多種多様なコーヒーへの幅広い知識に専門的な焙煎スキルを備えたスペシャリスト「バリスタ」。お洒落なカフェや大衆向けのレストラン、落ち着いた雰囲気のBARなど働く環境は色々あり、お客に特別な時間と幸せな一杯を提供するのがバリスタの役目となります。そんなバリスタで働くにはどんな志望動機を考えるべきか? バリスタのメリットデメリットについても解説していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少子高齢化で見られるバリスタ職の将来性

 

 

 

 

イタリアを始めとするヨーロッパ諸国やアメリカにオーストラリアなど世界各国で人々に重厚感ある味わいと安らぎの空間を提供しているバリスタ。日本では職業としてあまり馴染みの無い存在ですが、一昔前と違って現在では大手コーヒーチェーンの激しい全国展開や、外国人向けのカフェの増加などで注目度を上げています。バリスタは主に豆の販売から飲食まで楽しめるコーヒー専門店やカフェテリアなどが活躍の場となります。しかし少子高齢化の問題がカフェや喫茶店の数にも影響を及ぼしているのも現状です。というのも1980年代まではカフェや喫茶店の収入が年間約1兆7000億円ほどだったにもかかわらず、2015年になると約1兆1000億円台にまで減少。それに伴い各地で店舗数も徐々に少なくなってきました。人口数の減少で今後も国内市場の縮小が懸念されています。そしてコンビニでも安価で手間いらずでコーヒーを楽しめる風土にあるので、まだまだ国内でのバリスタの価値や認知度が浸透しづらいようにも感じます。かと言ってバリスタそのものが廃れるかと言えばそうでもなく、コーヒーという繊細で奥深く、種類も好みもそれぞれ異なる飲み物を手際よく仕上げられるのは普通の飲食店のアルバイトなどでは限界があります。その点バリスタは卓越した技術と幅広い知識で本格的なコーヒーを生み出せるだけでなく、コーヒーに疎い人にも合った楽しみ方を提案出来るので、バリスタ自体の将来性が危ぶまれるという事は無いでしょう。またバリスタは経験さえあれば独立して年収を増やす事も可能ですし、優秀ならば海外でも働くチャンスがあるので自身の市場価値が高いのなら少子高齢化は大きな問題になりません。

 

バリスタとして活躍している男女の比率

 

 

 

 

国内外問わずまだまだバリスタは男性がメインの環境が多いです。しかし近年では海外のバリスタ大会で日本人女性が受賞したり、イギリスで女性バリスタがオーナーのカフェが人気だったりと徐々に女性バリスタが進出してきているのも特徴的ですね。ですが男性中心のバリスタが国内では顕著であり、男女比でいうと8:2で男性がほとんどの割合を占めています。ですがラテアートなど視覚的にも楽しめる芸術性に富んだ商品などは女性バリスタの得意分野とされており、性別によって向き不向きという差別化が無いので、今後女性バリスタが多く輩出される事に期待しましょう。

 

バリスタに適している人の特徴とは?

 

 

 

 

コーヒー分野に特化しているバリスタ職ですが、どんな人でも向いているわけではなく、ちゃんと適性が無いと長く続けていく事は難しいです。というのも、ただオーダー通りにコーヒーを淹れてお客に与えるだけなら機械でも出来ますし、なによりコーヒーに愛着や理解が無かったらただの作業として終わってしまいます。バリスタとはコーヒーのスペシャリストであると同時に接客のスペシャリストです。まず大前提として「コーヒーが好き」でないと務まりません。それもただコーヒーが好きなだけだとどうしても飽きが来てしまいますし、仕事として扱うと売り上げや失敗で挫折して、結果的にコーヒーに苦手意識が生まれる場合だってあります。スペシャリストというだけあり、生半可な覚悟ではバリスタとして生きていくのは難しいでしょう。朝昼晩コーヒーの事を考えられ、“より美味しい味を追求するために”という信念の元、自分の人生に欠かせない存在としての見方が出来る人こそがバリスタへの道を拓けるのです。

 

そしてカフェやレストランなどで、自分の淹れたコーヒーを堪能してくれる人に誠心誠意尽くし、気持ち良くくつろいでもらうための思いやりも大事です。誰だって美味しいコーヒーが飲めるからといって不愛想な人に作ってもらいたいとは思わないでしょう。それにバリスタはお客の細かいニーズに合った、その瞬間だけに味わえる特別な一杯を提供しなければなりません。相手がどんな好みでどんな気分かを柔軟に素早く察してあげられるコミュニケーション能力もバリスタには欠かせない要素といえます。

 

