多くの就活生をふるいに掛ける選考の数々。その形は書類だったり個人(集団)面接だったりと企業によって色々とありますが、大手企業の選考では面接内にグループディスカッションが含まれる事が多くあります。これは土壇場で人事担当者から投げられたテーマを、初対面の学生同士で役割を決めつつ討論してテーマの解決策を導き出すもの。ですがただ自分の主張を貫き通すだけではNG。今回はこのグループディスカッションについて解説をしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも企業はグループディスカッションで何を見てる?

 

 

 

 

面接の一次・二次で行われるグループディスカッションですが、近年では多くの企業が選考に取り入れている傾向にあります。中身としてはシンプルなもので、企業の人事担当者が考えてたテーマを、面接に参加している就活生複数人で議論し合うという名前通りの内容となっています。テーマに対する最善の解決策を互いに話し合い、時に妥協し時に反論しを繰り返して最終的にまとまった意見を社員へ提示する事がゴールとなります。大体が5人から7人程度の人数で行うのですが、これはあくまで平均数であり状況によって参加人数は増減します。

そして複数人で議論していくわけですので、この機会では各々が役割を決め合うのも特徴的です。議論の方向性を定めて、就活生達の意見を総括する「司会」。時間の制限内に議論を終わらすために、時間を管理して議論の活性化に一役買う「タイムキーパー」。就活生達の意見を板書して進行に偏りが無いようにサポートする「書記」が大きな役割です。どの役割を演じるかは就活生の適性や意欲によって自由に決められますが、自分の強みや性格とマッチしていない役を担うと、話が噛み合わず議論の方向性を見失うリスクがあります。

 

この選考方法にはきちんと目的があり、企業視点で言うと「集団の中で光る個性的な人材を発掘したい」「ロジカルシンキングの程度を計りたい」という考えに基づいています。ますは最初の“個を見る”ポイントについて話していきましょう。就活生の中には頻繁に「コミュニケーション能力に長けています」と自負する者が現れますが、“自分対複数人”という構図でコミュニケーション能力が遺憾なく発揮出来るかは普通の面接だけでは分かりづらいものです。またコミュニケーションの良し悪しも主観による曖昧な判断が多く、知己の中でのやり取りは円滑でも初対面の間柄だと実は…なんてケースも、自称コミュニケーション能力自慢には往々にして起こり得ます。そういったポテンシャルを“議論”という物差しで冷静に見極められるのが、この選考方法の特徴です。

またグループを組んで一つのテーマを話し合うとなると、必ず相手の意見を聞く、自分の考えを分かりやすく話す、最終的に各々の意見を総括するという段階が生まれます。この各タイミングでは、人によって態度や内容といった個性の違いが顕著に出やすいです。建設的に話し合いを進めようとするタイプや我が強い傲慢なタイプ、落ち着いて物事を俯瞰で見つめる者など様々。

ですがどんな人物であろうと人事担当者(企業)が納得出来るような答えを導き出すには各人の協力無くしては達成出来ません。この議論では“相手を立てつつ如何に自分の意見を出せるか”という就活生の個性の在り方を見ているのです。

そしてテーマを解決へ繋げるための論理的思考力も重要。仕事を任される際はただマニュアル通りに動けばいいというわけではなく、効率よく動くための無駄のない姿勢や周囲を納得させるだけの考えと纏める力が時には必要とされます。議論のテーマ自体、前もって知らされるわけでなく面接の時点で投げられるので、その情報量を素早く把握出来るほどの柔軟性と理解力が高いタイプは、本選考で特に重要視される存在です。

 

 

グループワークとは何がどう違うのか

 

 

 

 

