イタリア語で“BARの給仕”を意味するバリスタ。イタリアでは立ち飲み形式で親しまれていますが、日本ではカフェやレストランで軽食と共に落ち着いて楽しむのが一般的です。缶コーヒーやインスタントとは違ったこだわりと味で多くのコーヒー好きを魅了するバリスタの仕事とは一体どんなものなのか? 今回はあまり世に浸透していないバリスタ職についてご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前は知ってるけど具体的に何をするの?

 

 

 

 

 

バリスタとはコーヒーへの幅広い知識や最高の一杯を淹れる技能を持つスペシャリストです。本場イタリアではエスプレッソのコーヒーがポピュラーですが、日本では様々な種類のコーヒーを提供します。ちなみにエスプレッソとは抽出に数十秒しか掛からない“急行”を意味するコーヒーで、少量にもかかわらず雑味が無くアフターテイストが残りやすい特徴があります。

バリスタはただコーヒーを作るだけの仕事というわけではなく、カフェやレストランに訪れるお客さんに、こだわり抜いた極上のコーヒーとおもてなし精神で最高のひと時を演出する接客のプロという一面があります。またコーヒーだけでなく働く環境によっては酒類の提供もしていくので、ソムリエのようなドリンクに対する造詣の深さも求められる事も往々にしてあります。

お洒落なイメージがありますが、知名度の割に仕事としてはまだまだ日本で確立されていない節があるので、他業種の待遇などに比べると劣っているのが実情です。ですが大手のコーヒーチェーン店でも技術力のあるバリスタを募集していたりするので、今後の働き方に期待が持てます。

 

またバリスタで働く魅力としてはやはり、好みがそれぞれ違うお客さんのために丁寧に淹れた一杯を提供して「美味しい」という一言を頂く事が挙げられます。コーヒーと一口で言ってもブラックやミルク入り、カフェオレやエスプレッソにカプチーノなど種類は多岐に渡り、豆のタイプや作り方もバラバラなので満足のいく仕上がりになるには時間も根気も必要になります。ですがそこまでこだわった“自慢の作品”を、店に訪れたコーヒー好きの人に堪能してもらう。より多くの人の心を自分が淹れたコーヒーで動かせるというのがバリスタの素晴らしさといえます。また人柄や作品の品質に信頼の持てるバリスタには固定のファンがつきやすいです。世の中にコーヒーを扱う店はごまんとあれど、自分のコーヒーを目当てに足を運んでくれる人がいるというのも、この仕事のたまらないポイントです。

そしてバリスタはコーヒーというすそ野が広い分野を追求するプロフェッショナル。焙煎など工程ひとつひとつにも確かな技術が求められるだけでなく、サービス力や好みを素早く察知する能力が備わっていないと一人前とは言えません。バリスタはそういう意味では職人気質の強い仕事なので日常的な自己研鑽と、「もっと自分のコーヒーを楽しんでほしい」という野心を持って仕事に臨む姿勢が大切です。

 

 

 

最初はやっぱりアルバイトからスタート?

 

 

 

 

 

バリスタとしての経験を積むにはまずアルバイトとしてスタートするのが定石です。一からコーヒーのノウハウを学ぶだけでなく、接客の仕方や心構えも取り入れていかなければいけません。そしてすぐにコーヒーを淹れられるわけではなく、下積みの形で励んでいくのですが身近でプロの仕事のやり方を見られます。他の飲食店のようにアルバイトの内から経験を積んでいけば本格的にバリスタとして教育してもらえます。ですが勤務する店舗によって教育の流れやキャリアパスは違ってくるので、志望するお店は自分の将来的なプランとよく見合して考えましょう。

もっと確実なプロセスを経て成長したいという人は、バリスタを育成する専門学校へ入学して腕を磨くという手段もあります。日本でも日本バリスタ協会が認定する専門学校がいくつもあり、バリスタとして活躍する現役のプロが講師として実習や筆記で人材を教育してくれます。2年~3年という期間、全日制通いという形で勉強する事になりますが、バリスタとしての技術や自信、コーヒーだけでなくカフェやレストランでも活きる料理技術も身に付ける事が出来るので、少しでも箔をつけたいと考える人にはオススメです。もちろん民間のスクールでもバリスタから指導を受けて経験を積む道も用意されていて、どちらでも一人前になれば飲食店での就職で優位に立てるという利点があります。

