海や山の環境汚染の抑止や高齢者介護、町内清掃などボランティアの取り組み方は千差万別。こういった社会奉仕は老若男女問わず出来るものばかりで、貢献することで「社会の役に立っている」という実感を得やすいのも魅力です。では就活生の場合、過去のボランティア経験は就活にどう活かすべきなのか? 今回はその点について解説します。

 

 

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就活時のボランティア経験の価値

 

 

 

 

学生が企業に自分を売り込むための要素に、学歴やアルバイト経験などはとても重要ですが、自身のボランティアの経験も面接で話す時や履歴書に記載する時の心強い“武器”になります。

一度もボランティアを体験したことのない学生と、普段から自発的に活動している学生とでは心証がだいぶ変わってきます。

少人数でも簡単に取り組みやすいゴミ拾いなどの地域美化活動や老人ホームでの介助。大多数で行うボランティアだと、東日本大震災や熊本地震での炊き出しや瓦礫撤去といった復興支援などが思い浮かびますね。

実際、大きな災害が発生した時は数多くの学生が遠く離れた地域に赴き、ボランティアで困窮している地元住民を支えたという話をよく聞きます。

ボランティア活動をするきっかけとしては、正義感から来る個人的な思想や所属しているグループの信念など色々ですが、まれに「参加せざるをえない雰囲気だから…」と渋々参加する人もいるようです。

動機は違えどその後の行動が結果的に困っている人達の手助けになるわけですから、ボランティアで貢献した経験があるというだけでも人間的に信頼されやすくなりますよ。

 

 

 

 

ただボランティアは年齢問わず、スキルや実績を必要とせず誰でも活動できるので「自分は取り組んだことがあるから特別なんだ」というわけではありません。

アピールするためのファクターを多く必要とする就活生は、すべからく何かしらのボランティアに参加し、それを盛り込むつもりでいると言っても過言ではないのです。

ここで肝心なのは「活動したという事実より、その活動から何を学び何を得たか」ということ。

キツい言い方をするなら、機会と時間さえあればボランティアに参加するのは子供だって出来ます。それだけだったら大した自慢にもなりませんし同じような経験をした他の就活生に埋もれるデメリットの方が大きいです。

 

人助けしたからというだけで人事からの評価に繋がるというのは安直であり非常にもったいない。

面接や履歴書で使う際は、過去のボランティアの内容からどんな成長を遂げることができ、またその経験が企業でどう活かされるのかを明確にする必要があります。企業の採用担当者は学生を見るときアピールの仕方は勿論ですが、志望動機が企業理念に沿っているかや、果たして学んだことが企業の利益に繋がるのかという点に着目します。

 

下手気に「私は被災地で瓦礫撤去をしました。そこで人に奉仕する喜びや大切さを学びました!」というストレートなアピールをしてしまうと、「この人は就活のためにボランティアをしたんだな」とすぐに見抜かれてしまい、評価を落としてしまいます。そして無償の奉仕が基本であるボランティア精神を掲げすぎると、「お金を稼ぐために働くのだからその気持ちは矛盾が生じてない?」という厳しい指摘を受ける場合も大いにあるので注意しましょう。

 

またボランティア活動の頻度も大事であり、一度や二度経験しただけだったり、学校の行事で仕方なく行ったり知人に誘われたからというのは、話を聞いた相手に“環境に流されやすい軸の緩いタイプ”という印象を与えかねません。ボランティア体験談はあくまで“自己PRの土台”。

自分の魅力を伝えるための道筋にすぎないという考えが後々のアピールに上手く繋げるためのコツです。

就活時に語るボランティア経験は、その体験で得た実績や考え方が企業にどんなメリットになるかで初めて価値が見出されるのです。

 

ボランティアの種類

 

 

 

 

「ボランティアに参加したいけど、自分のスキルや経験をなるべく活かせるものはないか?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか? 確かに以前の取り組みで得た経験や知識が活かされる場があるのなら、そちらを優先したほうが効率よく動けるはずです。

一般社団法人「日本ボランティア支援協会」では、以下の活動をボランティアに含んでおります。

 

