「大手で働けたら自慢出来る」「中小より大手の方が安心出来る」と昔からよく言われますが、今のご時世でも果たして同じ事が言えるのでしょうか? 確かに就活において選考の倍率が軒並み高い大手の人気企業。そんな場所に入社して恵まれた待遇で働けるのは理想的。ですが本当に大手ばかり気にしていて良いのでしょうか? 今回は大手に狙いを絞る理由や企業選びの基準点について語っていきます。

 

 

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一体何を基準に大手を選ぶのかを考えよう

 

 

 

 

バブル世代の親から「大手にさえ入れば安泰」と言われた人も多いのではないのでしょうか。確かに一昔前の就活事情ならその意見に頷けるかもしれませんが、人によって“安泰の基準”はバラバラであり企業に何を望むかによっても話は違ってきます。

例えば福利厚生に目を向けてみましょう。大企業の特徴は中小零細に比べて福利厚生のサービスが非常に優れており、各手当ての援助や女性社員に嬉しい産休・育休への配慮など、大手はこういった社員への制度が充実しています。これだけ見ても難易度の高い大手への就職を視野に入れる価値は十分にありますし、現に優れた福利厚生目当てで大手をいくつも狙う就活生は多いです。

 

他にも給与の面で言っても大手なら新卒の初任給が中小などと比較してもだいぶ高めなのが特徴的。このように、どの要素を注視するかで企業選びに違いは生まれてきます。そしてこれは賛否両論が分かれるところですが、年功序列によって長く会社に勤めていて過去の働き具合と現在で大差が無いのに出世でき、安定した地位でいられるという制度。自身のステップアップのためならどんな努力も苦労も厭わないタイプには関係がありませんが、とにかくキャリアの安定化を望む人には嬉しい仕組みですよね。

このように「大手だったらどこでも良い」なんて安直な発想はせず、企業の持つ魅力や特徴をよく吟味して考えていきましょう。

 

IT化や業績不振で大手に対する就活の風向きは変わった

 

 

 

 

たとえば、長い歴史を持ち大多数の社員数を抱える大手金融業界。従来から一流大学在籍の就活生の間でも「企業のブランド力」「安定性」で注目の的でした。しかし近年で発生した3万人規模の人員削減の影響でその魅力が失われつつあります。いかに名の知れた大手企業でも赤字の影響で膨大な人件費カットや首切り・出向によるキャリアプランの乱れがあり、大企業安泰神話が見事に崩れ去ったのです。

 

またAIテクノロジーの著しい発展によって各企業の情報処理・事務業務への見直しも顕著。コストの軽減や忙殺気味だった既存業務の効率化を図り、人から機械へと仕事が代替わりされる可能性により将来的な失業者の上昇危惧だけでなく、今後就活していく上では大手へ志望する動機もこれまで以上に考慮せざるを得ません。このように「入りさえすれば将来が約束される」と思われていた大手企業への黄金ルートは、ここ数年の情勢変動で大きく覆ったといっても過言ではありません。

 

またこうした大企業群の業績の悪化や業務の変化で。日系ベンチャー企業の就活生人気も最近になって伸びてきております。安定志向で企業選びを考える就活生よりも、将来的に活かせるスキルを早めに獲得したいと考える就活生に支持されているのが要因です。

熾烈な就活戦争に勝ち残り大手で高給・安定したキャリアを手に入れたと仮定して、国内の売り上げ低下や海外企業の進出などが原因でリストラに遭っても、その後別の会社で活かせる“つぶしのきくスキル”が無ければ厳しい。そういった危機感を持った就活生の意識の変化も加味し、企業選びにも変化が生まれました。これだけ見ても大手一本に絞る事のリスクの大きさが窺い知れますね。

 

大手で働いた後に感じる理想と現実のギャップ

 

 

 

 

どんな業界・企業でも会社の規模や働き方に差はあり各々に特色があります。それを分かったつもりで就活に挑んで大手に入社しても、当初思い描いていた理想の姿と実際の仕事の在り方と雰囲気のギャップで苦悩する新卒は少なくありません。

大手の不動産業界に目を向けてみましょう。最初は住宅の建築面で働きたかったのに土地の売買など営業職に配属となり、その後希望していた部署で働く人に話を聞いてみたら、そちらも売上至上主義でありイメージと大きく違っていて辟易してしまったという声もよく挙がります。

 

このように入念な業界・企業研究やOB訪問を怠りイメージだけ先行した大手企業選びをしてしまうと、その後の自身の考え方と現実の相違で嫌気が差して転職してしまうというケースも往々にしてあります。他にも大手では働く人の数が多いだけに自分の頑張りが評価されにくいという特徴があり、どんだけ慣れない仕事に従事してもいつまでも下っ端扱いで思い通りにいかない場合もよくあります。こうしたギャップの差も離職率に繋がっているので、本当に自分の理想とマッチしているかを、企業選びの段階でしっかり見極めて覚悟を決める必要があります。

 

企業の安定に期待するのではなく自身の価値を上げる

 

 

 

 

いくらネームバリューに優れ一般的な支持を集めている大手企業でも恒久的な安泰は無いというのは、ここまでの説明でよく分かったかと思います。いつまでも企業の庇護に甘んじて胡坐をかいた姿勢では将来的な倒産やリストラのリスクに柔軟に対処出来るかは疑問ですし、他の企業へ転職しても従来の自分が通用するかは分かりません。

企業の不祥事や業績の悪化でどう転ぶか分からないこのご時世。危機管理の観点で申し上げるなら、大手企業の力に依存するのではなく自分の市場価値を高める努力をしましょう。現在では多くの外資系企業の参入やベンチャー企業の活躍が目立ちます。そこでグローバルに働けるための英語力や、IT社会に順応出来るくらいの知識と技能を身に付けておいた方が、今後自社がピンチに陥った際にも他所の大手企業から引き抜かれる可能性も期待出来るでしょう。

 

大手企業に長く貢献したとしても、年功序列で出世街道を邁進出来たとしても、市場の変動次第でリストラ対象に入るのは珍しくありません。それに他分野でも活かせる資格や語学スキルというのは持っていて絶対に損はないので、早い内から力をつけておきましょう。

 

まとめ

 

 

 

 

過去の高度経済成長期やバブル時代と比べると大手企業の安泰論は様変わりしました。現在の就活生も理想は持ちつつも世間の動きに一層敏感になり、早い段階でリスクヘッジを気にするようになったわけです。大手企業に勤めるとそれなりの給与や福利厚生の恩恵を受ける事が出来ますが、その会社の扱うサービスや今後の技術の発展具合で先行きの安定度は大きく異なります。

何が起こるか分からない世の中に備えるため、大手企業に勤めるから安定・安泰なんだと慢心せず、どの界隈でも通用するように自己研鑽を欠かさず行いましょう。