就活生が複数の内定を獲得するのが珍しくない売り手市場真っ只中な現在。やりたい仕事だから応募する人や、過酷だけど給与が高いから応募するという人と、企業選びの基準はまさに十人十色。特に今でも大人気なのが“大手企業”の存在です。業種は様々でありながらも、待遇や事業内容の幅広さやプロジェクト自体の影響力で「是非入りたい!」と何社もエントリーする人が後を絶ちません。ですが、キャリアアップの可能性の大きさや仕事そのもののやりがいで中小に狙いを定める人も多いです。そこで今回は企業の規模についてのお話と、社員の多さで困る事について語っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

社員数で変わる企業の定義

 

 

 

 

世の中には星の数ほど企業があれど、会社の抱える資本金や社員数など会社の大きさで「大手」や

「中小」などと呼称が分かれます。就活生の間ではこういった会社の規模も選ぶ基準の一つとなっていますね。ただ働いている人数が違うというわけでなく、大手と中小では新卒入社での給与の差や福利厚生の有無や制度の幅、事業内容の世間的な影響力に企業自体のネームバリューと明確な違いがあります。その企業では現在何人程度が働いているのかという点も就活生が企業選びで注目する要素です。ですが企業情報を調べる際に“社員数”“従業員数”と分かれている場合があり、それぞれの言葉の意味を正しく理解していない人も多いかと思います。

まず社員数の表記について解説しますが、こちらは企業に勤める「正社員の数」を指す言葉です。大手企業のHPだとほとんどの場所が社員数を提示していますが、その数に上乗せして別にある程度の非正規社員が所属していると考えましょう。また逆に従業員表記ですが、こちらは非正規も含んだ被雇用者を指します。非正規には種類が色々とあり、アルバイト(パート)・派遣・契約の3つが挙げられます。正社員とは違うので無論、任せられる仕事の幅や責任、得られる給与や待遇がまるで違ってきます。就活生の多くは正社員として社会人生活をスタートしたいと思っているでしょうが、業界によっては最初から正社員雇用ではなく、アルバイトから経験を重ねて何年も経て正社員にステップアップするというケースも多くあります。企業選びの時は志望する企業のHPを覗いた時に、こちらの“社員数・従業員数”もよく見て会社の規模を推し量りましょう。

 

また、勘違いされやすいのが役員も社員数に含まれるのかというところ。社員はあくまで労働者側ですが、役員ですと企業の経営に関わる側であり、極端な言い方をすると社員を使う側です。なので役員のポジションにいる人はこの内に含まれませんが、「兼務役員」ですと役員であり従業員という立場になるのでカウントされます。

 

そして中小企業と大手の判断ですが、業界別も関係してきますが所属する人数で見分けられます。中小を基点に解説していきますが、製造業・建設業・運輸業などですと従業員300人以下で資本金・出資金が3億円以下の場合は中小企業とされます。次に卸売業は100人以下で資本金1億円以下。小売りですと従業員は50人以下で5000万円以下、サービス業は100人以下でこちらも5000万円以下で中小とされます。じゃあ大手はどのくらいの規模で“大手”とされるのかと言うと、こちらは明確な定義づけがされておらず、上記の規模を越えていれば一般的に大手と捉えられます。また規模が大きい大手企業は、担当するプロジェクト(国内外問わず)や社会的な注目度も中小に比べて上回っているので分かりやすいですね。

 

 

単体と連結で社員数が変わる事も覚えておこう

 

 

 

 

皆さん一度は親会社・子会社という言葉を耳にした事があるかと思いますが、社員数を計る上でこの言葉も肝心な要素となってきます。この両方の言葉を語る際に欠かせないのが「株式」の存在です。たとえばA社とB社の二つの企業(同じ業種)があるとして、B社の株をA社が過半数以上保有している場合、B社はA社の子会社であるとされます。また過半数に届いていない時も、B社の経営の舵取りをA社が行う場合、こちらも同じくB社が子会社となります。それとは別にB社の取締役会がA社の人間で固まっているなら親会社・子会社の関係が成り立ちます。

この仕組みは「単体」と「連結」と表現され、単体は言うまでもなく親会社を言い、連結は親会社に実質支配されている各子会社の事を指す言葉ですので覚えておきましょう。

そして企業選びで社員数を把握したい際に上記の例で見てみますと、親会社であるA社を志望する時にHPを見てみると「あれ? 思った以上に少ない…」と思われるかもしれませんが、親会社の社員数は子会社の所属している人数も含めて考えるのが一般的で、総合的な人数を見てみると最初にチェックした人数の倍以上だったなんて事も大いにあり得ます。このように単体の人数は連結と結びついているので忘れないように。

 

 

