しているわけでも、企業や業界の姿に魅了されて成長したいと考えているわけでもなく、ただ「大手ブランドを手に入れれば人生が豊かになる」と安易に捉えて選考で跳ね返されたり、運良く入社しても業務や待遇のギャップについていけず早期退職してしまう人も…。内定獲得や理想的な働き方実現など就活を成功させるには、希望する企業と自分の適性がマッチしているかや、長く働くためにどんな努力や心構えが必要かなど熟考していくのが大切ですが、ネームバリューや高給など“鼻先で釣られている餌”に喰いつき、考えるべき事柄から目を背けてしまうのも就職偏差値を妄信してしまう人の特徴ですね。学力がいくら高くても就活では、将来に対する軸定め(プランニング)や自分を客観的に見れる姿勢が無ければ何も上手くいきません。大学入試などでは偏差値は肝心な要素ですが、就活では偏差値が内定への決定打になり得ないという事を覚えておきましょうね。

 

入社難易度の高い企業へ挑むための対策法

 

 

 

 

これまでの解説で就職板に掲載されている各企業の偏差値が、すべからく正しいというわけでない事が理解出来たかと思います。ユーザーの主観に偏った書き込み、そして年度毎にも変化のあるランキングですので、たとえ上位に位置している企業でも“絶対この偏差値でなければ門前払いを喰らう”とは言い切れません。しかしどこも人気企業である事に違いはなく、生半可な気持ちや準備不足だとたとえ学力やスキルに自信を持っていたとしても相手にされない場合が考えられます。それを避けるためにも、入念なSPI・ES対策(自己分析・企業研究)を欠かさずにしていきましょう

 

「何を今更言ってるんだ(笑)」と思われるかもしれませんが、前述で失敗ケースを取り上げたように自己分析による長所・短所と志望度の明確化や、業種によって異なる企業の特徴やニーズと適性を理解していない学生もまだまだ存在します。もちろん就職偏差値全てを否定しているわけではなく「こういう企業が今人気なのか」と参考にするくらいなら問題はありませんが、結局企業コンサルティングや研究者でなく一般ユーザーからの情報(期待度・信頼度)に過ぎません。それら書き込みを真に受けてしまうのではなく、まずは就活生としての自身の魅力点や働く上での目標をハッキリさせるところから始めてください。そうすれば企業の規模や認知度に関係なく「何が自分に合っているのか」「どの職種が一番やりがいを感じやすいのか」という“自分なりの企業選び”を冷静に行えるようになりますよ。

 

まとめ

 

 

 

 

いかがでしたか? 就活が解禁される時期では話題に上がりやすい就職偏差値。各企業の入社難易度がどの程度なのか、文系理系で異なる人気企業とは何なのかなど“選択肢を広げる参考資料”くらいの捉え方なら問題はありませんが、一般人からの独断と偏見で定まった“偏差値”をあてにし過ぎて就活での大事な工程をおざなりにしまうのは危険です。就職四季報といった情報濃度が高いビジネスメディアや、志望企業のHPや開催している説明会を最終的な判断材料にした方が失敗を減らす意味でも理想的。またネットの情報だけでなく実際に働いているOBOGからの話も忘れず吸収して、企業選びに間違いが無いようにしましょうね。