対人関係において、今も昔も変わらず問題として挙がる「ハラスメント」。種類や規模は様々ですが、人を追い詰め仕事を辞めてしまったり自殺に追い込んでしてしまうケースが今でも往々にして溢れています。その中には、我が子の進路を妨げる「親ハラ」という問題も…。今回はその点についてご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハラスメントとはどういったものか

 

 

 

 

皆さんは「ハラスメント」の種類についてどれほど把握していますか?

主に女性がターゲットにされる「セクハラ」、怒号や直接的な暴力で精神的・肉体的に相手を追い詰める「パワハラ」。有名芸能人の離婚騒動でも注目された「モラハラ」など、その種類は多岐に渡ります。

他にも「アカデミックハラスメント(アカハラ)」や「ドクターハラスメント(ドクハラ)」といった、普段耳にしないようなものまで存在します。それぞれ意味や状況は異なってきますが、根底にあるのは「相手の尊厳を踏みにじり、苦痛を与える」ということ。

そもそも「ハラスメント」の意味は“嫌がらせ”です。一昔前では何の疑いもなくごく当たり前にそして日常的に行ってきたものが、「ハラスメント」という言葉が世に浸透してきたことでようやく問題視されるようになりました。

“昔は部下に酒をイッキ飲みさせたり、大声で喝を入れてた”や“挨拶の代わりに女性社員のお尻を触ってた”なんてことはもう通用しません。これらは当然ハラスメント行為に該当しますし、最悪訴訟になってその後の人生に大きく影響を及ぼします。近年でも大手企業や芸能界でのハラスメントが露見したり、ハラスメントの末に自殺者が出るという事例も起きています。

ここで勘違いしてはいけないのは、今の世の中が細かすぎで皆が神経質に…というわけではありません。嫌がらせ行為に何の疑問も抱かず、被害者の声に耳を貸そうとしなかった以前の環境に問題があったのです。

現在は、各ハラスメントについてしっかり定義付けがされているので、“これは〇〇ハラスメントになるのでは?”と自分で判断が容易になり、今までに比べハラスメントの相談件数が多くなりました。

 

親が我が子を虐げる「親ハラ」の実態

 

 

 

 

「ウチの子に遊びなんて不要、〇〇校に入れるために勉強しかさせない」や「あの家の子と関わるのはやめなさい」というセリフを聞いて、何か思うことはありませんか?

「躾が厳しい家庭だなぁ」「しっかりしている親御さんだなぁ」と感じる人も中にはいらっしゃるかもしれません。ですが我が子だろうと、こういった子供に対しての発言も行き過ぎれば立派なハラスメント行為に該当します。

親が実子に対するモラルハラスメント「親ハラスメント(親ハラ)」に分類されます。

このような行いをする親を俗に「毒親」と呼び、可愛いはずの我が子を自分のエゴやストレスの発散のために虐げたり、可能性を潰す特徴があります。

分かりやすい例を挙げるなら、子供が将来なりたい仕事を決めているのにも関わらず、就職先を親が独断で決めてしまったり、子供が選考を通過し無事に志望企業への内定を貰っても「自分の子のレベルに相応しくないからお断りします」と勝手に内定を取り消すという事柄です。

終始、子供の意向を蔑ろにし人生の主導権を握り、その結果何から何まで親の操り人形に…。こういった環境で育ってしまうと、自分の意見がいつまでたっても持てず、誰かの意見にすがって生きる心に育ってしまいます。

たとえ親側が「これが後にこの子のためになる」と考えていても、子供はチャレンジ精神や向上心、そして自発性が失われてしまうので要注意。

これはれっきとした「人権侵害」であって、教育の名を騙った虐待にほかなりません。たとえ身内であっても子供の将来、可能性の芽を摘み取る権利は誰にもありません。

 

親御さんが就職に首を突っ込むようになった原因

 

 

 

 

現在、就活に励む学生の親御さんは平均年齢40~50代とされ、“バブル世代”と呼ばれます。その子供は“ゆとり世代”といわれ、親と子の時代では教育はもちろんですが、就活の傾向・対策や選考難易度にも差異があります。

