高齢化社会の日本で今後も需要の尽きる事が無い介護サービス。簡単な身の回りの世話から高齢者の介助に施設入居の手続きと、介護職には色々な働き方があります。介護業界にはどんな仕事があり、志望動機にはどんな書き方がベストなのかを実際の例文を交えて紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんな介護業務へ行き着きたいか明確にしておこう

 

 

 

 

「介護業界」と言っても高齢者側のニーズや資格の有無などで職種や業務内容は変わっていきます。老人ホームなど施設入居者のサポートに回る場合は「介護士(ヘルパー)」に、高齢者の送迎や介助もこなす「デイサービス」。「ホームヘルパー」や「介護助手」など、その形や業務の流れは違ってきますが身体の不自由な高齢者への献身的なサポートをする点はどれも変わりません。ここ十数年でもサービスを利用する高齢者の数は膨大に膨れ上がっており、都市部の入居施設は常に満床(空きが無い)状態なのが現状です。そして介護する職員の分母(人口数)が、そもそも抱える高齢者の数に対し不足しているという慢性的な人材不足が業界の問題点として浮上しています。ですが他の仕事と違い一人一人の高齢者にダイレクトに関われる上に、普段の生活で忘れがちな思いやりの気持ちや、社会に貢献しているという実感を得られやすいのが特徴的です。また近年では介護職員の労働環境や待遇も見直しの兆しがあり、新たな労働力としてシルバー世代や外国人の雇用も積極的に行っているので、介護業界を働きやすくしようとする試みが以前に比べ増しました。そして介護業界はキャリアアップした時のポジションが豊富で、待遇はもちろん任せられる仕事の幅もぐんと広がるので将来性もあります。ここからは介護業界を支える各職種の簡単な紹介を挟んでいきます。名前は知っているけれど中身に関してはよく知らないという人も多いと思うので、ぜひ仕事選びの参考にしてみてください。

 

『介護助手・介護補助』

 

無資格でもOKなので介護業界のスタートラインに立つにはこちらから始めてみるのもいいでしょう。忙しい介護士の助手としてサポートに徹するので現場を円滑に動かすのに欠かせない存在です。清掃や配膳、高齢者の話し相手など難しい事はあまり要求されません。

 

『入居介護施設の介護職』

 

その名の通り、老人ホームなどの施設勤務で高齢者の生活のケアを行います。身体が思うように動かせない人を支えるので、食事・排せつ・入浴の介助や清掃などの生活援助を行います。「介護職員初任者研修」や「実務者研修」といった資格の有無で出来る仕事が分かれます。周囲の人とチームとして動けるので学びの機会が多く刺激的です。

 

『介護事務』

 

介護サービス施設や事業所に勤務し、受付や介護報酬請求業務や介護手続きなどが主な業務となります。介護保険知識やPCスキルに経理業務スキルなどがあれば資格は必要とされませんが、就職先によっては「介護事務管理士」「ケア クラーク」といった資格が求められます。

 

『デイサービス(通所施設)』

 

自宅に住む高齢者を日中に施設へ送迎し、食事や排せつの介助(場所によって入浴も)やレクリエーションを行ったりとテンポよく動く必要があります。社会的孤立による不安感や運動不足を一緒に解消するため、それなりの対応力も求められます。また施設には宿泊タイプやリハビリ特化型など種類も色々あります。

 

『ホームヘルパー』

 

自宅で過ごす要介護対象の高齢者の日常生活を援助するスタッフ。「訪問介護員」と呼ばれる場合もあります。行うサービスは介護対象のレベルによって異なりますが、身体介護・生活援助・通院介助(病院への送迎や手続き)が主な業務内容となります。あくまで“お手伝い”でなく“自立支援”のために動く意識が大切です。

 

『施設長(ホーム長)』

 

現場で直に介護に関わるものと違い、こちらはホームや事業所の責任者として勤務します。介護にまつわる資格は問われませんがマネジメント力が必須となります。そのため異業種からの転職者が多く見受けられる仕事です。介護業務・人材・収支マネジメントが主な業務。介護職として数年勤務し「社会福祉施設長資格認定講習会」を受講しホーム長に就任するケースが多いです。

 

『生活相談員・支援相談員・医療相談員』

 

俗に「ソーシャルワーカー」と呼ばれ、施設利用者(または患者)の生活相談や入居などの相談を担当していくのが相談員の仕事です。介護の現場仕事をせず、専門的な視点からホームに関わる情報整理や手続き、そして対処に繋げていきます。介護知識だけでなく入居に関しては、契約法や介護保険法など法的な智識も要求されます。

 

『ケアマネージャー(介護支援相談員)』

 

介護サービス提供の計画書作り、関係者との連携を図ったりします。要介護者・要支援者の相談や状況に応じて、サービスを受けられるよう提供についての計画や、事業所や市町村、家族などとの連絡調整も行います。民間資格ですがハードルの高い「介護支援専門員」の修得がマストです。

