65歳以上の年齢層を指す“高齢者”。この高齢者の人口の割合が日本の総人口の27%前後を占めており、彼らを介助する施設やサービスの数も上昇傾向にあります。そんな高齢者の支えとなる存在が「介護職」と呼ばれる仕事。リアルな面を話すと、万年人手不足や賃金問題で話題に上りやすいですが、今回はこの業界ならではのやりがいや、将来性についてご紹介します。

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需要が尽きることのない介護業界

 

総務省総計局の発表によると、平成28年のデータでは高齢者の人口は3461万人という数値を記録し、前年と比較しても70万人越えのペースで増加の一途を辿っています。
日本の総人口数は年々減少傾向にあるのに対し、その流れに反比例して高齢者の増加する勢いは衰える様子がありません。
さらに、分かりやすい具体的な数字を挙げるとするなら、2000年から2012年の間で約296万人ほど介護サービスの受給者が増え続けているのです。そしてそれに合わせて高齢者が入居する施設サービスも65%増加しており、介護サービスの需要は今後もどんどん増えていきます。

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ですが、この業界が抱える問題点として、慢性的な人材不足が大きく取り上げられています。いくら人材を供給しても受給する高齢者の増加で間に合わず、介護業界はまさに猫の手も借りたい状態が続いています。
ですがこれは裏を返せばまだまだ介護業界は成長産業であり将来性に満ちている事、そして人手が足りていない状況なので未経験でも採用されやすいという敷居の低さがこの業界の特徴でもあります。

 

他にも“業務が思いのほかハード”だったり“給与がそもそも少ない”という問題も抱えている事は事実です。けれど2019年から政府は勤続年数10年以上の介護福祉士を対象に賃上げを開始したりと待遇改善に努め、離職者を減らす試みをしています。業務内容が大変で業界が敬遠されているという実情も、外国人の労働力の確保やシルバー世代の雇用、そして介護を担う専用のロボットを採用と、介護職員の少なさ故に生まれる過酷な状況を打破するための対策がいくつも考えられています。

 

介護業界についてよく知らない人でも、こういったマイナスイメージの影響で「とっつきにくい仕事」という先入観が生まれ、なかなか新たに人が入ってこないのは事実。ですがこの仕事だからこそ味わえる喜びや活かせるスキルというのが存在し、徐々にですが職員の待遇も改善されつつあるのも確かです。後述にて「介護職」の種類や詳しい各仕事の内容について解説していきます。

 

“ヘルパー”と言っても業務内容は異なる

 

介護業界は多くの仕事に枝分かれしていて、高齢者の助けになるという理念は一緒でも、各職種の在り方や業務内容には様々な形があります。最もポピュラーと言えるのが「介護職」または「ヘルパー」と呼ばれる仕事です。
“身体が不自由な高齢者を傍でサポートし、家族の代わりに昼夜問わず見守ってくれる”という誰もが知る介護職です。
ここでは介護職にフォーカスを当てて、“入居介護施設”に勤務する介護職員の仕事内容を解説します。

 

■特別養護老人ホーム

各自治体や社会福祉法人が運営し、公的な要素が多い特養。「介護老人福祉施設」という呼ばれ方もします。
こちらの施設入居では「多床室(相部屋)」「ユニット型」の2タイプに分けられ、両方のタイプが一つの施設に合わさった「混合型」という特養も中にはあります。
特養そのものは比較的安価で提供するものが多く、それが影響し都市部に至っては常に満床状態にあるのが特徴的です。

 

職員の仕事に関して言えば、寝たきりの入居者が多いので“食事”“排せつ”“入浴”“更衣”といった介助がほとんど。身体介護は「介護資格」が必要となり、その有無で介護職員の担当業務は区別されます。そのため資格を持っていない人は「介護補助」や「介護助手」という形態で募集をしています。介助以外にも“外出の付き添い”“レクリエーション運営”も行います。
そして入居施設なので基本的に夜勤が設けられていますが、日勤勤務・短時間勤務(パート)も可能です。場所によっては夜勤のみの勤務が出来る場所もあるので、施設によって勤務形態や時間が違ってくる事を覚えておきましょう。

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■介護付き有料老人ホーム

こちらは特養と違って民間企業が運営を行っています。「有料老人ホーム」と言われるだけあり、月額の利用料の他に入居時に一時金を支払う場合があります。その金額も決して安くはなく数千万規模というところもあり、入居者側も払う金額に見合った相応のサービスを求め、他の入居施設に比べより接遇マナーや懇切丁寧なケアを重視しています。

 

これだけ聞くと高級ホームのような感覚になるかと思いますが、割安で提供出来るアットホームな有料老人ホームもあります。こちらは特養などと違い「入居者の要介護度」といった入居条件が無いので、支援や介護度が軽めで自立した高齢者が多いのも特徴です。仕事自体は他施設のように身体介護や生活の援助、外出イベントやサークル活動の補助も多いです。しかしどの有料老人ホームが同じという訳ではなく、各ホームによってはケアの仕方なども異なります。

