近年日本でもグローバル化が顕著であり、各企業でも外国人労働者の雇用を受け入れる土壌づくりが目立ってきました。

また、日本でもアメリカやアジア諸国に支店を置くところも増加傾向にあり、個人の働き方を見ても外資系企業にて本領を発揮して活躍している人も多く目撃します。

就活生の皆さんの中にも「いずれは海外で働きたい」と考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、日本と海外での就活制度や働き方の違いについてお話していきます。

 

海外で就職したい人へ、海外の就活事情とは?

 

 

 

 

日本の就活スタイルですが男女共に黒(あるいは紺)のリクルートスーツに身を包み、頭髪は清潔感を感じさせるように黒に染め、男性は短く女性はおでこが見えるようにし後ろ髪を纏め、ネクタイやバッグも派手さを感じさせない“質素”なものが定番となっています。

ですが、外国人の方からすればこういった服装を込みで「日本の就活は窮屈で異様に感じる」と思われているのをご存じでしょうか?

服装以外でも面接選考における入室時のマナーやお辞儀の仕方も、海外の人からすると仰々しく大袈裟に感じられるとされているのです。

 

というのも、日本の就活では徹底したマナーや身だしなみは選考を突破するためのカギとなっているわけですが、海外の就活事情では社会人としてのある程度のマナーは大前提ですが、採用者側が一番気にしているのは“相手が即戦力として活きるか否か”という点です。

都心部を中心に日本でも広く点在している外資系企業の社風を見れば分かりますが、海外企業では完全に実力・成果を至上のものとしており、高給でキャリアを積みやすいのには「有能は受け入れ無能は廃し」というシビアな背景が込められているからです。

 

この事から、日本の就活ルールは海外でのそれとは一線を画しているのが伝わってきますね。

もちろん国によって採用活動の難易度や突破基準は異なってきますが、日本の新卒採用の仕組みに囚われて、同じ意識で海外企業にエントリーしても不採用の通知が届く可能性が大きくなる事も考えられます。

 

海外の福利厚生

 

ここで気をつけておきたいのは、海外企業の福利厚生は日本のものとは異なるという事です。

一般的な日本企業の福利厚生では「社会保険」「通勤手当」「住宅補助」「家族手当」など、施設の割引利用や優待サービスと種類が多く、就活生に人気な大手企業の福利厚生は特に充実しているのが印象的ですね。

 

では海外の福利厚生についてお話していきましょう。

当たり前の話ですが、アメリカや中国などその国の企業によって細かな福利厚生の在り方は違ってきますが、日本の企業との根本的な違いは存在します。

それは“企業第一か個人(社員)第一”かの違いでしょう。日本企業では福利厚生に関しても企業を第一に考えるサービスが特徴的です。よく問題視される有給休暇制度も、最大まで消化出来る日数があまりにも少なかったり、福利厚生とは若干ズレますが最初から残業在りきで物事を進めたりと様々。

これだけ見ても企業の利益を優先した福利厚生サービスであって、社員への“ありがたみ”が薄いように感じられます。

 

 

 

 

その反面、海外では個人利益を尊重する姿勢が特徴的であり、フレックスタイム制を盛り込んでいるのが基本です。

就業時間内にしっかり働きしっかり結果を出せれば、プライベートな時間に会社がとやかく注文する事が無いのがこれに該当します。もちろん、この自由度を実現するために先ほど触れた実力・成果主義が重要になるわけですが…。

要するに海外はライフワークバランスを取る事が日本に比べて優れていると判断出来ます。

「仕事は金を稼ぐ手段であって、仕事のために生きるわけじゃない」と誰かが言っていましたが、海外ではこの考えが“常識”というわけです。

 

(日本人の感覚だと)中でも面白いのがアメリカの場合、家族医療休暇法という立派な法律によって定められた福利厚生サービスも含まれている点。これは基準を満たしていれば従業員は約12週間ほどの休暇を得る事が可能になるものです。日本では育児や出産のためにわざわざ退職しなければならないケースも珍しくありませんが、この休暇制度が適用されると、家庭の事情が落ち着いた後でも余裕を持って復帰出来るわけです。

