就活生から人気が高い企業は、消費者との距離が近い業界が上位に含まれており
「金融」「人材」「食品」は毎年人気が高く、就活生が選ぶ希望企業ランキングでは首位を獲得しております。

その中でも食品業界は職種も幅広く、業界研究の参考程度に様々な職種があること。覚えておくと強みにつながるHACCP(ハサップ)などもご紹介できたらと思います。

 

 

 

 

 

 

人気が高い理由

 

 

数ある大手企業の中で国内の食品企業は常に人気TOP10に入っております。
人気がある理由は「自分が将来、働くイメージがつきやすい」ことが学生へ人気がある理由の1つに当てはまります。

また日本食がブームなのもあり、国内企業が海外進出を果たすグローバル化が進むといった国内の食品企業は信頼が厚く、どんどん発展を遂げて食品業界が各社人気を集めております。
食は私たちの生活にも馴染みが深く、大きな責任を果たしている業界です。

各社の組織形態は様々ですが、その中で実際に行われている仕事は、ずば抜けて異なるものではありません。

 

 

 

 

食品業界に関連する職種

 

 

営業、販売促進

食品業界の営業は、各社の形態はさまざまですが、代表的なものは食品卸会社への営業、小売店への営業、外食産業への営業などがあります。

販売促進の仕事では、商品を効果的に販売する目的において、メディア活用や計画立案、広告枠の買付から広告の製作までを手がけます。
通常「コンペ」と呼ばれる方式で行われます。コンペとは簡単にいうと競争方式です。

小売店がメーカーを一堂を集めて、自社商品のプレゼンテーションを実施させます。

そこではもちろん価格も重要ですが、そもそも味が良くなくては話になりません。

ただ味といっても主観がありますので、通常は3名ほどのバイヤーと呼ばれる小売店側の採用担当者が協議の上で評価を下します。
自分がかなり自信があっても全く通らない場合もあれば、逆に意外な商品を気に入って貰えることもあり、その意外性は楽しさの一つです。
営業職にとって最もやりがいが実感できるのは、やはり契約が成立した時です。
小売店に気に入って貰えればその場で即採用もありますので、その後、商品が決まり、生産、梱包、出荷、納品など具体的な作業が進み、コンビニやスーパーに自分の推した自社商品が陳列されている景色を見ると、仕事をしたんだなぁと充実感と嬉しさに浸ることができます。

 

マーケティング

マーケティングとはなんですか?と聞かれると、答えるのがとても難しいです。「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」となります。

難しいですが、企業活動の中で顧客や市場と関わる活動を広く含んだものをマーケティングの類です。
市場の開発・拡大にたずさわる仕事です。

消費者の好みやトレンドの変化を感じとることで、時代に合った商品開発を手がけています。

市場調査から商品企画、市場や販売の開発、新商品の広報活動や売上データ分析といったようにマーケティング業務は広範囲に渡ります。

お客さんに売込む活動ではなく、お客さんから購入したいと思ってもらう活動全般だといえます。

例えば、テレビCMで憧れの女優さんが着ている服をみると、自分も着てみたいと思うことがありますよね。

テレビCMでは「この服を買ってください」とは言っていないのに、私たちは自分から「買いたい!」と思っています。

これも、マーケティング活動の一つです。私たちが「買いたい!」と思う服を調査して、作って、届けるまでの全ての活動にマーケティングが関わっています。

 

 

 

研究開発・生産技術

研究開発の仕事は、基礎研究、応用研究、商品化研究に分かれており、
端的に言えば「こんな商品あったらいいな」を実現するものです。

生産技術とは、ものづくりの技術であり、商品化研究の成果を活かしながら、高品質で安全な食品をローコストで製造するための技術を持って商品開発を進めております。

開発職は「コミュニケーション力+知識+プレゼン能力」から構成されており、
彼らのプレゼンは、想像する研究発表とは全く異なります。
というのは、「他人の納得を得る力」がとても高いです。
基礎研究、応用研究における発表では、話す内容と順序が決まっており、
すなわち研究背景、目的、方法、結果、考察です。これらは理論なので、質問・反論も理論的になされます。

しかし、開発職のプレゼンは「納得していない相手を動かす」類のものですので、時折、質問や反論には感情が混じります。

開発職は探求心の高さが求められるの職種です。

臆さず、理性的に。相手の納得を得ようと説明をつくしたり、逆に提案したりするのです。

 

