数あるインフラ業界の中でも人気度が高い鉄道業界。JRや私鉄など種類は様々ですが私達の生活を支えるのに必要不可欠な存在であり、列車の姿かたちや性能で国内外の多くのファンを魅了するロマンの塊ともいえます。

ただ鉄道業界は何も“交通”ばかりに力を注ぐ業界というわけでは無く、電車を利用する地域ユーザーに支持されるために幅白い事業展開をしているのも特徴的です。

本稿では鉄道業界の仕組みからどんな人材が求められているのかをご紹介します。

 

 

鉄道業界の仕事内容と職種

 


 

 

一見、“鉄道業界”と聞くと日本経済の血脈という位置づけから特殊性を感じてしまい、どんな働き方があるのかを掴みづらいものですが、ここからは鉄道業界を支える職種を解説していきます。

 

整備

業務は車両整備や保守点検・管理・信号設備・通信整備・車両整備計画の立案・監視・指令業務を手掛ける部署です。
整備士業務なので力仕事が多く大変ですが、鉄道を安全に走らせるために重要な役割を果たしております。

 

サービス提供(運行・運行管理・鉄道事務)

運行では旅客輸送・貨物輸送の運行を主に行います。運行管理は電車が安全にダイヤ通りに運行するための管理と指示を行います。鉄道利用者との接点が多いポジションなので、利用者とも関わる機会が多いでしょう。

 

サービス開発(鉄道サービス企画・ITサービス企画)

鉄道利用者の流れを多角的に分析し、より快適なサービスを提供できるように企画をする部署です。各部署と連携をして鉄道サービス企画の立案・検討・実施に取り組み開発をしていきます。

多くの利用者の意見をサービスに反映する事が出来るのがサービス開発の特徴です。

 

営業・販売促進(営業企画・販売促進・営業管理・広告促進)

業務内容は、鉄道会社の魅力や特徴を多くの方に知ってもらうための広報活動、プロモーションを担っています。工夫次第で鉄道会社をさらに有名にする事も可能なので、クリエイティブさに富んだ職種といえますね。

 

不動産開発

土地沿線の開発や戸建て、マンション、分譲の開発および街づくりを手掛けます。

不動産開発は鉄道事業の次に注力しており、沿線の環境を向上させる事で地域住民はもちろん、観光客数の増加と満足度の引き上げを狙えます。

 

経営企画

経営戦略や事業戦略の企画・立案・経営資源の最適配分など、バックオフィスですが鉄道会社の核となる役割を担います。全職種は経営企画の判断でありきで動く事になるので、まさに業界のブレイン的存在ですね。

 

人事

新卒中途の採用活動・人材採用計画・人事評価・人材の育成・人事制度の策定などを手掛けるのが仕事です。就活の場面でも一番多く接する存在なので、ある意味では学生に馴染み深い職種ともいえますね。

 

総務

経営管理を中心に庶務・法務などの一般事務を担います。総務もバックオフィスですが、企業内の見落としがちなビジネスケアを施し、縁の下の力持ちのような役割を果たします。

 

経理財務

企業の経理を管理する業務や投資・資金調達といった財務業務を手掛けます。会社のお金を管理するので、より責任重大な職種になります。

 

鉄道業界へ入るためにはどうすればよいか

 

 

 

 

 

では鉄道業界に入るにはどうすればいいのでしょうか? まず大前提として志望する業種・企業でどんな人材が活躍し、どんな学生を欲しているのかを把握する必要があります。鉄道業界では仕事は主に総合職・技術職に大別されるのですが、総合職では文系・理系問わずデビューのチャンスがあり、逆に技術職では専門性の高さ故に知識と経験が活かしやすい理系学生向けだという違いがあります。

また総合職では電車と直に関わるものや地域活性化に貢献出来る立地開発も含まれるので、活躍の幅は技術職に比べて広いといえますよ。ですが、まずは鉄道業界のノウハウを実地で培うために、数年間は駅係員や車掌などの仕事に配属される場合も往々にしてよくあります。

 

鉄道業界の種類も要チェック

 

一昔前は国が全面的に出資し運営していた国鉄(日本国有鉄道)が一括していましたが、現在はJR各社と私鉄、第三セクターの3つが鉄道事業を回しています。

JRを聞いた事が無いという人はまずいないと思いますが、これは「JR北海道」「JR東海」「JR東日本」「JR西日本」「JR四国」「JR九州」「JR貨物」の7つの企業から形成される輸送サービスです。

そして私鉄ですが、これは国からの出資を一切受けない民間資本の輸送サービスであり、上記のJR以上に地域に密着した路線として定着しています。また鉄道事業だけでなく百貨店などの小売り・流通業も手掛けているのも特徴的。

第三セクターは国(あるいは地方公共団体)と民間企業が提携して生まれた事業体です。JR各社や私鉄が“ポピュラー”なために、ここで初めて名を聞いたという人もいるかもしれませんね。これは地方の赤字ローカル線や私鉄線などを引き受け運行する存在です。