もちろん女性だけでなく男性も介護や家族サービスのために利用出来ます。日本の企業を悪く言うつもりはありませんが、こういった社員の休暇制度の高さはとても真似出来ないでしょうね。

 

有給休暇・祝日・残業などの福利厚生

 

海外で働くと有給休暇が取りやすかったり、残業が少なかったりと様々な仕事スタイルがあります。事前に確認しておくべき点ですが「残業はどの程度あるのか?」「有給休暇は年に何回なのか?」「祝日はどうなっているのか?」が挙げられます。

上昇志向の強い学生に人気の外資系企業を例に考えてみましょう。ほとんどの外資系企業は欧米企業の流れを汲む社風でお馴染みですが、正直な話こういった企業でも日系企業のように残業が含まれます。

 

ですがそれは“自分の仕事が終わっていない場合”です。よく話に聞くような就業後に上司から理不尽な仕事の振り方をされた、他の人の業務を強引に押し付けられたというケースは非常に稀なのです。

なぜかというとその理由は単純明快。外資・海外企業の特徴でもありますが、優秀な社員のワークバランス尊重は企業そのものの利益に直結するので、過度な業務の強要はまず行いません。

「与えられた自分の業務を時間内に終わらす」。これさえ遂行出来ていれば残業に苦しむなんて事はそうそうありませんよ。

 

またアメリカ人はすぐ仕事を終えて家でゆったり…。なんて話も学生達の間で囁かれますが誤解が生まれないようお伝えしておきます。“アメリカでは役職つきほど自宅で仕事をする人が多い”という事を。

もちろん全員がそうとは断言出来ません。しかし完全実力主義がものを言う社会構造なので、やればやるほど出世に近づきやすい。そのためにそれなりの地位と実力を持っているビジネスパーソンほど家にまで仕事を持ち込む場合があります。

 

 

 

 

そして祝日に目を向けてみましょう。実はとある調査結果によると祝日の多さはアメリカや中国にヨーロッパ諸国を抑え断トツの一位なのです。というのも日本は各国に負けないくらいの四季折々な独自の祝日や、天皇に由来した記念日も含まれているので、必然的に休みの日数も多くなります。

よく「日本人は働き過ぎだ」と囁かれますが、意外にも祝日の数は他国よりリードしているわけです。

そして有給休暇。これは企業によりけりですが国単位ですと日本が圧倒的に有給消化率が低い…。

逆にアメリカをはじめとする先進国だと付与数そのものは多くもなく少なくもなく程度の日数ですが、有給休暇は存分に使う事が多いです。むしろ各国からしたらこういったものは“働く者に帰属する当然の権利”としていて、使わない事自体が理解出来ないとされているのです。

なので、有給休暇の消化のしやすさで言ったら、間違いなく海外企業に軍配が上がります。

 

就労ビザ取得に関する援助

 

就労ビザは海外で働く上で必須な代物ですが、ビザ制度は国によって異なります。

取得にかかる費用や時間に取得の手順など、国の数だけパターンがあるといっても過言ではありません。ここでいう「就労ビザに関する援助」というのは、就労ビザの取得に関わる費用の補助、ビザ取得のために企業側がサポートしてくれるのかという事です。

 

自分が働きたいと検討している国があれば、その国の就労ビザに関する情報を調べて置きましょう。そして、人事担当者に就労ビザ関連事項の確認をする事はマストです。

海外用求人サイトや転職サイトには、就労ビザの取得をサポートしてくれるか否かについての情報が表記されています。面接時に直接確認しましょう。

 

ビザ取得費用の負担の仕組みは、どうなっているのか

 

ビザ取得費用についてですが、負担先は3つのタイプに分ける事が出来ます。

 

