スマホの音声認識やプロ棋士と機械の囲碁勝負など、ここ数年で著しい発展を遂げたAI技術。
ですが、便利になるということはメリットのみ生むわけではありません。コスト削減や業務の効率化によって、失業率が上がるという問題も出てきます。
では、将来的にAIに依存した社会になったらどうすれば生き残れるのでしょう?
今回はAIの発展で残る仕事となくなる仕事に注目してみました。

 

 

AIってそもそもどんなもの?

 

本稿を読む就活生のみなさんは、AI(人工知能)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
AIの定義は研究者や開発者などで異なっていくのですが、簡単に言ってしまうと「心・意識を持つメカ」「人間と区別がつかない人工的な知能」という認識で構いません。
その究極形が「四次元ポケットを持つネコ型ロボット」と言えば、どんなものなのかがイメージしやすいかと思います。

 

ただ、どんなAIであっても最初から優れた性能を発揮するわけではありません。
機械に明確な役割を与えて知能を向上させるため、最初はAIの礎となる深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる機能で視覚的(画像認識)聴覚的(音声認識)の“学び”を自主的に行わせます。
そして、急速に知能が発達していけば、特定分野で人間以上のパフォーマンスを発揮する……、というわけです。

 

実を言うと、論文数や開発に関わる人材の育成など、AI技術の研究では日本は海外に比べて遅れをとっており、現在はアメリカと中国の2大国家が市場を牽引しています。
ですが、国内のAIシステム市場では予測でも、2023年まででサービス・ハードウェア・ソフトウェアにおいて高い成長を期待されているため、各企業間でAIの有用性が今まで以上に認知されれば、研究面でも追い風に繋がるかもしれませんね。

AIが成長すると具体的に何が困る?

 

AIが発達すると人々の生活の質もそれに比例して高くなりますが、決して良い面ばかりではありません。
軍事利用や倫理問題などAI絡みの問題点も色々と浮き彫りになっていますが、世間的に一番危惧するべきなのが失業者・転職者の増加です。

 

というのも、経理や総務などの事務職では人の手を介して書類整理やデータの処理と管理を行っています。ですが、高度な情報処理能力を有するAIが役所や一般企業に本格導入されたらどうなるでしょう? 業務の効率化や人件費・コスト削減によって、機械に仕事を奪われる可能性が大きくなります。
企業としても、疲れ知らずで単純作業を能動的に延々と続けてくれるAIを使ったほうが、ヒューマンエラーの心配も要りませんし、長い目で見ても経済的な負担を抑えることが狙えますしね。

 

「なら別の仕事に移ればいいじゃん」と思うかもしれませんが、市役所などのルーティンワークに何年も従事し、すっかり慣れてしまった人は他の仕事に就いたとき、即戦力になりにくいのです。
また、転職先でもAIの活用で事務作業が人間の手を離れた状態にあれば、これまで培ってきたスキルが通用しなくなるでしょう。
AIに代わられる時期も10年~20年後(あくまで予測)とされており、約700ほど職種が失われると方々で聞かれます。

AIによって淘汰される仕事とは

 

このようにAIが素晴らしい発展を遂げたとしても、その裏で機械でも済む仕事は必要とされなくなります。いくつか具体的な職業の例を挙げていきましょう。
たとえば、AIに仕事を取られる可能性のあるものは「飛び込み営業」「企業の受付」「タクシードライバー」「電車・バスの運転士」「配達員」「経理事務員」が種類として挙げられます。

 

受付に関しては、一部企業だとAIによる音声案内で来訪を担当している実績があります。ドライバー関連はまだ実用に至っておらず実験段階に過ぎませんが、AI搭載による走行や制御が運転者を介さず行えるよう進められているので、自動運転で運転者は無くなるのではないかと囁かれています。
物流や建設もドローン技術の発達やAIによる管理運用でより効率化されて、現場に直接関わる人間が減っていくと予測されます。

 

こういった職種の特徴ですが、効率的に業務を進められるからというのも大きいですが、AIのほうががコストが掛からず正確に仕事を果たせるものがほとんど。コンピューターを使い、データ処理に時間を掛けて行う人間がAIに敵うわけがなく、こういった業務はAIが今以上に浸透したそう遠くない未来で、就職市場から消えていく可能性大です。

