就活生のみならず意識高い系の学生の知り合いを持つ人の中には、相手が普段常用しないような英語を会話に盛り込んできて困惑あるいはイラっとしている人もいるのではないでしょうか? そのフレーズもビジネス向け専門用語から“日本発の英語”である和製英語と様々。ただどの英語も正しい意味と使い時を知っていないと就活イベントや選考といった局面で要らぬ恥をかいてしまいます。今回は学生の間で氾濫気味のビジネス用語の解説と使う事で起こるちょっとしたリスクについて解説していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

就活生も気を付けよう! 常用しない英語を使うリスク

 

 

 

 

学生から社会人へ成長する過程では誰もが多少なり“大人になる事”への理解が深まっていくものです。勉強やアルバイトといった狭い世界から、ビジネスの場という何歩も踏み込んだ環境へ飛躍するわけですから当然と言えば当然。行きたい業界を絞り各企業の研究を積み重ね、説明会やインターンで市場の流れや仕事への意識を高め、そして自己分析によって自分の強みや弱み、将来像を明確にしていく…。ほとんどの学生がこういったプロセスを経て“理想的なビジネスパーソン”へと成長していくわけです。ただ当たり前だと思っていた知識の数々が実は誤った意味を含んでいたり、そもそも日本でそこまで浸透していない言語なのに、TPOを弁えず無駄に英語に置き換えて話してしまうと、相手の理解を得られず逆に「薄っぺらい人間性」と判断される事も。“カッコイイ大人”を演じたがる若者のプライドを傷つける事になりますし、相手に勉強不足・会話が下手と認識されてイメージ低下にも繋がりかねません。現実問題、自分のアピールに余念のない人の多くは、かなり間違った英語の使い方をしているケースが多いです。ではどんなフレーズが頻繁に使われがちなのでしょうか?

 

 

 

近年爆発的に使われ始めた「アジェンダ」。“議題・予定”という意味を持つビジネス用語ですが、学生という身分でも広く使われ多くの聞き手を困惑させています。使用例ですが「本日のアジェンダはどうなってる?」「アナタはこのアジェンダについてどう思う?」といった感じでしょうか。仕事の影響でよく耳にする場合は特に抵抗を感じないと思いますが、一見ホントに何の事を言っているのかが伝わりにくいのが正直な感想。円滑に会話を進めたいのなら一瞬で理解に及ばない専門用語を使うよりも、議題や予定などたった二文字で解決する言葉を使うべきです。

次が「インフルエンサー」が浮かびます。インフルエンザウイルスではないので悪しからず…。意味としては“影響力に優れた人・求心力抜群な人”を指すものであり、こちらもれっきとしたビジネス用語です。見て分かる通りまず一般的に使う機会のない言葉ですが、こちらも先ほどのアジェンダの例に漏れず若者が頻繁に使い始めて知られるようになりました。SNSなどの人気者が特定の商品をピックアップしてその商品の売り上げが圧倒的な伸びを見せたらその立役者をインフルエンサーと呼んだりしますね。かといって日常の風景でこの言葉を使っても、相手はまず「インフルエンザ」を彷彿するのが自然の流れだと思いますが…。

そして特に多いのが「エピデンス」です。こちらはビジネス用語というよりも医療業界で浸透している用語であり、“証拠”という意味を指しています。この言葉に関しては意識高い系の知り合いを持つ人は耳にタコ状態でウンザリしているかと思います。実際の現場では、投薬実験など新薬の治療効果の証拠を示す際に使用し、こちらも他のフレーズと同じく全く普段の生活で使う事はありません。ただ子供というのは覚えたての言葉を使いたがるもので、以前まで“証拠”と無駄なく分かりやすい言葉を使っていたのに、最近急に「それに関してはエピデンスないよね?」と気取るようになった人も学生を中心に爆発的に増加しました。

 