というのも当時はかなりの売り手市場であり、内定先をいくつも確保できたという人がザラでした。

無論、志望する企業について調べて自分のアピールポイントを訴えかけるのは今も昔も変わりません。それでも現在の就活状況に比べて容易に誰でも内定を手に入れられる時代でした。

今は“安定感”で人気の公務員ですが、この頃は志望度が一般企業と比較するとそこまで高くはなく軽視されがちでした。その後バブルは見事崩壊を迎え、経済状況は芳しくない方向へと進んだので、むしろこの時代に公務員になられている方は先見の明があったのかもしれません。

そういう観点で言えば、景気の良い時代を経験された親御さんが、自分の子に対しても「大手の企業にしか入るな」というような強烈な価値観の押し付けをするようになってしまったのも必然かもしれません。

それに加え、ゆとり世代特有の自発性の無さが組み合わされて、親御さんが執拗に子供の就活に対し首を突っ込む現象が起きたと思われます。

過去に訪れた時代のせいにして、影響の要因にねじ込むのも良くないと承知していますが、現実問題せっかく決まった子供の内定を取り消させる親御さんが存在し、企業に迷惑をかけているのは事実です。

 

毒親の特徴

 

 

 

 

毒親の定義は以下のようになります。

“躾とは別に子供を過度にコントロールする”

“食事、服装や髪型、交友関係を過干渉に詮索”

「毒親」と言われるだけあって、子供に対してネガティブな要素を顕著に含んでいるのが特徴です。

心理学的なデータでは「完璧主義」「見栄っ張り」「情緒不安定」のタイプが毒親になりやすい性格と言われています。あくまで“毒親になる可能性を含んでいる”というだけであって、上記の要素を含んだ人は危険というわけではありませんので悪しからず。

 

完璧主義』

 

なんでも完璧にこなしたい方は、他人にも自身の理想を押し付けがちです。「躾も自分も完璧でありたい! そのためには子供にも同じように高い意識を持ってもらわなくては」となるケースがよく見られます。

 

見栄っ張り』

 

子育てが大変と周りが嘆くのに対し、自分は何ともないと虚勢を張る、強がる行為。頑張る自分を他人に認めてもらいたい。子供を「自分が映えるための道具」のように扱う親御さんもいます。

 

情緒不安定』

 

感情の起伏が激しく、身内や周りの環境に対しそのままの感情をぶつけるタイプ。

自制がしにくいために、自分の言動が相手にどんなダメージを与えるかが想像しにくいという人は要注意です。

また、発達心理のデータによると子供は感受性が大人より遥かに強く、親御さんが不安定なのを感知できるそうです。

 

“子は親の背中を見て育つ”と言われるように、親の“悪い部分”に影響されて子供は育ってしまう可能性があります。

そして毒親の特に問題となるポイントは、“本人に相手を傷つけている自覚がない”こと。

子供を自分の都合で支配しているとは一切自覚しておらず、あくまで躾の一環程度の認識です。言わずもがな、躾も愛情の1つですがあまりにも度が過ぎる躾は子供の成長を阻害し自分自身を大切にできなくなります。

親御さんの独りよがりにならず一旦、俯瞰して子供との距離を確認してみることも大切です。

 

まとめ

 

 

 

 

世の中には様々な形の家庭があります。育て方の正解なんて誰にも分からない、それが教育の難しいところ。ですが育ててもらう・養ってもらうのと、「この仕事がしたい」と願う自分の意志は別問題です。

就職で親御さんと意見が対立してしまった場合は、就活を行う前にキチンとお互い腹を割って、将来や意思を話し合ってみてください。

あなたの人生はあなたの持ち物であって、親であれ何であれ方針について強要をすることはできません。

ですが全部を一人で抱えることはせず、就活について悩んでいる点があったり誰かからのアドバイスが欲しいとなったら、素直に社会人としての確かな実績がある親御さんに“相談”という形で頼ってみましょう。