全額を企業側が負担

取得費用の一部を企業側から補助される

全額自己負担

 

「全額自己負担」の場合は取得時に企業側がいったん支払い、勤務開始後に本人の給与から天引きする場合もあります。

「一部の補助あり」で気を付けなければならないのは、“一部の補助”が果たしてどのくらいなのか? 自己負担はどのくらいなのか? という点ですね。これらの点は事前に確認するのが重要です。

  

一部の企業では就労ビザが出ない

 

企業によってですが、海外での就労時に就労ビザを出さない(出せない)ケースがあります。

たとえば「観光ビザで来てください」と言われ、そのまま観光ビザで働くという事も現実として起きています。正規のビザを持たずに海外で仕事をする事は絶対に辞めましょう。

 

その他でチェックしておくべき要素ですが、異国で生活する上で必要となる生活費や住居費はもちろん、交通費に保険料なども漏れの無いよう確認しておいてくださいね。

 

海外の就活年間のスケジュール

 


 

 

日本の就活は決まった時期に採用を可決する新卒一括採用が定番ですが、外国の場合だと通年採用が多いです。

「通年採用」とは、企業が年間を通して採用活動を行う事を意味します。

日本を除いた各国の採用活動では人材の即戦力を重視する傾向が強く、そもそも新卒採用という発想が無いと言っても差し支えありません。

そういった背景から学生はインターンに積極的に参加し、仕事のスキルと経験を積み重ねながら、即戦力としての実力を身につけて本格的な就活へと移行するのです。

 

アメリカの就活形式

 

基本的に新卒の一括採用はありません。新卒では大学での「専攻・成績・活動」を重要視する「スーパー学歴社会」です。

さらに、狙った企業への採用をもらうには「その企業でのインターン経験」が必要となります。

中途採用はプログラミングや資格などの特別な技能が必要となるのはもちろん、人気企業へ入り込むにはコネなども必要になる場合があるでしょう。

 

ドイツの就活形式

 

日本にもある「デュアルシステム」が主流です。大学生であれば週2学校、週3企業研修といったローテーションの授業になります。しかし、ドイツでは小学4年生終了時に「高校進学・職人・実技修得」の進路を選択しなければいけません。なので、スキルアップは早いですが、将来の決定が早すぎるという声が懸念されていることも。成人をする前から将来を決めなければいけない厳しさがあります。

 

スペインの就活形式

 

「卒業予定」の新卒は基本的に相手にされません。その理由は「学生では特別な技能がない」「本当に卒業できるかわからない」という事が起因しています。そのため学生は卒業後に「語学」や「博士号」を取得するなど、特別な技能を身につけた上で就職活動に臨みます。

 

ベトナムの就活形式

 

在学中にではなく「卒業後」から就職活動を開始されます。世界各国の企業が採用市場に参入しているため英語は必須。そのために語学修学の勉強に勤しむ学生の姿は非常に多いです。外資系は給料が高いため、日本の学生とは比較にならないほど英語の勉強をしています。

 

香港の就活形式

 

新卒の価値はほとんど無いと考える風土です。むしろ社会経験無しはマイナスの対象として扱われます。

香港で求められるのは即戦力であり、新卒や中途というキャリアの差はありません。

逆を言うと「技術」さえあれば、雇ってもらえる可能性を大いに期待出来るとも言えますね。

そして限られた国土と市場からか「知り合いの会社を紹介する・してもらう」のも一般的です。

まとめ

 

 

いかがでしたか? 「この国で働きたい!」とピンポイントな目標がある方は、今一度、各国の文化から就活事情にビザの取得などを知っておくべきでしょう。

まずは、日本で仕事を経験し社会人としてのスキルとお金を貯めてから、海外での就職を検討するというのも手段としてアリですよ。年齢はもちろんですが、過去の学歴や職歴に頼る事なく、この先の時代に必要とされる技術・技能を磨いておく事が、日本や海外での良好なキャリア形成に繋がっていくでしょう。