ビジネスパーソンの間では基本中の基本であるマナー「報連相」ですが、近年ではその考え方すら古いとという指摘があるのをご存知でしょうか? 報連相の内2つはあくまで過去の情報の共有であってそこから発展するもの(仕事のアイデアなど)は少ない。そこで社員同士の新たなアプローチとして生まれたのが「ザッソウ(雑談・相談)」です。相談は理解出来ますがなぜ雑談が注目されるのでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの「報連相」に代わる「ザッソウ」という概念

 

 

 

報告・連絡・相談(報連相)という考え方が普及してから30年以上経過しました。現在でも多くの社会人は、この三つを欠かす事なく業務に従事している事でしょう。そもそも報連相とは、業務の中間報告・進捗状況の確認が主な目的ですが、同時に社員の独断の判断による失敗を未然に防ぐという狙いも含まれています。というのも、まだ経験の浅い新入社員や社内の環境や仕事の進め方を把握し切れていない中途社員は、上司からの指示を誤った解釈で捉えたり、独自のやり方で処理しようとしてしまいがち。その結果、現場を監督する上司の“視覚外”で問題が起こっても事態の把握や問題への対策法を思案するのにも余計な時間と手間を掛けてしまいます。そうならないために必要な情報を上司は部下へ連絡し、進捗の次第を上へと報告し、壁にぶつかったら自分で何とかせず他者へ相談する事が大事となるのです。これはまぁ、ビジネスシーンに限った話ではなくプライベートの場や学生生活でも円滑な意思の疎通を図るためや、信頼に軋轢を生むようなトラブルを避けるために常に心掛けるべき基本概念ですけれども。

 

 

 

ですがここ数年で、この報連相の存在がそこまで重要なのかという疑問の声も上がっています。そもそも報連相に含まれる報告と連絡は、とどのつまり“過去に起こった事象の再確認・既出情報の共有”に過ぎず、そこから新たな課題解決の糸口や新たなアイデアの誕生が見出しづらいという点も指摘されるのです。報連相で大事なのは、いかに情報を正確に相手に伝えられるかという事です。無論このフェーズが無くなるべきと言っているのではありません。ここで言いたいのは“報・連”をベースとして、新たに“雑談と相談”に重きを置いた情報のやりとりが今後は期待されていくのではないかと主張したいのです。

 

オフィスに横並びでマニュアル通りに仕事をこなしていく昔のやり方とは違い、現在では働き方そのものにも変化が現れてきました。ITテクノロジーの導入によって書類の整理など無駄な手間を省けて、忙しい合間に声掛けをして連絡を取り合っていた過去と違い、チャットツールの活用でどんなタイミングでも複数人まで情報の共有が可能となりました。また企業によってはオフィスそのものを廃止し、自宅でテレビ電話などを用いて仕事を行えるようにもなり、時間を調整し人員を割くなどと余計なコストを掛けてわざわざ会議を開く必要も無くなりました。このように仕事の在り方にも多様化が進出してきた現在、「近代化」が進むこの流れに対して従来通りの報連相のやり方はニーズに合わないのではないかと言われているのです。

 

 

「ザッソウ」で期待出来る効果は?

 

 

 

 

そこで、円滑なコミュニケーションをより可能にするために、受け取る情報をより吸収しやすくする意味でも、“相談”と“雑談”を組み合わせた手段が考案されました。

 

仕事の相談というのは誰であれ、「どんな内容なのか」と妙に構えてしまうもの。ましてや新入社員がよく知らない先輩上司にいきなり相談事を持ちかけるのは、地味に勇気が必要になる事も考えられます。それを解消するために雑談という手段を上手く活用する事で、より社員同士(役職関係なく)話しやすい相談しやすい雰囲気を生み出すのがザッソウのポイントです。

 

相手の事を深く知らないのに、仕事あるいはプライベートの相談事を持ちかけられるのは誰だって緊張してしまうものです。ですが知己の仲ですと些細な内容でも重大な内容でも興味も持ちやすいですし、一緒に考えるという協調性が如実に現れやすい。

 

この心理を狙い、仕事中でも休憩中でも雑談というコミュニケーションによって心の壁を徐々に崩していき、チーム感を一層強める事が望めるのです。

 

