「売り手市場」と囁かれ、学生にとって優位に事が運びやすい昨今の就活事情。ただ就活の風景では「これホントに必要なのかよ」と思われるルールが未だに根深く残っています。比較的自由度のある海外の就活とは違い、いつまでも古い慣習に囚われている日本の就活。今回は学生が感じる就活の疑問や不満点を紹介していきましょう。

 

ぶっちゃけ、何が何だか分からない

 

 

 

 

学業やサークルにアルバイトという生活が中心だった学生の時分とは違い、就活生になると未体験のイベントや聞いた事も無いようなワードが次々と現れます。説明会や合説にインターンシップ、自己分析や業界研究にOBOG訪問などなど…。アルバイトの面接みたいに「希望する仕事にただ応募すればいいやー」って軽い気持ちで臨むものではないので、複雑で長期的なプロセスを経て就活は実現します。

 

ただでさえ頭に詰め込むべき情報量が多いだけでなく、経団連が敷いた就活ルールで、外資系や中小にベンチャーを除く大手の人気企業などは決まった時期からでないと説明会や選考を解禁しないといった“しがらみ”もあるので、就活を始めたばかりの就活生はなおさら混乱しがち。

 

志望する企業の規模に関係なく就活がなぜ難しく感じられるかというと、企業毎によって異なる選考の独自性や就活自体の手間の多さ、そして「本当に自分は内定を取れるのか」という漠然とした不安感が要因とされます。入りたい企業はもちろん、志望動機や自身の強みは人によってバラバラであり、就活を突破するためのヒントはあっても明確な答えというのはありません。この“答えの無い問題集を解いている”ような状況が延々と続くので、「何が何だか分からない」という本音を抱える就活生も多いです。

 

人事担当者の企業説明が拙い

 

 

 

 

 

企業のフロントマン(企業と就活生の橋渡し的な存在)である人事担当者。説明会などでは企業理念や事業内容といった情報を学生達に説明するという役割も担っており、就活の場面では特に目にする機会の多い人物です。ただ人事担当者も人間であり、饒舌で内容も分かりやすい人もいれば声も聞きとりづらく話す内容もイマイチという人も中にはいます。

 

満を持して志望する企業の説明が聞けると思ったら、肝心の人事担当者の説明能力が拙いと正直ガッカリですよね。それとは別にやたらと業界の専門用語を連発して理解させようという気持ちが感じられなかったり、こちらからの質問にも右往左往していたりすると「この企業大丈夫なのかよ」という気持ちになってしまいます。企業が学生を評価しているように、学生もまた就活イベントを通して企業を評価しているという事をイマイチ分かっていないところが多いこと多いこと。

 

人事のマインドがイケてない”

 

 

 

 

 

人事担当者は就活イベントから面接などの選考でも接する機会が多いです。規模の小さい企業では全て同じ人物が請け負う可能性もありますが、大手の採用担当だと複数人が担当し、会う場面によって毎度毎度が初めましての関係になります。

ただ、見た目も応対もしっかりしている人物なら安心出来ますが、中には事務的に処理しようと不愛想な態度で接してきたり、髪型が整っていなく、スーツもヨレヨレになっていたりと見た目も中身も全くイケてないタイプも稀に見かけます。学生は自分が生涯働く事になる企業を必死に選んでいるのに、相手が誠意の感じられないような状態だと余計なストレスが溜まって就活へのモチベーションが下がってしまいますよね。

 

リクルートスーツで統一された“就活クローン”

 

 

 

 

 

就活の風景というのは時代によって移り変わり、入りたい企業の流行りや人口数で市場価値が傾いたりと様々な表情を見せます。ただいつまで経っても変わらないのがリクルートスーツの存在。就活が本格的に始まる時期は多くの学生が私服から黒や紺で統一された何の色気も個性も無いスーツを身に纏い、就活イベント会場や企業へと向かっていきます。

 