▼「植物

育てた植物を分けてあげたり、近隣の公園の植物環境を守るなど。

▼「自然

環境汚染、水質汚染、地球温暖化の防止、森林や川、海などの環境保全など。

▼「動物

野鳥の生態調査、犬・猫を連れた施設訪問、盲導犬の育成など。

▼「スポーツ

障碍者に水泳、陸上、テニス、卓球などを教えるなど、様々なスポーツの指導や大会運営など。

▼「子ども

幼児や学童の保育支援など

▼「アート

美術館の作品説明、運営支援、劇団の興行、絵画指導など。

▼「家事・料理

高齢者や障碍者に料理やお菓子作りの指導・支援、料理・洗濯・買い物代行などの家事支援など。

▼「手芸

高齢者や障碍者の衣類製作、ちぎり絵・ステンシル・編物・陶器・絵本などの製作・販売支援など。

▼「地域の障碍者支援

地域の障碍者への社会参加協力、レクリエーション、技能指導、友愛訪問、介助、移送援助など。

▼「リサイクル

牛乳パックの再利用、図書の修理や様々なリサイクルの推進活動など。

▼「手話

聴覚障碍者との交流や交流のための手話学習支援など。

▼「点訳

活字書を点字に訳す、広告紙の朗読録音、弱視向けの絵本制作、ゲーム・レクリエーション作りなど。

▼「音訳

視覚障碍者のための音訳図書の作成など。

▼「高齢者

高齢者世帯への給食サービス、読み聞かせ活動、高齢者の相談相手など。

▼「在日外国人

難民センターの運営、留学生・就学生の生活相談、異文化交流、日本語学習支援など。

▼「海外

難民救済、環境保全、地域開発、農業・漁業指導、教育、職業訓練、医療補助、土木工事など。

▼「カウンセリング

青少年の心の相談、高齢者の生活相談、子どもの虐待防止など。

▼「病院

小児病棟の子供の学習支援、末期患者の生活支援・相談など。

▼「エイズ

エイズに対する偏見排除・理解浸透活動、感染者の救援・相談、エイズ撲滅キャンペーンなど。

▼「募金・寄付

ユニセフ募金、赤い羽根共同募金、緑の羽根募金、学生支援募金、臓器移植のための募金など。

▼「防災・被災者支援

救援物資の確保・輸送、瓦礫・土砂の撤去、家屋の片づけ・清掃、復旧のための募金活動、被災地の高齢者・子供の相手、復興支援イベントなど。

▼「防災・交通安全

地域の巡回、通学路の安全確保活動、交通安全運動など。

▼「健康・医療

献血、献血活動への呼びかけ、巡回医療・診療、健康相談など。

 

以上が日本ボランティア支援協会が発表しているボランティア一覧になります。ジャンルとしては結構なボリュームですが、社会貢献の効果だけでなく継続してみるだけでも自分のやりたい仕事の幅や見聞が広がるので、自己PRを強固にする意味でも試して損はありません。

 

アピールの仕方を間違えないこと

 

 

 

 

大事なのが経験ではなく人柄をアピールすること。そしてあくまで自慢ではなく人間性で成長した部分を相手は聞きたがっています。どういう内容がいけないのか、分かりやすい例を挙げてみましょう。

 

私は過去に一度、ボランティアとして地元の海岸の景観を汚すゴミを拾いました。結果として約30kgほどのゴミを片付けることに成功しました。

 

これではざっくりとしたボランティアの体験と実績しか相手に伝わらず、行動の浅さがどうしても否めません。前述でもあるように人間的にどんな成長を遂げたのかという具体性に富んだ構図に組み直す必要があります。以下では体験談のニュアンス自体は変えず内容を少し掘り下げました。

 

私の住んでいる〇〇町の〇〇海岸は風光明媚な観光地として有名でしたが、近年では不法投棄されたゴミの多さが問題になっており地域住民を困らせています。景観を損なっているだけでなく中にはガラスの破片など危険なゴミも散乱しているので、『このままでは怪我人が出る可能性がある上に観光客が減る可能性があってまずい』と思い、私一人だけですが自発的にボランティアを始めました。はじめはゴミの多さや肉体的な疲労で挫けそうになりましたが、活動をしていく内に次第に本来の美しい砂浜が顔を覗かせました。その光景を見たとき『“千里の道も一歩から”と言われるように、大変な作業でも諦めなければ道は拓けるんだ』ということに改めて気付かされました。その後も日を分けて10回ほどゴミ拾いを継続し、約50kgのゴミを撤去することに成功しました。私は自身のこの根気強さを御社の元で発揮したいと考えております。