そしてバリスタは研究員というわけではありませんが、最近の流行の種類やコーヒーに合うデザートの発案など日々勉強をしていく必要があります。「どんな味がより満足度を高められるのか?」「そのために必要な物は? 店内の雰囲気も工夫するべきか?」などコーヒーに限らず、訪れてくれるお客に満足してもらうための創意工夫が求められます。それに自分の現状に驕らず、専門学校や修行した店舗で得た情報だけでなく、自分の更なる成長のためにどんな努力も惜しまないという人もバリスタの適性があるといえるでしょう。

 

 

バリスタ職のメリット・デメリット

 

 

 

 

この仕事で考えられるメリットとデメリットについて解説していきましょう。まずメリットですが“やりがい”と言い換えた方が良いかもしれませんね。バリスタとして働いている人が一番やりがいを感じるのは、一生懸命焙煎した自慢のコーヒーをお客さんが「美味しい」と言ってくれた瞬間です。美味しい不味いのバランスの調整はとてもシビアであり、好みの分かれるコーヒーならば尚更です。ですがそれを可能にするのがバリスタの腕の見せ所であり、結果的に自分のコーヒーの味に魅了されて相手が笑顔になってくれた時が「バリスタ冥利に尽きる」場面だといえます。そして自分の淹れるコーヒーを目当てにリピートしてくれるファンが出てきたら、「もっと頑張らなきゃ!」という励みにもなります。

 

インスタントとは違い、本格的なコーヒーの淹れ方には工夫が必要です。自分が求める味を出そうにも雑味や過度な酸味が出てしまったりと、ちょっとしたミスが品質に大きく影響します。職人がケーキ作りで分量の単位や時間にかなり神経質になるのと全く同じです。そんな失敗を数えきれないほど経験し、心が折れそうになっても踏ん張って腕を磨き、そして遂に求めていた味を再現出来た時はバリスタとして成長を感じる瞬間です。

 

ですがバリスタは立ち仕事が基本となるので、足腰への負担も大きく疲れが溜まりやすいです。そして繊細な味を生み出すために休日でも勉強と研鑽を積み重ねていく事が重要になってくるので、体力をかなり消費します。

 

収入面に関しても、多大な修行や下積みをして晴れてバリスタになれたとしても、働くコーヒー店などによって待遇は様々ですが、他の飲食店勤務の平均年収とあまり変わらないというデメリットがあります。

 

新卒採用はある?志望動機はこうやって考えるべし

 

 

 

 

本格的なバリスタへの就職ですが、最初から正社員(新卒)採用というのはまずありません。カフェやレストランの最前線でバリスタとして働く場合は、専門学校でコーヒー分野(料理も)の勉強をして店舗に応募したり、未経験の状態でカフェへアルバイトして経験と知識を得るところからスタートしています。アルバイトが入り口ですが店舗の規模によっては契約社員・正社員としてキャリアアップしていく事が可能です。

 

そしてバリスタの志望動機に関してですが、共通して言える事が「コーヒー好き」であること。最初はただコーヒーを飲む事が好きだった程度でも、豆の種類や焙煎、味の変化に魅了されてバリスタとして提供する側に回りたいと考えた人が大多数です。そしてバリスタそのものに魅了されたという声も聞かれます。自分が求めている味を忠実に再現するだけでなく、その格式ある振る舞い方や技能の高さに惹かれて同じ仕事をしてみたいと思い、カフェの業界に飛び込んだプロも大勢います。

 

「嗜好品であるコーヒーが自分に与えた影響」や「バリスタとの出会いと好きになったきっかけ」を念頭に、「どんなバリスタになってコーヒー以外に、どんな価値をお客に与えていきたいか」という業界への貢献の仕方や自身の展望をイメージすると考えやすいです。また、面接で意欲をアピールする時はコーヒー好きを訴えるだけではなく、接客の際に心がけたい事もしっかり伝えるようにしましょう。

 

まとめ

 

 

このようにコーヒーに精通したバリスタの働き方にも一長一短あり、ただコーヒーが好きというだけでは継続出来ないシビアな世界です。国内ではバリスタの認知度や市場価値がそこまで高いというわけではなく、職業として整った形とはお世辞にも言えません。ですがコーヒー文化は不動の存在で、味や種類の流行によって人々の関心度も変わってきます。バリスタはそんな流れもいち早く把握し、多くの人にコーヒーの魅力を伝えていく義務があります。もちろんそれは一朝一夕で行えるほど楽な道のりではありませんが、自分で淹れたコーヒーで誰かを満足させられるというのはとても幸せな事です。もしカフェやコーヒー専門店で働きたいと考える人がいましたら、是非バリスタという選択肢も考慮してみてはいかがでしょうか?