質の良い建物を造り出すためにプロの職人達を纏めて指示を出す施工管理技士。現場監督の側面を持ちながらも、工事現場の安全管理や資材や人員の手配、スケジュール調整などと幅広い業務を一手に担います。そんな施工管理職の働く上で生まれるメリットやデメリット、そして働いてみたいと考える就活生向けの志望動機の考え方を紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

施工管理で働くメリット・デメリット

 

 

 

 

日本国土のインフラ事情を支える縁の下の力持ち「施工管理職・施工管理技士」。先の震災でインフラに対する見直しが図られ、その影響もあって社会的需要が高まっている仕事の一つです。コストを抑えつつ予定通りに工程を終わらすためのデスクワークをしながらも、分野も性格もそれぞれ違う建築関係の職人を纏めて、工事現場の全体の管理を行う現場監督の役割も担います。また工事現場には施工管理技士の資格保有者が1名以上用意する必要があるため、今も昔も施工管理職は高い需要を誇っています。

作業する現場は建設や土木に電気工事などと色々ありますが、施工管理業務に至っては作業員の工程スケジュール調整や現場の安全確認に、手掛ける建物の品質を写真などで記録したり形状や寸法チェックを行います。実際の建築や塗装といった作業は職人に一任していますが、彼らが満足に働けるように現場を整え、必要になる資材や人員の発注に経費の管理などと、現場の最前線に立ちつつ裏方仕事にも携わるなど幅広い業務をこなす必要があり、なかなかハードです。

 

施工管理職のメリットとしては「仕事の安定性」と「給与の高さ」が挙げられます。建築業は新たに建物をつくるだけでなく、老朽化した建物の補修まで行うので需要が無くなる事はまず考えられません。それに伴い施工管理職の需要も尽きる事もないので求人を探すのに困らないのは嬉しいですね。次に給料が良いのもポイントです。建築業界は他の業界に比べ給与の水準が高めなのが特徴的ですが、施工管理職はその中でも業務の重要度や責任の重さで高い給料を得る事が出来ます。また施工管理職の平均年収は約450万円ほどと言われ、他の業種(平均値:約440万円)などと比較すると若干高めだという事が分かります。この年収はあくまで平均水準であり、「1級施工管理技士」の資格有無でも大きく変動します。ただ1級・2級の施工管理技士資格は取得に何年も時間を必要とするので、将来を見据えてゆっくり目指していく方がいいでしょう。

他にも大きな建築物を扱うだけあって成果を得やすい魅力もあります。スケジュールをしっかり守り無事故で質の良い工事がなされた場合、報酬を出す企業も存在するので業務への意欲も沸きやすいですし、なによりチーム一丸となって街づくりに貢献出来るのはとても感慨深いです。

 

逆にこの仕事のデメリットについてですが、休みが取れないというのがよく言われます。建築関係で働くわけですから資材や作業員が不足したり、建物の設計ミスや工事で起こる近隣住民からのクレーム対応などあらゆるトラブルを想定しておかねばなりません。また仮に問題が起きた場合は他の作業員の業務もストップしなくてはならないので残業しないと計画再開に間に合わず、最悪の場合は休日も削られます。また工期が遅れるとコストが余計に掛かるだけでなく企業の信頼関係にも影響しますので、尚の事休みが無くなります。そして現場によっては朝礼も必ず参加しなければならない上に、職人が帰宅した後も書類を整理しなければいけないので帰宅時間も必然的に遅くなります。そして施工管理職に就いた場合、初対面でも年上でも関係なく多くの作業員に指示を出さなければならないので、人間関係に軋轢が生じないように慎重かつ的確に調整しなくてはいけません。こういった煩わしさで施工管理に苦手意識を抱く人も少なくありません。

 

 

施工管理職で働く女性はいる?

 

 

 

 

建築業界は男社会というイメージが強いですが、近年では事務系以外でも技術者・技能者の女性採用も増えてきています。施工管理の求人でも男女で明らかな差というのはなく、資格の有無についても同じ条件で雇用されます。また女性の場合は大学で建築について学んで入社するパターンが多く、高卒・高専卒で就職する事の多い男性より大卒者割合が顕著です。施工管理業務で言うと男女では視点の違いが出ており、住宅の建築現場では男性が普段気にならないような箇所を主婦の観点で使い勝手を指摘・チェックするなど、仕事の仕方でちょっとした変化があります。また男性は根本的に物事を解決する姿勢が際立つ分、逆に女性だと共感性に分があるとされ、職人やその他業者に対するコミュニケーションの取り方でも違いが生まれています。まだまだ男女の労働比率は男性が圧倒的に多いですが、女性でも働きやすいように労働環境も見直しがされ、産前産後休暇や生理休暇などの福利厚生も整えている会社も増えてきているのが現状です。また国としても女性技術者・技能者の増大を目標に掲げているので、人手不足が囁かれる業界ではありますが、今後の待遇や働き方の改善にも期待が持てそうです。

 

 

向いている人のタイプとは?