 

企業によっても方向性や魅力は異なる

 

そして競合関係についても触れておきましょう。この業界の基本的な仕事は、同業他社ほとんど変化がありません。

ですが企業の方向性と社風はそれぞれ異なります。そういった意味では、都心部で集中しているJRと私鉄に関してはライバル同士と言えるでしょう。

また、JR単体に関しても北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州で売り上げや強みなどに違いがありますよ。鉄道業界といえど地域によって取り組みから魅力は大いに変わっていきます。JRに狙いを絞ったとしても、各社の特徴をよく精査しないと企業選びにブレが生じる場合があるので注意しましょうね。

 

その企業選びもまた情報量の多さで戸惑うかもしれません。「電車に関わる仕事がしたい」と確固たる意思があったとしても、詳しい情報を知る前ではJRでも私鉄でも“同じような仕事”に感じるでしょうし、インフラ面の重要性や地域密着度を知るのは意外と難しいものです。

そんな時は実際に各駅に足を運ぶのも良いかもしれませんね。自分が働くかもしれない所にはどんな施設があり、立地的にも乗客の利用頻度はどんな感じなのかを、自分の目で何度も確かめてみるのをオススメします。

そうする事で自身の働く姿をイメージする事も容易になりますし、その地域でしか無い魅力(利便性や観光など)を体感的に理解出来るようになるはずです。

また、企業の売上や集客率など細かな点については新聞やネットに企業HPなどで調べるかと思いますが、推したいものは日経新聞。こちらのネット記事検索機能を利用すれば濃い情報を手軽に入手出来るので覚えておいて損はありません。

 

志望する職種と学歴の関係

 

鉄道会社によって採用試験の種類や内容は異なりますが、大手の場合は本社でマネジメント業務に携わる「総合職」と事務の仕事を中心に行う「一般職」。現場で車掌や運転士として働く「現業職」といった区分で採用活動が実施される事が多いです。

大手鉄道会社の「総合職」あるいは「一般職」に就きたいのであれば、「大卒以上」の学歴が求められるでしょう。

その一方で、駅員・乗務員・整備士などの「現業職」を目指す場合には「高卒以上」の採用人員を多く設定しているため、こちらの採用については大卒よりも高卒の方が有利だと言われています。

それは採用人数にも表れており、ある大手鉄道会社の場合「高卒・専門学校卒」「大卒」の採用人数の割合が8:2になるほどです。

 

求める人物像

 

 

 

 

JRの採用情報によると、求められる人物像として以下の点が挙げられています。

総合職採用では「高い専門性と環境に関する柔軟さを持つ事」「自ら課題設定し、目標達成に向けてマネジメントできる事」「新たな領域に自ら進んで挑戦する高い探究心を持つ事」の3点。

業種によって求められる人物像は異なりますが、JRと私鉄各社ではやりがいとするポイントは大きく異なります。

JRは「高い安定性」が特徴です。一方で、私鉄各社では鉄道事業に加えて「都市開発事業にも携われる」という点が大きな特徴と言えるでしょう。また、鉄道業界全体で求めている人物像としては以下の通りになります。

 

時間を守れる人

 

日本の鉄道は世界的にも定時運行率(予定の運行時刻に対して1分以内に運行できているか)が高いのが最大の特徴です。

在来線では定時運行率は90%、新幹線は96%を記録するほどであり、たとえ遅延しても何時間も大幅に遅れるなんてケースは“稀”です。

鉄道業界を志望しているのであれば、時間を守るという意識はきちんと持ちましょう。

 

会社に対して忠誠心を持てる人

 

鉄道会社の離職率にフォーカスを当てますが、駅員や乗務員に限って言えば意外と離職率が低いのが特徴的です。

ただ本社勤務や整備部門で働く人の離職率はそれに比べて高めなのも覚えておきましょう。

鉄道業界の外での勤務で常々言われているのが「夏は暑く冬は寒い」。

また台風や豪雨などの環境下においても、電車は止まらず運行しており(地震などの災害時は別)、些細な異常が見つかった場合(事故から設備の不具合まで)いつでも呼び出される事でしょう。

そんな環境で心身に多大な負担が掛かって退職する人も大勢いるのもこの業界の常…。

だからこそ、会社は忠誠心を持ち日々の仕事にやりがいと責任を感じて仕事をしてくれる人材を欲しているのです。

 

まとめ

 

 

 

 

いかがでしたか? 社会インフラを大きく支える鉄道業界の種類を知る事は大事ですが、各社の違いや求める人物像を掴むきっかけは、日常の生活内(駅の利用や日本での鉄道事情)でも沢山転がっています。

そして各鉄道会社は全国で企業説明会やインターンシップを実施しており、普段は見る事の出来ない事業の裏側に潜入出来る貴重な機会となるはずです。

こういった機会もうまく活用して、自身の志望度の向上化と働く事に対する目標の明確化に繋げていきましょう。