海外に生産や流通の拠点を拡大して事業を拡大するグローバル化。性別や国籍に関係なくさまざまな人材を確保して人財の多様化を図るダイバーシティ。そして、従来の労働環境を大きく見直して是正のメスを入れる働き方改革など、国内企業の情勢はここ数年で大きく変貌しました。
ただ、それでも未だに問題に挙がるのがブラック企業の存在。やりがいをもって仕事をしたいと考える就活生にとっても、ブラック企業に就職するのはぜひとも避けたいですよね。
今回は、世に蔓延(はびこ)るブラック企業の特徴について解説していきましょう。

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ブラック企業の定義を認識して企業選びに活かす

 

働き方が多様化していき、それに伴い労働者の市場価値も見直されてきている現在でも、ブラック企業は依然として前途明るい就活生たちを苦しめています。
正社員にしろ非正規雇用にしろ、まだ就業経験のない人からしたら「どんな環境がブラック企業に該当するのか」という認識がしづらいもの。そのため、企業がアピールする「仕事で味わえるやりがい」を真に受けて、ブラック企業に就職するケースも珍しくありません。
新卒採用活動を行う企業の謳い文句に疑いを持たず、実際に働いてみて「最初に聞いていた話とまるで違う」と気づき、我慢して何年も過酷な環境に我慢してしまう人。数ヶ月で見切りをつけて経歴に傷をつけてしまう人などさまざまですが、彼らの悲痛の声は、SNS上でも毎年のように見かけます。

 

このように、就活を進めていく段階でどんなタイプがブラック企業だと言えるかが分からないと、その後の自分の人生に影を落とす結果となってしまうでしょう。
そうならないためにも、本稿で「どんな会社がブラック企業なのか?」をポイントに分けて紹介していきます。まだどんな企業で働こうか悩んでいる就活生の方は、以下で挙げる注意点を企業選びの判断材料として覚えておきましょう。

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①ブラック企業では真っ当な評価を受けづらい

大手企業にしろ中小企業ベンチャー企業にしろ、自分の頑張った結果や企業への貢献度がしっかり人事に評価されて、その後のキャリアステップに活かされたり昇給に繋がるというのは当たり前の流れです。しかし、ブラック企業にはそんな当たり前すら通用しません。ブラック企業の考え方としては、「数を追うのは当然であり報酬を高望みするのは悪」という意識が根底にあります。
それが新卒だろうと何年もキャリアを積んできた者だろうと関係なく、何時間も何日も必死になって働いても、また別の案件を立て続けに担わされるのが王道パターン。そういった労働サイクルについてこれないのは「根性がない、やる気が足りない」と、ネガティブな印象を植えつけられやすく、前向きに結果や姿勢を捉えてくれないのがブラック企業の本質と言えるでしょう。

 

②コンプライアンスの意識が低い

コンプライアンス(法令遵守)について深く理解していない、あるいは軽んじているのもブラック企業を語るうえで欠かせない大きな特徴ですね。ブラック企業にまつわる話にて、「使い捨てにされる」というフレーズを頻繁に見かけますが、これは決して誇張表現ではなく、入社した人財を企業の貴重な財産としてではなく、ホテルのアメニティのごとく、「消耗しても代わりはいくらでもいる」という傍若無人な姿勢がブラック企業で常態化しています。この認識が浸透しているのがブラック企業たる所以(ゆえん)であり、はたから見て「さすがに言いすぎ……」というような発言も、ブラック企業の人間からしたらただの教育の一環と捉えている場合もあるわけです。性別や身体的特徴なども“口撃”の対象にすることだって、ブラック企業という環境下では珍しくありません。

 

こういったケースは、パワハラはもちろんセクハラやモラハラといった事案がイメージしやすいかと思います。
それだけでなく、成績の乏しい社員を社内でつるし上げ、人格否定の末に過度なノルマを課すなど、人権無視を匂わせる言動すら厭(いと)わないレベルのコンプライアンス意識の欠如が顕著です。
 


 

③ブラック企業は残業が長くて多い

残業そのものは別に悪いことではなく、就業時間を超過した場合、一般的な企業ならきちんと精査して支払ってくれます。そして残業を行うには企業と労働組合で「36(サブロク)協定」を結ぶ必要があり、協定内で残業は月に45時間で年間で360時間以上は残業させることを禁じているのです。それ以外にも、過剰な労働によって病気の発症や怪我、あるいは自殺などによる労働者の死亡を避けるために、明確な過労死ラインを設けています。
これは月の残業時間が80時間以上となった場合に適用されるものであり、労働者の働く意欲や生命をセーブする意味でも非常に大切な指標と言えるわけです。

 

ただ大手広告代理店や飲食店でもニュースになっていましたが、ブラック企業に勤める従業員が過労死ラインをオーバーし、その結果、自殺してしまったという痛ましいケースも記憶に新しいです。医療関係者でも医師の残業時間が100時間を超えているというデータも浮き彫りになるなど、残業によるダメージを甘く見られがちだということがうかがい知れます。
悪質なブラック企業は、平均どの程度の残業になるかを明記せず、説明もあいまいに濁す傾向にあるので要注意ですよ。

 

④残業代も支払ってくれない

上記で残業時間について話しましたが、長い時間ちゃんと働いたにもかかわらず、その対価も支払ってくれないというのもブラック企業の問題としてよく浮上します。要するに「サービス残業」の横行が酷いわけです。
何時間、何十時間と睡眠やプライベートの時間を削ってでも業務に向き合ったのに、超過分の残業代が給与に含まれない。こうなってしまうと労働者のモチベーションが維持しづらくなるだけでなく、「頑張っているのに評価されていない」と考えて自分を追い詰め、うつ病を発症する事態も大いに考えられるでしょう。
また、残業代を支払うにしても超過した時間ではなく、固定で支払うのもブラック企業の常套(じょうとう)手段なので覚えておきましょう。