同じように少人数のグループを作り議論を繰り広げる「グループワーク」なるものが存在します。今回紹介しているグループディスカッションとは何が違うのかというと、端的に言えば“着地点”です。グループディスカッションの場合は限られた時間内で就活生同士でテーマについて意見し合い、ようやく形となったら面接を担当する社員の前でその結果を発表するというもの。ですがグループワークでは“ワーク”と冠するだけあり、ディスカッションと中身に大きな違いはありませんが、議論の末に出た結論を成果物として資料に纏め、プレゼンをするまでがゴールとなります。議論の過程やプレゼン内容までが評価対象となるので、グループワークの方がグループディスカッションに比べて幾分か難易度が高めとされています。ただどちらの選考方法もテーマの内容や参加する就活生のポテンシャルに依存する形となるので、難易度の具合は状況によって変わります。

 

 

目立つだけでは人事は評価しない

 

 

 

 

時にグループディスカッションでは、より多くの注目を集めようと悪目立ちしようとする就活生が現れます。この選考ではアドリブに対応出来る力が求められる分、就活生同士の協調性が肝心となるのですが、自分の意見を最優先に考えて他人の意見を蔑ろにするような“調和を乱すタイプ”が少なからず存在します。俗に言う「クラッシャー」ですね。この手合いの特徴としてよく挙げられるのが、否定ばかりで譲歩しないので、議論が平行線のまま全く進行させないという点です。もちろん人事担当者は議論の結果はもちろんの事、話し合いの風景も選考の判断材料としているので、こういった自分の主張ばかりの人物は悪い意味で印象に残ります。

また企業の求める人物像に反した行いもマイナスです。たとえば金融など堅実さが強く求められる企業色に対し、印象に残るユーモア性をアピールしようと議論中で奇を衒って突飛な発言をしたり不安定な姿勢を見せたらアウトになりやすいです。これは企業の規模や人事担当者の好みに選考で就活生に求める要素などで必要性は変わってきますので一概にダメとは言い切れませんが、保守的な業種で斬新さをアピールしたら敬遠されやすいように、自身のキャラクター性を過剰に主張するのは賢いやり方とは言えません。グループディスカッションは、実際に企業で働く前のシミュレーションという認識で臨みましょう。チームの雰囲気を崩すようなタイプは「社会人としての意識が欠けている」と判断されて、落とされる可能性が高くなりますよ。

 

 

グループディスカッションの対策法と注意点

 

 

 

一般的な面接の形式は個人や集団と分かれて対策(練習)がしやすいですが、グループディスカッションは自分を含めた他の就活生の存在もあってこそ成り立つので、対策していくには就活生同士の意見交換が必要となります。こういった人脈作りも大事ですが、そもそも「人と話すのが苦手」という対人能力に不安を感じている人は、積極的に就活イベントに参加していき、本番に備えて場数を踏んで“人に慣れる”練習もしておきましょう。そして本選考は議論の質も注視されるので、コミュニケーション能力だけでなく知性をより高めるために参考書の熟読やキャリアセンターの活用も練習法として挙げられます。また就活生同士で練習するのではなく、知り合いや家族と相談するのも手段としては有効的です。慣れた間柄で話し合う事で突然振られた話題にも素早く対処出来るスピード感とアドリブ力が培いやすいです。

内容に対する想定とロジカルシンキングの重要性について語りましたが、ちゃんと本番で相手に声をしっかり聞き取ってもらえるように日頃から発声練習を心がけておいた方が良いでしょう。また、相手の発言を遮って自分の意見を出してしまう癖がある人は、最後まで相手の声を聞いて内容を理解する傾聴の姿勢も必ず身に付けましょう。

 

 

まとめ

 

 

 

 

その日に初めて会った人と人事担当者の目の前で意見を交わし合い、一つのテーマに対する最善の答えを導き出すのは、簡単に出来る事ではありません。自分の意見をブレずに貫く姿勢も大事ですが、それと同じく相手の考えも重んじて議論に投じていくわけですから、高度な判断力や発想力に空気を読み取る力が求められます。ただこの場で自分をより大きく見せようと、クラッシャーな姿勢を見せてしまうと評価は一気に急降下する事でしょう。グループディスカッションを円滑に進めるためには、どんな分野にも対処出来るようにビジネスや時事ネタの造詣を深めるのと同じように、自分の姿勢を客観的に判断出来る冷静な視点と、相手を蔑ろにせず思いやって接する気持ちも大切なのです。