ざっとですが介護業界の仕事について触れてきました。介護支援で直に高齢者と関わるものや事務的なもの、資格修得に実務経験を経てなれる高度なものまで色々あります。それぞれポジションがハッキリ分かれているので何が自分に合っているのかが判断しやすいかと思います。そして介護の道に進むのならば「介護福祉士」の資格は将来的に取った方が得策です。国家資格の上に挑むには長い実務経験と確かな教養が求められますが、待遇や信頼性が伸びますし管理職へ就く事も可能になりますので、介護業界でステップアップしたい人は覚えておきましょう。

 

 

業界が抱える問題点と絡めた自己PRは注目されやすい

 

 

 

 

人手不足な環境下と言えど介護業界も誰でもいいという訳ではありません。介護の関心度が高い人や即戦力として活かせる人材、高齢者を大切に思いやり接する事が出来る人。スピーディーに動けて知識や経験を無駄なく吸収出来る人を欲しがっています。当たり前ですが誠実さや介護へ挑む本気さが書類で伝わらないと意味がありません。学生時代にサークルやアルバイトで培った事、ボランティア体験などで学んだ事や活かせるスキルといった自身の強みを具体性を持たせてしっかり書きましょう。介護業界はその人口数の低下から、早期退職者が出る事を特に恐れています。では強みの部分で「私には“コレ”があるからどんな事も耐えられますし、長く貢献していける」と相手に言える要素は何か?そこをよく練ってみましょう。例えば「粘り強い性格」ならば、学生時代に諦めず続けたから出来た事や得た事(粘り強さのエピソード)を話しつつ、離職率に絡めた粘り強い性格のアピールをすれば相手も納得しやすいかと思います。介護業界に関係なく就活で大事なのは、仕事をする時に自分の強みがどう活かす事が出来るかを分かりやすく話す事です。

 

履歴書に載せる際の、曖昧な志望動機に注意

 

 

 

 

介護業界には「人に奉仕するのが好き」「高齢者に関わりたい」と考える人が多く志望します。ですがこの状態で志望動機を練ってしまいますと「どれほどやる気があるのか」や「業界のどんな箇所に惹かれ、何がしたいのか」が図りにくく他の就活生に埋もれる可能性が大きいです。そして介護業界はスキルの有無は重要ではありますが、人間性も選考する際に重要視されます。高齢者の生命を預かる仕事な訳ですし、生半可な気持ちだと思われないようにしましょう。以下では介護業界向けの志望動機例文を掲載します。

『学生時代に、私の祖母を介護してくれていた介護士の方のようになりたいと思ったため志望します。私の祖母は5年前に認知症と診断され、すぐに介護が必要な状態になってしまいました。その際、熱心にフォローしてくださったのが、貴社の介護士の方でした。どんなに祖母の世話が大変でも、笑顔を絶やさず私たち家族に接してくださる様子を見て、私もこんな介護士になって人の役に立ちたいと考えるようになりました。貴社に入社しましたら、どんな時も笑顔を絶やさず、利用者の方だけではなくご家族にまで配慮できる介護士になりたいと考えています。』

という具合に、結論を最初に切り出しつつ過去に体験した介護にまつわるエピソードを分かりやすく話しましょう。介護士を志すに至った経緯や自分が感じた事、将来どんな働き方をしたいか(どんな介護士になりたいか)を明確に。実際に身の回りで起きたエピソードを話す事は志望動機に説得力を上乗せさせますが、ただ事柄を話すのではなく“自分が何を思ったか(何を学んだか)”を説明しましょう。次の例文では動機は二つ設けられていますが、形式を崩さず丁寧に説明しましょう。

『私が介護職を志望する理由は、2つあります。1つ目は、人生の先輩である利用者の方が、自分らしく生きるためのサポートをしたいからです。2つ目は、深刻な介護人材の不足を解消したいと考えたからです。学生時代、ボランティアで高齢者のお宅を訪問した時に、介護士の方の熱心なサポートで利用者が笑顔になっていく様子を見ました。そのことが、私が介護の仕事に携わりたいと考えるようになったきっかけです。また、深刻な人材不足であることも、目の当たりにしました。貴社に入社しましたら、利用者が笑顔になれるようなサポートをしつつ、介護職のことをより多くの人に知ってもらえるような働きかけもしたいと考えています。』

 

まとめ

 

 

 

 

高齢者のより良い生活は、介護に関わる人のやる気と技量に直結するので責任は大きいです。しかしそれを上回るやりがいや、頑張った結果が自身のキャリアにも反映しやすいので、少しでも興味のある人は就活に臨む前に、老人ホームのボランティアもありますので是非チェックしてみてはいかがでしょうか?