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⑤離職率が高い(人の出入りが激しい)

SF作品よろしく、特定の分野に特化した機械なら不眠不休で働くことも可能でしょうが、心も身体も繊細である人間は、長きにわたり劣悪な環境で働くことにいずれ限界が来るものです。ブラック企業を見分けるうえで参考にされるのが離職率。就活四季報や就活口コミサイトなどで企業・業界毎に離職に関する詳細な数値が出ているので、企業選びの判断材料として就活生の間ではマストのアイテムとされています。

 

新卒採用活動を行う企業は、ナビサイトなどの就職情報サイトをはじめ、特定の学校や人材紹介会社にて求人を公開するものですが、ブラック企業を見分けるコツとして、数ヶ月経過してもまだ新卒や中途の求人票を掲載していたり、その掲載時期も長かったりするのはブラック企業の可能性が大きいと言えます。
また、「入社後3年以内の離職率が3割を超えている」のはブラック企業だと認識されているので、覚えておきましょう。

 

⑥有給休暇を取ることが許されない風潮

有給休暇を取るというのは労働者にとって当然の権利であり、継続して仕事をしてきた者に平等に与えられるものなので、“よほどの事情”がない限り、誰であろうと有給の消化を邪魔することはできません。
ですが、ブラック企業でよく聞かれるのが「有給が溜まっているのに一向に使わせてもらえない」という話です。どういうことかというと、何ヶ月も業務に真面目に取り組んできたにもかかわらず、消化するべき有給を申請したら上司からNGを出されるというもの。

 

こういった権利の侵害も平気で行われるのも問題ですが、誰かが申請を拒否されたら他の人も申請を出しづらくなるという集団心理も働いてしまうのもブラック企業のあるあるですね。
ブラック企業で働いていた人の中には、家庭の事情で有給を消化したら、後日、出社した際に上司の態度があからさまに変わった、なんてエピソードもあるくらいです。

 

ブラック企業によって引き起こされた悲劇

 

ブラック企業は不祥事を起こしたことでメディアに取り沙汰されて表面化しているものや、数多の優良企業の陰に潜んでいるものとさまざまであり、重大な事故や事件が発覚してようやくブラック企業の存在が浮き彫りになるのがツライところ。
新卒就活生からしたら、実際に働いてハラスメントなどの悪辣(あくらつ)なアクションが起きないと、今いる場所がブラック企業かどうか判断しようがないわけです。
ただ、「せっかく内定をくれたんだし我慢しなきゃ」と理不尽を耐え忍び、結果として精神に限界が生じて生命に関わる事故に巻き込まれた……、というのもブラック企業なら珍しい話ではありません。

 

過去にあったブラック企業の事例ですと、某印刷会社に勤めていた男性が機械に巻き込まれて圧死するという痛ましい事故が起きています。これだけ見るとよくある話と捉えられがちですが、この背景には「月80時間を超えた残業」と「機械の老朽化」という問題があったのです。
疲労困憊(こんぱい)で正常な判断がしづらい状態で起こった死亡事故。なのに事故を起こした企業では「機械の故障」程度と発表して、当時は大きな波紋を広げました。
他にも200時間も残業して、会社員が自宅で心不全を起こして死亡したという事件もあります。ブラック企業に勤める“被害者達”には「転職したくても勇気が出ない」「家族もいるし年齢的にも他に行けない」などの事情があります。そんな気持ちにつけこみ、ブラック企業は未だに労働者をただの歯車として運用しているわけです。
 

今でもなくならないブラック企業のハラスメント

 

2015年に内閣府が発表したデータによれば、勤務問題によって自殺してしまった数は2159人とされています。ただ、「あれ? 意外に少ないね」と思わないように。死亡者が出ている以上、これを人数の問題として考えるのはナンセンスです。
それに、判明している数が2159人というだけであり、実際はもっと多くの人間が長時間労働やハラスメントによって苦しんでいます。
精一杯働いているにもかかわらず、言葉の暴力や過剰な業務負荷でメンタルが崩れ、命を絶つのは本当に悲しいですし、平然と行えるブラック企業の体質を許してはいけません。

 

また、ブラック企業にてこういった行為に及ぶ人間で共通しているのが、「罪の意識の希薄さ」。怒号で相手を追い詰めたり、身体を触って怯えさせたりしても、よく聞かれる言い訳が「コミュニケーションの一環」「教育の一部」などです。
コンプライアンスについて前述した通り、ブラック企業ではこういった犯罪行為が臆面もなく行われています。厄介なのが、問題が起きても被害者が告発しない限り、世間の人間がこの実態を把握できないという点です。
ここ数年で、ようやく多くの企業で待遇や問題の改善が少しずつされてきていますが、ハラスメントという根深い問題が解決するにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

まとめ

何年経っても未だに根絶されないブラック企業。たとえ給与がよくて自分の求める仕事がそこにあるからといって、企業選びを安易に進めてしまうと最終的にボロボロになってしまうでしょう。
理不尽な待遇を無理やり耐えて、「まだ半人前だから仕方ない」と真面目に自己完結してしまうのは、ブラック企業の思うつぼです。自身の将来のためにも、ブラック企業に捕まらないために企業選びの視野を広げ、自衛につながる知識も同時に身につけましょう。
 

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