そして雑談は円滑なコミュニケーションのためだけに行うわけではありません。業務に関係ない内容、たとえば家族の話や最近見た番組や映画の話題など多種多様な内容を雑談では含みます。相手の趣味嗜好をより知る事ができて今まで以上に仲を深める事が出来るのが雑談の特徴ですが、その会話の過程で仕事の発展に繋がるようなアイデアも浮かんできやすいというのが利点です。

 

「そんな馬鹿な(笑)」と思われるかもしれません。しかし仕事詰めで凝り固まった思考では新たな発想は生まれづらく、固定概念によってがんじがらめ状態になる事はよくある話です。ですが日常的な会話という業務とは別の視点を持つ事で、仕事に活かせるような発想が浮かんでくるのも雑談の隠れた魅力です。

 

一見、非生産的であり無駄話のように思える雑談ですが“仕事”というある種、一方通行な見方よりも関係性の薄いような話題で多角的に物事を俯瞰して見る事で、効率的な業務の回し方を見出したり利益に繋がるような、斬新なアイデアが拾える事も往々にしてよくある話です。

 

本当に大雑把な例を挙げますが、事件のトリックを解明出来ずに悩んでいる刑事が、自宅でくつろいでいた時に家族や知り合いとの些細なやり取りで謎が解けたというのがイメージしやすいかと思います。これは所詮フィクション内の都合ではありますが、考え方としては一番近めです。

 

こうして雑談と相談を上手く組み合わせる事で、より円滑なやり取りと発想の自由化を期待出来るのだと、近年ではザッソウの有効性について注目が集まってきています。

 

 

対人関係が苦手な人はどう対策するべきか

 

 

 

 

冒頭から報連相やザッソウについて語ってきましたが、元々誰かと会話するのが苦手というタイプには少しばかりハードルの高い話かもしれません。ですが就活はもちろん仕事をしていくとなると同僚や上司だけでなく、クライアントとの打ち合わせや営業で新たに顧客と契約を結ぶなんて場面も多くあり、「会話するのが億劫、人と話すのが怖い」という考えが通用しなくなってきます。

そこで、対人関係に苦手意識を持つ人のために改善を促すためのちょっとしたアドバイスをお送りします。誰かと接する事が嫌だというのには様々な理由があります。「相手にどう思われているのか分からないから怖い」「知らない人と接するのがストレス」「昔から口下手で会話が下手」など原因は十人十色。他にも多くの理由があるわけですが、分かりやすい代表的なものをこうして挙げてみました。ではひとつずつ見ていきましょう。

「相手にどう思われているのか分からない」という気持ち、これは誰しもが抱える悩みかと思います。どんなに仲の良い間柄でも結局は他人ですし、相手の心の底は相手にしか分からないのです。なので「実は自分の事を良く想ってないかも…」と考えるのは正直不毛です。だって正解をこちらから導き出す事なんて不可能に近いのですから。ならば「どう思われているか分からないが、嫌われないよう最善を尽くそう」と前向きに考えて真摯に接した方が会話も苦になりづらいですよ。

 

次に「会話がストレス」だという点ですが、そもそも会話でストレスが生まれるのが何故なのかという事に目を向けてみましょう。会話している相手が苦手なタイプだったり、内容自体に興味が無かったり、または会話がネガティブであるとか色々ありますね。ですが人間関係は互いに興味を持って接する事から始まります。まずは相手をよく知るために情報収集していく姿勢を持ちましょう。

そして「口下手で会話が苦手」についてですが、こればかりは経験が求められます。誰でも初めて接する人間相手だと何を会話の切り口にしようか迷ってしまいがち。その結果相手から印象を悪く思われないように神経質になってしまい、会話自体に恐怖心が出てしまう。そうならないためにも常日頃から「この人にはどんな話題が受けるか」という脳内シミュレーションをしていき、事前準備をして会話を少しずつ広げるようにしていきましょう。

 

まとめ

 

 

 

 

いかがでしたか? 新たなビジネスマナーとして期待されているザッソウの魅力。オフィスというフォーマルな場面でも雑談を有効活用すればより建設的な意見が浮かびやすいだけでなく、上司や同僚など、今まで仕事仲間として接しているだけだった相手の内側をより知る事で、堅くなりがちな相談事の持ちかけも比較的ストレスを軽減した状態で行えるようにもなります。ですがザッソウを有効的に行うには、ベースとなる報連相の必要性もしっかり理解しておく必要もありますよ。