 

人によっては未経験の内から海外のプロの元で本格的な修行に行くという道もあります。日本に比べて歴史の長さや仕事の価値も全く違う本場海外だと、世界的に評価されているプロが店を多く構えているので、語学力に自信のある人は海外で学ぶというケースも見かけます。

 

 

バリスタの主な勤務地や収入

 

 

 

 

飲食業とはいえバリスタで働く場合はまずはアルバイトからキャリアを形成していくのがスタートです。働く環境としてはカフェやコーヒー専門店、レストランにBARが考えられます。ですがどんな場所で働くにしてもバリスタは経験と知識がものを言う仕事なので、専門学校で事前に学んでいた方がより動きやすいです。そして仕事に関してもコーヒー特化というわけではなくアルコール類や料理にデザートなど、環境によって提供する品は変わってくるので覚えておきましょう。その後アルバイトから正社員・契約社員としてステップアップする人も多くいます。各形態の収入は働く環境によって違ってきますがアルバイトですと1000円程度、正社員でも平均20万円程度と他の仕事に比べて低い水準なのがツラいところ。ですがバリスタとして信頼に足る資格や実績があれば有名店で勤務し、収入を大幅に上げる事も可能です。

 

雇用される以外にも独立して働くという手段もあります。しかしこちらはバリスタとして熟練した人が満を持して開業する場合がほとんどなので、未経験のうちから独立するのはリスクが高いです。

独立だとバリスタとしてだけでなく経営者として動く事になるので仕事の幅はぐんと広がります。たとえば営業する時間帯を自由に選べたり、メニューの種類や値段も決められるので、将来的にバリスタとして自由に働きたいと考えるのならば、思い切って独立して売り込むのも良いでしょう。ですが同時に経営者として店を回していかなければならないので、経営に関する知識やリピーターに愛される独自のセンス、機材のメンテナンスや商品の研究などハードルは高めです。販売の工夫次第で人気も左右され、収入も安定しづらいという難点もありますが、自分のこだわりの専門分野で多くの人を魅了し、メディアに取り上げられて注目されて成功したという例もあります。年収も店によって開きがあり400万円から700万円ほどと言われており、オーナー自身の努力次第でいくらでも変動します。

 

 

働く上で必要になる資格とかスキル

 

 

 

 

バリスタは知識と経験さえ備わっていれば現場で働く事が出来るので、働くのに必須な資格は特にありません。しかしバリスタ関連の民間の資格も存在していて、持っているだけでも自身の地位向上に役立ちます。日本バリスタ協会が出す『バリスタライセンス』が代表的。こちらはレベルが1から3まで設けられており、数字が上がっていく毎にバリスタとしての質も向上していきます。そして二つ目に『コーヒーマイスター』があります。どちらも業務上では必要とされないものですが、取得する事で自分の技量が可視化され評価されやすくなり、日本のみならず海外で活躍する時も信頼を得やすくなるメリットがあります。もちろん雇用時にも大いに役立ちます。未経験で一から指導しなければならないとなると店舗としても時間やコストが掛かります。しかしバリスタとして一定の基準をクリアしたという証があるだけで即戦力として欲しがられる可能性が大きいです。

 

バリスタライセンスは日本バリスタ協会が、コーヒーマイスターは日本スペシャルティコーヒー協会が発行しています。どちらも取得には条件があり、前者ではバリスタ経験者が対象となり後者は日本スペシャルティコーヒー協会の会員である必要があります。取得合格率も80%ほどと難易度もそこまで高いわけではないので、就職に活かすためにも取っておいて損はありません。

 

まとめ

 

 

いかがでしたか? お洒落でコーヒーのスペシャリストとしてのイメージがあるバリスタですが、働く入り口はそこまで狭くなく、未経験の人もアルバイトからでも勉強していく事が可能なので、本当にコーヒーが大好きな人にはオススメです。ただ海外の事情とは違い、日本ではバリスタの待遇はそこまで整っているわけではないので、キャリアを積んでいる状態でも収入や働き方に不満を感じたならば、資格もしっかり取得して有名店への就活も考えましょう。