 

■認知症型グループホーム

認知症となった高齢者が共同で生活するグループホーム。一人一人を見るというよりも、9人の高齢者を一つのグループ(ユニット)とし、家庭のような環境下で介護を行っていきます。食事・排せつ・入浴などの介助が仕事の中心で、更衣や清拭に部屋の清掃なども担当します。入居者と一緒に家事や外出し常に傍で関わる事で、“少しでも認知症の進行を遅らせよう”と取り組む姿勢がこの仕事の特徴です。

 

高齢者の中にはメンタルが落ち込み気味の人から活発的な人とタイプは様々で、対応するためのコミュニケーション能力も必要となってきます。身体介護は勿論ですが、認知症という重荷を抱えた高齢者が落ち着いて生活出来るように心のケアに努める事が重視されます。

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■サービス付き高齢者向け住宅

こちらのサービス付き高齢者向け住宅(住宅型有料老人ホーム)ですが、“高齢者向けの住宅”という位置づけであり、他施設のような“介護のための施設”という点では違いがあります。
そのため、あくまで原則ですが介護保険サービスの提供は行っていません。生活相談や高齢者の見守りに食事提供などを職員はしていきます。仮に身体介護が必要になるとなった場合は、その施設利用者が別途で外部からの訪問介護事業者やデイサービスと契約します。

 

■ショートステイ
その名の通り短期間の入所をする場所であり、介護から身体機能を維持・向上させる訓練を行うという側面を持っています。家族の介護負担を減らすためや、出張や旅行で面倒を見れなくなった場合の高齢者の宿泊先として利用されます。
最初に紹介した特養などがショートステイ専用の部屋あるいは空き部屋を利用してサービスをします。
ですがショートステイ専用の単独型の施設も中には存在します。こちらで働く場合は基本となる介護スキルから、入居者の特徴や好みを瞬時に掴んで対応していく力を求められます。

 

介護職に就くのに資格の有無は?

 

前述のように介護施設自体もニーズに合わせた色々な形が存在し、所属する職員の仕事も分業化されています。そのため資格があると無いとでは仕事の選択肢も変わってきます。
先ほど軽く触れた「介護補助」「介護助手」はあくまで介護のサポート役なので資格は必要ありませんが、介護業務の幅を広げたり自身のステップアップのために特定の資格取得がマストになる事があります。その資格も短期間で手に入るものから難易度の高い国家資格まで様々。
以下では入居型の介護施設で働く際に役立つ代表的な資格をご紹介します。

 

■介護職員初任者研修

介護職で必要となる資格のスタートライン。2013年に廃止された「ヘルパー2級」に相当するもので、取得難易度もそこまで高くない民間資格です。約130時間の介護基礎知識や倫理に実務を学んで試験を突破すれば晴れて取得となります。

 

■実務者研修

こちらは介護職員初任者研修より幅広い知識や技能を身に付けられる資格です。基本となる介護提供能力修得、医療的なケアサポートの知識や技能の習得を目的としています。

 

■介護福祉士

介護資格の中で唯一の国家資格です。こちらの資格を取るには介護士として一定の実務経験を得て、所定の研修ルートを修了するルートや福祉学校や養成施設を卒業するルートなど様々です。介護にまつわる資格で最上位に位置するものなので、取得難易度は易しくはありませんが、介護関係の仕事の幅は大きく広がります。

 

介護業界の持つ魅力や仕事のやりがい

 

入居型の介護施設勤務というのは、利用する高齢者の入れ替わりが少ないので同じ人を長期的に介護出来ます。そのためその人との信頼関係を作りやすく、“思いやりの気持ち”を学べる上に介護より良い進め方も自分なりに工夫し実践出来ます。
勤務時間も正社員・正職員になれば日勤に限定した働き方も希望出来る施設が増えてきています。そのため以前の環境に比べ働く人の生活バランスが取りやすいようになりました。

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また一人で業務を背負うのではなく職員がチームとして動くので職員同士が学びやすく刺激し合えるので、未経験者でも挑戦しやすい環境なのが魅力でもあります。

まとめ

このように「キツい」と言われ続けていた介護業界も、近年では職員にとって働きやすい環境へと変貌しつつあります。
高齢者に親身になって関わることで人の手助けをする喜びを実感でき、未経験者でも働き方次第でステップアップがしやすいのも、人の命を預かりサポートする責任を持つ介護職員ならではの魅力だといえますね。
まだまだ今後も高齢者の数は増えていく傾向にあり、万年人手不足ゆえに人材需要も尽きることはない業界なので、興味のある人はぜひチェックしてみてください。

 

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