「お目当ての企業に入る」ために、学生は数多くの作業に取り組む必要があります。通常の学業や部活動(サークル)をしつつ、企業の選定や自分をよく知るための分析にクオリティーの高いESや履歴書の作成、OB訪問や説明会にインターンといったイベントなどなど、就活のゴールにたどり着くには相当の苦労を重ねなければならないのです。そうなってくると問題になるのが学生の精神衛生。肉体のダメージは時間が経てば自ずと自然に回復していくものですが、ストレスによる精神面のケアを怠ってしまうと、心身共に悪影響を引き起こし長期に渡って苦しむ羽目になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

就活で多大なストレスを感じる瞬間とは

 

 

 

 

冒頭でもお伝えした通り、就活を行っていく過程で学生の多くが多かれ少なかれストレスが蓄積されていきます。元々ストレス耐性に自信のある人は上手くカバーして冷静に対処出来るものですが、あまりメンタルが気丈ではないという人は、活動の失敗や反省点をなかなか割り切って考えられないものです。そして就活が順調に進むか否かというのは各人の能力や行動の進捗によって異なり、トントン拍子に事を運べる人がいれば、何か月も右往左往していつまでも良い結果が得られないという人もいます。そうなってくるといよいよ心配になってくるのがメンタル面。就活生の多くにありがちなのが、タイムリミットが差し迫り焦燥感に駆られた結果、内定を得るために自身の身を蔑ろにしてしまう点です。こうなってしまうと、よしんば企業から内定を得られたとしても、その時既に自覚ある無いにかかわらず心に深刻な問題を抱えている可能性があります。

 

 

 

 

では学生が就活を進めていく中で、ストレスを感じる瞬間とはどんな時なのかを見ていきましょう。まずは時間によるストレスですね。人はスペックやコネクションなどに差があれど、時間は皆平等です。就活の解禁時期も誰もがルール上は3月からスタートする形になるでしょう。無論インターンシップや自己分析などの取り組みはそれ以前から進める事が可能ですが。しかし就活生(最終学年)になると、今までと違い3月の就活解禁から6月の本選考までの時間の使い方が変わってきます。スケジュールをびっしり埋めて、説明会や合説にESの提出や各選考の練習などと、一日一日を無駄なくそして有効的に使っていく必要があるのです。その限られた日数をどう使っていくかは個人の裁量に委ねられますが、ミスがある度に残された時間をそのミスの取り返しのために使い、徐々に心の余裕が失われていきます。その時間の有限性に焦ってしまい、蓄積さえたストレスが次第に大きくなっていくのです。

 

 

 

そしてこれは就活あるあるですが、上手くいかない自分と周囲を比べて嫉妬や自己嫌悪で苦しむというパターンも、ストレスで苦しむ大きな要因として挙げられます。上記にて「時間は皆平等」と書きましたが、就活の準備を早く進める人もいれば学校や家の事情で遅れる人など、就活開始のタイミングは各々違ってきます。そして大手でも中小でも採用の枠というのは限りがあり、他の就活生と志望企業が被っても就活先発と後発では当たり前ですが前者の方が有利です。そうなると他の人間を羨んでしまい、自分の状況を客観的に判断し難くなり不安感に苛まれてしまう状況に繋がっていきます。

 

 

 

また、忙しい就活に慣れる事が出来ないというのもストレスの原因として考えられますね。学生の時分はアルバイトや授業なども比較的自分の都合に合わせやすいものでしたが、就活ではライバルが多く時間も限られていて、企業の採用活動次第で動き方が変わるなどと、今まで生きてきた環境とは違った忙しさで四苦八苦してしまいます。こういった環境の変化にすぐ順応出来るとその後のフットワークも軽くなり心にも余裕が生まれやすいですが、いつまでたっても就活生になる以前と同じ感覚で過ごしているのは危険です。そして就活ではリクルートスーツを着て、合説で数えきれないほどの人数に埋もれながら必死に内容を聞き、試験の対策や本番に臨む事になります。こういった未体験の連続も、就活生とっては良い意味でも悪い意味でも刺激に繋がっていくのです。

 

 

 

 

明るい時間帯に就活イベントの参加やSPI対策などの取り組み、夜は筆記試験に向けた勉強や提出書類の徹底化など、就活生は移動も込みで活動自体に半日以上の時間を消費していきます。そんな生活サイクルが何週間何か月と継続していくので、合間に休息を取らないと就活に使う体力も回復しづらいです。その結果、睡眠不足や食欲不振と身体的な影響も出やすくなり心のダメージにも繋がっていきます。心と体は密接な関係にあるので、身体さえ無事ならまだまだ平気と安易に捉えると思わぬしっぺ返しを喰らってしまいます。

 

 

 

 