ただ就活自体も多様化の一途を辿っており、「もうそろそろリクルートスーツでなくてもよくない?」という声も学生の間で聞かれます。世間的にも合説でメモを片手に次々と企業ブースを回る黒ずくめな学生の群れを「まるでクローンのようだ」と揶揄する意見も散見しますね。ですが集団行動を重んじる日本では個性を認めるという意識が海外に比べて圧倒的に低く、今後もこのクローン集団が闊歩する風景は変わる事が無さそうです。

 

もうさぁ…茶髪でも良いじゃない

 

 

 

 

面接の場でたまにある「君のその髪色は地毛? 染めてんの?」という面接官からの質問。就活という学生の本気度を図る場面では、学生時代は茶髪や金髪に染めていても就活生として動く場合は大概が黒髪に染め直します。ですが純日本人でも体質的な影響で最初から髪色が明るめだったり、近親者に外国人がいるから自分も遺伝で茶髪や金髪になっている人もいます。

 

でもこればかりはどうしようもない、だって遺伝だもの。ただ学生の個性を見たがる割に個性的な主張を肯定したがらない矛盾だらけの就活事情では、「元が明るくても黒に染めるのが基本だろ!」とある種、思考停止な発言も多くあります。ですが就活の手法や働き方自体も多様化してきて、“当たり前”が崩れてきているのに、髪までも統一感を出して、髪色という学生なりの表現力を削ぐのはいかがなものか。能力や経歴で相手を判断せず「気に入らないから」という安直な感情論で就活生を判断する風潮は今でも蔓延っています。

 

面接で私の何が分かるっていうの

 

 

 

 

 

学生と企業サイドがコミュニケーションを取り、書類では知られない互いの考えや内情を確認しあう面接。ですが結果の合否に関係なく「たった数十分の話し合いで何が知れるのさ」と不満に感じる就活生も少なくありません。規模の大きい企業の選考だと一次二次と段階を分けて面接を行うところが多いですが、話のネタは結局志望動機や過去のエピソードに趣味特技や自身の展望などと、ぶっちゃけ形式的で変化に乏しく、上澄みを掬うという感じの質疑応答ばかり。「面接では就活生の人柄を知りたい」「自分の個性をアピールするチャンス」と囁かれますが、短い時間で予想に難くない質問内容で学生を知った気でいる人事担当者は、今後も同じ工程で学生を取捨選択していく事でしょう。

 

清潔感あればロン毛でもいいじゃないの

 

 

 

 

 

ファーストインプレッションで企業に信用される要素として大事なのが“清潔感”。スーツの上下が皺なくしっかり整っていて、髪も短髪とまではいかなくても耳が見えて目元もハッキリしているのが理想的。ですが自分の髪に並々ならぬこだわりを持っているタイプからしたら、就活で好印象を持たれるためにバッサリ切ってしまうというのは酷というもの。お洒落の面で言えばロン毛もアイテムの一つであり自己表現の手段。

 

ですが風紀を重んじる就活では通用せず、たとえ服装や言葉遣いが整っていても長い髪の毛でアウトとなるケースが一般的です。ですがデコが出て目元も見えている状態なら別にロン毛でもいいのではないかという学生(この場合女性は除く)の意見も度々目撃されます。一昔前のトレンディドラマの主人公のようなロン毛スタイルが就活生でも許される日は訪れるのでしょうか? 学生に有利な売り手市場とはいえ、凝り固まった慣習でがんじがらめ状態の昨今の就活システムではまずありえないでしょうが…。

まとめ

 

 

細分化していけば他にも就活システムに対する学生の不満の声は挙げられますが、今回は取り組みの中で感じやすい顕著な例を出しました。数十年前は時世もテクノロジーも様変わりし、その流れに沿うかのように就活のやり方や考え方も“多少は”変化しました。ただやはり日本人の国民性(性格)や各企業の独自の選考の進め方などで、「時代錯誤だろ」「効率悪くないか」というようなマナーや作業も多いです。ですが一部の大手化粧品メーカーの選考などでは、私服で参加OKなど既存のルールに縛られない就活の自由化が進んでいたりするので、今後の企業の動向に期待しましょう。