AIではできない、生き残る仕事

 

逆に、機械に奪われることのない仕事というのはどういうものなのでしょうか?
一般的には“人との繋がりが密となる職業”は今後も安定すると考えられています。
他の要素としては機械より人間のほうがコスパが良いと、仕事を奪われることはありません。具体的な仕事で言うと「介護士」「保育士」「弁護士」「警察官」など、対人業務が主なものは機械では対処出来ないので、代替の可能性は低いです。

 

他にも映画や音楽といったエンターテインメント・アート業界に携わるクリエイター職もAIが代わる余地はありません。分かりやすい言葉で表現するなら「MCH(マネジメント・クリエイティビティ・ホスピタリティ)」に関係する職種は、無くなりづらいと覚えてください。

 

要するに、組織管理し目標達成する能力(マネジメント)、創造的であり課題を解決するもの(クリエイティビティ)、相手の気持ちを汲んでおもてなしをする(ホスピタリティ)です。これら3つの要素を含んだ職種は機械では何ともできません。そしてAIを使う・生み出す側のプログラマーも、AI頼りの流れになればなるほどその存在感は増していきます。
逆に、似た職種であるエンジニアはAIに業務を任せても問題ないと捉えられるので気をつけましょう。

難関な国家資格持ちでも他人事じゃない

 

資格取得の難易度が高く、企業サイドに重用される「税理士」「司法書士」「公認会計士」といった国家資格保有者でも、AI代替の懸念対象とされています。
AIの特性である高度な情報処理能力によって、今まで高い報酬を支払ってきたこれらも淘汰される可能性が大きいのです。

 

人間が何時間も費やして行う計算すら、AIならば数秒~数十秒の間隔で完了。統計を取り分析までしてしまうので、将来的に置き換えられる危険性があるのを覚えておきましょう。そういう意味では、就活生から憧れの的とされる敷居が高い銀行員や証券マンも無くなると考えられます。

 

IoT(モノのインターネット)によって収集されるビッグデータの分析、多角的なビジネスソリューションの提供を実現できるAIが導入されれば、人間が業務を担当する必要が無くなるので、「一流な資格持ち(大手勤め)だし安心」というこれまでの認識が一気に覆ることでしょう。

AI社会に負けないための資格

 

前述でもある通り、AIは機械ゆえに初期費用は高めにしろコスパも良く、情報処理に関するスピードと正確性において人間が追いつくことができません。
では、このまま失業を手をこまねいて待つだけかというとそうではなく、AIに代替されず、何年後も活かせる資格を取得することが、今後何か起きたときに生き残るカギとなります。ただでさえ少子高齢化で企業も若い働き手の確保が難しい状況なので、今後の就活事情を考慮し、今のうちから準備をしておきましょう。

 

キーワードになるのは、先ほども触れたMCHな職種。機械が賢くなろうとも人間の心理や感性、嗜好は決して真似できません。
介護・看護に関する資格や調理師として活かせるもの、規模問わず企業のマネジメント面で活用できる資格は自身の武器として用意しておくべきです。
例を出してみると、さすがにAIでも心の状態までは計れないので、「メンタルヘルス・マネジメント」を取っておくと、企業に勤める社員の健康管理や心療でも活かせるので取っておいて損はありません。

 

また感性で価値を見出す「インテリアコーディネーター」も良いでしょう。これは顧客の好みや予算に合わせて、快適で居心地の良い空間を作る資格です。他にも教師・講師やトレーナーといった資格の保有も転職を考える際に可能性が広がります。

 

 

まとめ

AIの進化と需要で従来の仕事の在り方がどれだけ変化し、何の準備もしていなければ就職や転職がいかに難しくなるかは、本稿を通じて十分に伝わったかと思います。
国家資格を持っていようが事務職でキャリアを積んでいようが、高度な学習能力と情報処理能力を持つAIが各企業で一般化してしまえば、代替されるのも自明の理と言えます。
そうならないためにも、就活生の皆さんは機械に負けないための資格取得に励みつつ、将来的な情勢変化を見据えた企業選びをしてみてくださいね。