上記の3つは特に使用頻度が顕著なフレーズですが、この他にも数々の専門用語が氾濫しています。“利害関係者”を指す「ステークホルダー(スネークではありませんよ!)」や“合意”を意味する「コンセンサス」、“解決”でいう意味を持つビジネス用語「ソリューション」などと日本語では二・三文字程度で納得出来るものを、わざわざこれら用語を会話に盛り込み内容そのものを散らかしてしまうのです。カッコつけたいお年頃ならイライラはするものの“可愛い盛り”で済みますが、これが企業相手になってくると相手によっては敬遠対象に挙げられかねません。全くの未経験にもかかわらず専門用語を乱立して自己完結ような“素人”を、誰も採りたいなんて思わないでしょう。

 

番外編~市民権を得てきたビジネス用語

 

 

 

先ほどはある種、難関であり一般的な知名度と理解を得られづらい英語(ビジネス用語)を紹介していきましたが、背伸びしたがる意識高い系の人以外でもよく使い、日常でも差し支えないレベルのビジネス用語も中には存在します。たとえば老若男女幅広く使われる言葉では「マスト」が挙がりますね。中学校あるいは小学校で学習する簡単なワードですので、意味を知らないという人の方が少ないはず。

…誤解する事はないかと思いますが船の帆柱を指すマストではありませんよ。“絶対に〇〇しなければならない”という意味です。ビジネスの場ではスケジュール管理の際に「12時までにこの業務はマスト!」などと使われますが、普段の生活内でも「この時期にマストなアイテム」という感じで聞く事も度々ありますね。

“忙しい時やキツイ状態”を指す「タイト」も今では多くの人が使います。ビジネスマンや学生に主婦までもがスケジュール調整を行う時に「タイトな時間帯で~」と話す事でしょう。またマストと似たニュアンスですが「タスク」も浸透してきました。こちらは“しなければならない課題・予定”を意味し、仕事のみならず遊びや家事でも使う機会があるのでもはや馴染み深い存在です。

そして自分磨きや仕事の最終的な仕上げで使われる「ブラッシュアップ」も、あらゆる分野で通用するように。他にも色々とワードがありますが流石に長くなってしまうので割愛します。このように本来はビジネスシーンで使う事の多かった言葉でも、時代の変化や多様化によってメディアなどを通じて徐々に受け入れられるようになってきました。

 

「これも和製英語!?」ありがちな間違い

 

 

 

 

これは就活生のみならずカタカナ言葉(和製英語)を英語だと認識している人が陥りやすいのですが、こちらの言いたい事に間違いはなくても単語そのものに違いがあり、外国人や欧米文化が浸透した企業と顔合わせした際に恥をかいたケースが多々あります。たとえば日本では知らない人がまずいない「サラリーマン」。Salary“給料”とMan“男性”を掛け合わせたものですが、こちらは和製英語であり英語を母国語とする人達からすると「Huh…?」というリアクションしか返ってこないはず。正確には「オフィスワーカー(Office Worker)」がサラリーマンに該当します。ちなみにこれは男女全般を指すものであり、OLもの和製英語であり海外では通用しませんので注意しましょう。

また社会人としてブラッシュアップするに欠かせない「スキルアップ」もれっきとした和製英語。SkillとUpなので分かりやすいはずですが、正しくは「インプルーブ ~ スキル(Improve Skill)」です。「向上したい+(たとえばプレゼン能力)+スキルを」という形で表現しますよ。

同じように「キャリアアップ」も英語としては誤りであり「フォーカス オン マイ キャリア(Focus On My Carrier)」が適切です。実際、日系企業の面接や英語を公用語としない企業へ志望する場合は、特に問題にならず今まで通り和製英語で意思の疎通は図れると思います。しかし外資系企業が相手だったり外国人労働者の多い企業ですと、こちらのメッセージを受け取ってもらえず選考落ちする可能性が大きいです。

まとめ

 

 

一昔前とはガラリと環境が変わり、他愛もない会話にも複雑な英語が介在して困惑する人も多く現れるようになりました。特に就活へのモチベーション“だけは”立派な意識高い系の学生を中心に、上から目線で専門用語をひけらかし、彼らの存在だけでなく言葉自体に苦手意識を持つ人も…。その用語が活きる界隈で実際に働いている場合は問題提起されませんが、何の関係もない一般学生が見栄のために頻繁にビジネス用語を語るのは滑稽なだけです。もし心当たりがあるという人がいましたらこれを機に自分の発言とスタンスについて見直してみてくださいね。