近年の就活の風景では、3月の就活スタートから6月に選考開始という往年の流れから逸脱し、3年生から参加出来る夏・秋冬インターンに積極的に取り組み、進級するまでに複数の内定を所持してからお目当ての企業の選考に臨むのがベターとなっています。ただこうした選考に直結したインターンは、学生の職業観を損なうという見方もされ、また経団連の採用ルールが破綻した要因にもなっています。こういった過去に比べて容易に内定を獲得出来る状況は、本当にやりたい事を見失いネームバリューや待遇目当てでの就活が先行し、働いた後に後悔する人を多く生むきっかけにも繋がっているのです。そんな末路を辿らないためにも、本稿で改めて就活の目的や意識づけを強化していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時点の20卒の内定率はどの程度?

 

 

 

 

就職情報を扱う某大手企業の発表によると、先月の段階で2020年に卒業見込みの学生(3年生)の内定率が8.1%だというデータが算出されました。数値だけ見るとどのくらいの水準なのかイマイチよく分かりませんが、前年同月の内定率と比較して3.5ほど上がっているのです。就活はそもそも本選考が6月から解禁されますが、メガバンクなど人気の業種を除き経団連に加盟している8割の企業が平然とルール破りをし、大手でも3月説明会解禁から6月の選考までに多くの学生を囲おうと躍起になっている状態です。ですが日本の90%以上の割合を占める中小企業やベンチャー企業などは、前年の段階でインターンに選考を付加して優秀な学生をグリップするという動きも珍しくなく、売り手市場の効果もあって年々で内定率は上がっています。実際、内定を得た企業の内訳を見てみますと過半数以上が夏・秋冬インターンで早期選考を案内したところが目立ちます。インターン活動の本来の目的は就活生ないし学生の業界研究の助長、職業観を養う事にあるのですが、こうしたインターンの皮をかぶった選考直結は、その目的から逸していていると指摘する声もあります。ただ就活生としては1社でも多くの内定を早い時期から複数ストックしておき、より良い企業とマッチするまでの“保険”にしておきたいという気持ちがあるのです。

そしてインターンの参加プログラム日数も年々変わってきており、19卒と20卒で比較してみてもワンデイのインターンの参加が73%(19卒)・84%(20卒)。なんと11%もの増加があり、逆に5日以上を必要とするインターンは38%(19卒)・36%(20卒)という具合に下がってきているのが特徴的です。

 

 

経団連ルール廃止で20卒に変化は?

 

 

 

 

そして昨年の10月で行われた経団連トップによる従来の就活ルールの撤廃。これによって企業の採用活動や学生の動向に変化が訪れます。前述でもあるように経団連に所属済みの多くの企業でも、制定されていた年間のスケジュールを遵守するケースが少なく、大っぴらというわけではありませんが水面下でエントリーしてきた優秀な学生にアプローチしつつ、6月を迎えた時点で握手を交わす(内定)というのがもはや一般的でした。また加盟していない企業に関しても、サマーインターンなどで接触する3年生に内定を与える流れが定番化してしまい、システムそのものの見直しも込めて廃止という運びになりました。

もちろんすぐに影響が出るわけではなく、本格的にルール撤廃の恩恵を受けられるのは21卒以降という事になり、それまでは現行のスケジュールに則って就活を進めていきます。その後の就活ルールを取り決める主導権は政府に引き継がれる形となるので、将来的にさらなる変化も見込めるかもしれませんね。また就活ルールは新卒一括採用が根底にありましたが、これからは新卒ブランドにこだわらない通年採用を主とする企業も海外の企業のように増えていく傾向も予想されます。これにより従来の忙殺気味だった就活事情より時間の確保がしやすくなる上に、企業側も既卒やグローバルな人材などキャリアも備えた人材も得られやすくなる利点が見られます。

就活ルールが無くなり、志望企業の選考解禁やスケジュール調整がまだ未確定となる21卒とは違って20卒にはこれといって大きな変化はありません。ルールが無くなると発表があり、大手の動きに変化があるのではと警戒する気持ちは分かりますが、現行のスケジュール通り落ち着いて行動しましょう。

 

 

GW(10連休)が就活スケジュールにどう響くか

 

 

 

 

新天皇が即位し元号が変わった後でも就活をしていく20卒ですが、今年は大型連休が例年より伸びてしまうという特徴があります。今年は4月27日から翌月6日までが祝日扱いとなり、10日もの日数が空いてしまいます。既に内定を獲得している人からしたら自由に使える時間が増えて嬉しいかもしれませんが、GW前後で持ち駒に苦慮している就活生や企業からしたら焦燥感に駆られるバッドな時期です。その要因の一つが説明会であり、3月の解禁時点で多くの企業が個別・合同の形で就活生の意識を引くのに必死になっています。ですが4月下旬から5月上旬という期間では祝日の影響で説明会自体にストップがかかる状態になってしまうので、就活生の企業への関心が薄れる点が懸念されます。また就活自体が出遅れてしまった人にも影響があり、企業へ送るESの一次締め切りが3月中旬~4月下旬になるので、ギリギリで出そうと考えている人はかなり切迫した動きになります。

 

 

安易な企業選びだけは避けるべし

 

 

 

 

20卒の志望企業のランキングについて触れると、文系では商社やマスコミにコンサルタント職がランクインし、理系ですとIT系や医療・化粧品メーカーが上位に入っています。以前は金融(メガバンク)勤めが理想的だと囁かれていましたが、昨今の大手金融企業の大規模な人材削減の影響で人気が下がってきている傾向にあります。就活でお馴染みの落とし穴が“企業とのミスマッチ”。学生が企業を選ぶ際に重視する基準点に「将来性」と「給与・福利厚生」がトップに挙がります。ただ新卒で入って3年以内に辞める人では「仕事自体にやりがいや魅力がない」「希望の部署に配属されなかった」といった仕事の適性が浮上します。もちろん大手の場合は待遇が良い分、残業もそこそこありブラック気味な面もよく取り沙汰されますが、就活時に目の前の好待遇な情報に釣られ、十分な企業研究を行わないまま選考に挑んだ人もそれだけ多いという事が分かります。せっかくのファーストキャリアを無駄にしないためにも、そして今までの苦労に報いるという意味でも企業選びは慎重に行ってください。

 

まとめ

 

 

 

 

経団連が決めた従来のルールに沿って行うのが最後となる20卒の就活。今年は新天皇が即位し元号が変わる事でGWも伸びて「早期的に決着をつけたい」と焦る気持ちも出てくるかと思いますが、きちんと志望度に揺らぎが無いか、ESや志望動機にも漏れがないか確認して後悔のないように励みましょう。仮に第一志望(大手)からお祈りメールが届き、持ち駒がなくなっても内定者辞退からの二次募集や、大手のグループ企業にベンチャー企業も継続的に採用活動を行っているので最後までベストを尽くせば、きっと自身の適正に合った企業と巡り合えます。