 

という具合に先ほどの例文を“人間性の成長”に焦点を当て変えてみましたが、必ず具体的な活動内容を挙げ、話の起承転結に不備が無いよう確認しつつ構成してみてください。相手が話の内容を把握しやすいように組んだ方が、その後の自己PRも広げやすくなります。この例文の場合は「ボランティアに至った経緯」から始まり、「自分が何を考えどんな行動を起こし、どんな成果を生んだのか」を説明しているので、話を聞いた採用担当者が実際にあなたが働くときの仕事の進め方や姿勢をイメージしやすくする狙いがあります。

 

 

 

 

また、ボランティアの活動範囲が小規模だからといってアピールを躊躇する必要はありません。どんな活動でも継続して行ったという“誠実さ”や“責任感の有無”を相手に印象付けることが出来ます。ただやはりボランティアを少し経験した程度ですとどうしても説得力に欠けてしまうので注意しましょう。

そしてボランティアを始めたきっかけを明確に提示することにも重要な意味を含んでいます。上記の例文で言うと“なぜ美化活動に至ったのか”という点です。当時の問題を状況を知らない人でも伝わるように話し、どんな解決策を見出し実際どう実行したのかを話すだけでも、「この人は論理的に話を進められるだけでなく、問題が発生しても積極的に取り組む行動力と打開策を考えられる提案力が備わっている」と思わせることが可能です。

 

ボランティアでよく聞かれるのが、学生グループや町内会などの大人数で社会奉仕し「協調性を学べた」という声です。たしかに団体での活動では、人を纏めるための発言力や行動力、知り合いや出会ったばかりの誰かと手を取り合い共通の問題を解決するための団結力が発揮されます。最初は自信が無く恥ずかしい気持ちがあるかもしれませんが、グループ活動は継続することで誰かの力になる喜びや、歩調を合わせて一緒に行動する楽しさを次第に身につけることが出来ます。

 

社会人になれば多くの人と共に働くことになるので、この経験は大きなアドバンテージになるでしょう。企業側も上司や同期とキチンと連携し積極的に仕事に取り組むことが出来る人材を求めていますから、過去に団体のボランティア活動に勤しんだ経験のある人は十分強みになりますので、志望する企業の仕事に結びつくようなアピールを切り込みましょう。

 

偽りの経験は損しか生まれない

 

 

 

 

 

ですが正直なところ、採用担当者は「社会奉仕のためにボランティアを~」という売り文句に辟易しています。当たり前ですが企業は慈善事業でもチャリティー目的でもありません。利潤を追求しつつ会社や社員を守るために日々大変な業務や責任に追われているのです。

そのため「就活のためにボランティアやっておこう」という短絡的な発想で就活に挑むのは落とされるリスクがありますし、なによりとても失礼です。活動の過程で得た経験や思いが会社にプラスに作用するかもという基準で就活生の是非は判断されるので、彼らも自社に必要な人材か見極めようと人柄を追求するため根掘り葉掘り聞いてきます。でっちあげの体験談や綺麗事は面接で必ずボロが出ますのでこの点は肝に銘じておきましょう。

 

履歴書やESに記載する際の纏め方

 

 

 

 

まずは今までのボランティア活動を一から振り返り、そこから伝えたい要点を抜き出し、具体性を持たせた文章に起こしましょう。

 

活動を始めたきっかけ

内容

活動頻度

自身の成果

学んだことや自身に起きた変化について

活動の経験を今後どのように仕事に活用していきたいか

 

このように行動を振り返りしっかりと考察すれば、自ずと自己PRにしたいことが浮かぶはずです。

ですがボランティアには専門的な分野も少なからずありますので、相手が容易に理解出来るように情報を丁寧に補完しつつ、一般的な言葉を使って自分の良さを表現しましょう!

 

まとめ

 

 

 

 

いかがでしたか? 自分のことを何も知らない相手に好印象を植え付けるにボランティア活動はとても有効です。

ただ「〇〇をしてきました、すごいでしょ立派でしょ」というアピールでは、それがどう企業の利益に繋がり、どう仕事に影響するのかは分かりません。ボランティアには数々の形が存在しますが、就活で大事なのは「経験を通じて自分が何を学び、今後でどう活かしていきたいか」ですよ!