いつまでたっても書類・面接などの選考を通過出来ず内定を取れない事で、将来への不安は積み重なってきます。就活の調べも十分で何の漏れなく進めてきたはずなのに、何社もお祈りメールを送ってくる…。そして「このまま進めていいのか「これ以上家族や友人に心配かけたくない」という気持ちが入り混じり将来に恐怖する。先の事で心配性になるのは就活生に限らずではあるのですが、どんなに努力を積み重ねて自分の今までの実績や意欲をアピールしても実を結ばないとなると、将来に対するネガティブな感情はとりわけ大きくなるものです。

 

 

放っておくと「就活うつ」の魔の手が

 

 

 

 

現在の就活事情はかつての“氷河期”とは打って変わって、業界の人材不足による売り手市場が特徴的です。そのため企業はより多くの優秀な学生を確保したいと躍起になり、就活生にとって有利になりやすい傾向にあります。ただ順調に就活を進めて内定を取って残りの学生生活を謳歌する者がいるなら、逆に持ち駒が無くなって企業の選り好みが出来ないという者も相対的に現れます。そして焦りの気持ちに心が支配されて企業研究や再度の志望動機作成が疎かになり、お祈りメールの頻度も変わらず理想と現実の差異に苦しむ…。この状態に陥ると危惧されるのが「就活うつ」の発症です。

 

就活うつは症状で言うと一般的なうつ病と大きな違いはありません。そのため発症後の変化について自覚がしづらく、徐々に心身を蝕まれていくのです。ちなみにとある調査では、就活生の7人に1人の割合で就活うつを患う傾向にあると記録されており、就活生にとっては決して他人事ではないのです。発症しやすいタイプとして考えられるのは「真面目」「完璧主義」「周囲を気にしがち」。そして就活うつは未だに世間的な理解を得づらく「それはただの甘えだろ」と笑う人もいますが、これはちゃんとした精神疾患の一つなので、何かがおかしいと違和感を覚えたらすぐに家族や信頼出来る友人、そして心療内科の先生に相談してケアに努めましょう。

 

 

ストレスコントロールはどうやって行う?

 

 

 

 

では就活生はどうやってストレス問題に向き合えばいいのでしょうか。まず初めに言っておくとストレスは無くす事は出来ません。なのでストレスは抑制・コントロールするように努めましょう。ストレスが溜まっていく要因は前述でもある通りですが、根底にあるのは“自分自身への過剰な叱責”“焦燥感”そして“他者との比較”です。

これらの問題と上手く向き合うにはまず思考を変えてみましょう。学生だろうと就活生だろうと社会人だろうと失敗の連続は当たり前。時には理不尽な要素で傷つく事もあるでしょう。そんな時は自分を追い詰めるような事はせず「こんなもんか」とキッパリ割り切っちゃいましょう。ひとつひとつの出来事に一喜一憂していては就活は乗り越えられません。「失敗は当然、でもこの経験は無駄じゃない」と前向きに捉えてみるだけでも心の持ちようはだいぶ違ってきますよ。自己完結が出来ない場合は周囲の人間に相談して気持ちを吐き出すのも良いでしょう。家族や友人に恋人、あるいは一緒に最前線で闘っている就活生同士でコミュニケーションを図るだけでも効果はあります。ですが就活に対する愚痴ばかり話すのはNGですよ。

 

そして就活を進めていくと生活にも偏りが出てきます。睡眠時間や食生活に運動などと、作業や活動に時間を費やす事が当たり前になってくると、休息のタイミングも見失いがちです。そこで脳をリフレッシュさせるためにも生活にメリハリをつけましょう。どんなに忙しい日々が続いても必ず一週間に一回は自分のための休日を設けてください。適度な休息を取る事で作業も効率よく進める事が期待出来ますよ。「病は気から」とも言いますし、自分の心身をケアするのも就活の一環だと認識しましょう。たとえばどんな過ごし方があるのか? それは各人によって変わってくるので何とも言えませんが普通に買い物に出掛けたり、カラオケで大声を出したり、あるいは旅行をして温泉に浸かってみるのもオススメです。「そんな事に時間を使えるかよ!」と思われるかもしれません。しかし切羽詰まった気持ちでは建設的な考えや臨機応変な振舞いというのはしづらいもの。ここはあえて「頑張っている自分へのご褒美」として時間を使ってみましょう。ガソリンが無ければ車が動かなくなるように、心がボロボロでは自分の魅力や本来の力は発揮出来ませんよ。

 

まとめ

 

 

理想的な働き方を実現をするために全力で就活に臨む気持ちは重々分かりますが、心の擦り切れを甘く考えてしまっては、就活うつや注意力散漫による事故など余計なダメージを負う羽目になってしまいます。時間が無かったり周囲と出遅れて焦るのは理解出来ますが、決して自分のペースを乱さずに、時には安らぐ時間も用意してくださいね。良い企業に入りたいがために無理して身体を壊してしまうのは、逆に体調管理の仕方を疑われかねません。条件がマッチした企業は探せばいくらでも出てきますが、自分の命は世界に一個だけだという事を忘れないでください。