就活するなら企業の離職率も注目すべき

 

 

 

 

離職率は会社選びの際に重要なファクターとなります。ですが規模を問わずほとんどの企業が年間の離職者数を提示していないのが実情です。その理由は実に明確であり、新卒・中途を含め年間を通した人の出入り(入社・退社)を数値化して公開してしまうと、ブラック企業を警戒する就活生が入ってこないのが大きな理由です。ただ最初に話した通り離職率を大っぴらにしている企業はゼロではないがまずありません。ではどう調べるかというと、簡単な方法が「就活四季報」を読んでみる事です。これは賃金・年収から入社3年後の離職率から平均勤続年数や残業時間も細かく記載されているので、企業研究にはオススメです。ただ注意する点として“この数値は参考程度で鵜呑みにしない事”です。なぜかと言えば企業だけでなく業種によって離職率は変わってきます。長い間、離職率が高いと言われている業界は飲食や宿泊がトップで君臨しており、他には教育や福祉関係も頻繁に名が挙がっています。このように「この企業だから危険」と数字で見て判断するのではなく、業界全体に視野を広げて分析を重ねる必要があります。また、大手で離職率が多い=ブラック企業と考える人も中にはいらっしゃいますが、中小に比べて所属する人間の数が段違いの企業ですと、出ていく人間の数がそれに比例して多いのは当然といえば当然です。それに辞める人の理由もまたバラバラとばってくるので、大きい会社への就職を考えるなら、離職率は勿論ですが辞める人の傾向についても考えてみた方がいいでしょう。

 

 

社員が多いとキャリアアップがしづらい?

 

 

 

よく大手企業勤めは出世がしにくいという話を聞かれますが、これについて解説していきましょう。確かに大手の場合は中小やベンチャーとは桁違いに働く人間の数が違います。同じ部署に同じ業務に従事する人が数人~数十人と集中していると、どうしても正当な評価が上層部から得られづらいというデメリットも生まれやすく、日頃残業も込みで頑張っているのに、真っ当な評価がされずやりがいを感じないという“大手企業あるある”にも繋がってきます。それだけでなく人数が多いと、出世を賭けた競合相手も増えてくるという点も浮かんできます。課長だろうと部長だろうと役職は限られた数しか用意されていないので、少しでも評価の高い同僚がいれば、そちらが当然出世するでしょうし、その役職の席(ポスト)が空かない以上は、自分は依然として平社員のままなんて事も…。そしてこれは企業によってよりけりで、現在は成果主義制度の進出によって減少傾向にありますが、年功序列制度が今でも残っている場合は、勤続年数で出世が約束されるので若い層のモチベーションに繋がらないという問題もあります。このように会社の規模が大きい(社員数が多い)と企業自体の基盤が盤石で、めったな事が無い限り倒産もしないので安定と思われがちですが、自身のキャリアステップを考えるとなかなか悩ましい点ですね。ただ途中でも触れましたが、大手企業でも成果によって出世がし易くなる環境が整いつつあるので、企業を選ぶ際には年齢別の平均年収も照らし合わせてみましょう。

 

 

就活生が企業選びで重要視するポイント

 

 

 

 

就活メディアによる働き方の意識調査では、就活生が企業選びをする時に「社内の雰囲気」「成長可能かどうか」「給与」を特に注目している事が分かりました。近年の就活生の特徴では、給与面の充実さは相変わらず就活の目的に挙がっているのですが、自分自身の市場価値をいかに上げるかを気にする人も多いです。“新卒でも活躍の機会があるかどうか”を企業選びの判断材料とする人が目立ってきた要因としては、記憶に新しいメガバンクの大量の雇用削減や大手自動車メーカーの改竄問題、年齢に関係なく成長のチャンスが転がるベンチャー企業の増加などが考えられます。新入社員が辞めていく原因では「思っていた仕事と違くてやりがいを感じなかった」という声が大きく、この意識調査の結果は「企業の安定性を当てにせず、多様化してきた働き方で自分の将来性を広げていきたい」という、一昔前とは違う学生達の仕事への向き合い方が窺い知れます。

 

まとめ

 

 

いかがでしたか? いかに大きな企業で社員制度や給与が満足出来る内容であっても、近年の不祥事続きで信頼ガタ落ちや人員削減などと、大手だからといって恒久的な安定は見込めない時代となってきました。また出世という働く人にとって憧れのワードも、ライバルの多さや労働と割に合わない評価で、中小よりもチャンスが少ないという規模が大きい会社ならではの問題も含んでいます。社会人として本当に安定を望むのであれば、どんな業界でも通用するように、資格の勉強や専門スキルの修得などと自分の市場価値を高めて“引く手数多な人材”となりましょう。