 

 

 

 

施工管理にも他の業種と同じように仕事の適正があります。まずは多くの作業員・業者やクライアントと問題なく意思の疎通が取れる高いコミュニケーション能力を持つ人。施工管理技士は大規模な現場に一人だけ配置というわけではありませんが、自分一人でも現場全体の流れを掴む必要があります。そして問題の無いように各作業員に声掛けや支持を与える事が大事となるので、多くの人と関わる事に抵抗の無い人は適性があると言えるでしょう。それだけでなく自分が関わる建造物をただの作業の一環としてでなく、愛着を持って向き合える人も仕事に飽きが来づらいので十分向いています。また職人には素直に話を聞いてくれる優しい人もいれば、自分のやり方に絶対的な自信を持っている頑固な人もいます。そういうタイプをきちんと説得し、柔軟に対応していけるコミュニケーション能力が施工管理職では強く求められます。また、物事を並行して複数処理するタイプも施工管理に向いています。常に現場に目を光らせ、職人に指示を出しつつも並行して進行度のチェック、資材管理や報告書の作成などマルチに動ける人は十分な適正が見込まれます。このように建設プロジェクトに真剣に向き合いつつ、対人関係やマルチタスクで動く事を得意とする人が施工管理職に向いています。

 

 

施工管理職に就くための志望動機

 

 

 

 

就活生に優位な売り手市場が続いているとはいえ、入念な業界研究と徹底した志望動機が練れていないのは言うまでもなくNG。今後も将来性が期待されている施工管理技士に就くためにはどんなアピールをするべきか考えてみましょう。自己PRに盛り込む要素としては、体力やリーダーシップにコミュニケーション能力が施工管理職では活かしやすいです。学生時代のサークル活動やアルバイトのエピソードから上記の要素が活きた内容を抽出して、人事担当者が納得しやすいように自己PRを整えましょう。そしてここからは志望動機の解説に移ります。新卒で施工管理職に入る場合、もちろん未経験スタートなわけですから、「なぜ建築に関わりたいか?」「この企業で施工管理職業務をする理由」をベースに、志望する企業の特色と照らし合わせて考えてみましょう。

以下では施工管理職の志望動機の例文を記載していきますので、作成の参考にしてみてください。

 

『私が貴社を志望した理由は、建物を建てただけで終わるのではなく、その後のアフターケアもしっかり行うことを理念にあげている姿勢に共感したからです。建物は完成したら終わりではないと思います。後のことまでしっかり考えながら建物を作り上げる真摯な姿勢がないと、よい建物にならないと思うのです。

建築科で学んだ知識を貴社でさらに磨いて、立派な施工管理が出来るように努力いたします。また今後外国人労働者が増えます。私の語学力が多様化する集団をまとめる一助になると考えています。』

 

こちらでは、建築に対する独自の考えを述べつつ、今後の日本の雇用事情に触れて自分が持つスキルをどう活かして企業(業界)に貢献していくつもりかが簡潔にまとまっています。先ほども話した通り、施工管理職は人を取り纏めるためのリーダーシップが発揮しやすい環境にあるので、忘れないように盛り込みましょう。

 

『私が貴社を志望した理由は、同業他社にないユニークな技術の開発に力を入れていることに魅力を感じたからです。建物は長持ちすることが大事だと思います。長持ちするには大地震を想定しなければいけませんが、貴社の耐震技術は特に優れていると感じました。

私は東日本大震災の際に仙台に住んでおり、多くの建物の被害を目の当たりにしました。ボランティアでマンションから長期間避難生活を送る人も見ました。そのようなことを繰り返さないためにも、施工管理という仕事を通じて貢献したいと思うのです。』

 

建築業界も他の業種の例に漏れず、企業によって力を入れている分野も違ってきます。上記では耐震技術特化という企業色に目を向けつつ、自身の震災時に味わったエピソードを今後の教訓として話しており、建築への強い思いが感じ取れやすい内容に整っています。

 

 

まとめ

 

 

 

 

住宅や商業施設など規模も様々な建築物を造るために数多の作業員を一つにまとめて管轄する施工管理職。建築という大きなプロジェクトに携わるわけですので、作業量の多さや精神面の負担などデメリットは決して少なくはありません。ですが日本の地図上に自分達が手掛けた建物が載るロマンや、平均年収の高さといった割に合う給与面は魅力的です。建築関係での就職を考えている学生は、施工管理職の道も視野に入れてみてはいかがでしょうか?