生産管理・品質管理

生産管理は、高品質で安全な食品を経済的に生産していくための仕事です。
近年、消費者の嗜好に合わせた製品サイクルの短縮化などから仕事範囲は広がりを見せています。
品質管理は、高品質かつ安定供給を経済的に両立させる仕事です。

品質不良を出さないことで、企業に対する信頼性やブランドイメージを守るという役割もあります。

 

 

経営企画

次に紹介する管理部門(バックオフィス)は、企業の要として事業活動に直接たずさわる部門を支援する役割を担います。「強い会社は管理部門が強い」とはよく言われることです。
有名なのは経理で、流れとしては数値で記録することで経営状況と資産状況を把握し、経営判断をするための資料を作成、整理、保管しています。
事業活動に関わる全ての数値を管理・分析することで経営状況を客観的に把握できる状態をつくることが役割です。

 

 

 

栄養士

栄養士と管理栄養士の2種類がございます。
栄養士は専門学校や短期大学を2年通い、資格が取得されます。
管理栄養士は専門学校や大学に4年通い、資格が取得されます。
両方とも、食と栄養のスペシャリストです。

給食や医療の現場のような集団に対して、食事や栄養についての栄養指導と食事の管理や栄養素計算、献立作成を行います。

2つの資格の大きな違いは、栄養指導を行う対象が異なるという点です。

栄養士は主に健康な人を対象として業務を行います。

これに対して管理栄養士は、健康な人だけでなく、傷病者や特別の配慮が必要になる人々に対しても栄養指導が行えるだけの高度な専門的知識と技術を持っています。

また、ある一定以上の規模の大きな給食施設では必ず管理栄養士を設置することが義務づけられており、給食施設の運営や労務についての管理も管理栄養士の仕事です。
このように資格取得の難易度が高い管理栄養士のほうが、実施できる業務や持てる責任の範囲が広いです。

栄養指導の業務で言うと、栄養士は主に健康な人に対してアドバイスを行いますが、管理栄養士は健康な人に加えて、傷病者や高齢で食事がとりづらい方を対象とした業務を行うことができます。

 

 

食品業界を志望している人向けの資格

 

 

 

学生のうちにも取得が比較的しやすく、取得後も履歴書に記入ができるため、
食品企業に興味や意欲が高いと企業側に感じさせられることもございます。

 

食品表示検定

食品業界ならではの資格の1つですが、最も広く認知されております。取得から利用されている資格で有名企業の開発、品質保証の上位職の社員の方は、上級試験に合格されている場合も多いです。また、上級試験に合格できる方は「食品表示の専門家」と言っても過言ではありません。
資格は初級、中級、上級の3段階です。初級は一般消費者から、上級はプロフェッショナルまで、食品関連に携わる方を対象とし、食品企業の中においても研究職から営業、製造職まで取得されている方は多いようです。
商品をより良くマーケティングしたい一方で、偽装などがあれば回収、謝罪、製造停止といったダメージを受けるのが食品業界です。
つまるところ、食品業界におけるその影響範囲・影響力の両方を備えており、ルールを守ったうえで正しく商品の良いところをPRするためには、食品表示検定が必須だといえるでしょう。

 

QC検定

主に日本の製造業で利用されてきた製造管理と品質管理の手法に関する検定で、4級から1級まであります。ベーシックかつ非常に求められている資格であるかと思います。3級までは大学の教養科目程度の学力で取得することができ、学生さんでも合格している方が多数いますので、特に品質管理職や製造技術職を目指される方はオススメです。
この資格は食品業界に限定した資格ではないこと、食品業界にいても品質保証・製造系以外の方にはあまり馴染みが無いため2級から上では、統計学の理解や数学的理解が必須となってくるうえ、製造や品質管理の現場で働いた経験を有する方でないといまいちピンとこない場合が増えてくるため、主に会社の管理職や部署の責任者レベルが取得します。

 

危険物取扱責任者

先ほど、ご紹介したQC検定と同様に、食品業界に限定した資格ではありません。
しかし、研究職、品質管理職、製造現場と取得している方が幅広いことと、この資格を持っていることで毒物・劇物管理の責任者になることができます。

ちなみに、薬剤師以上の医療・化学系の資格を有していると、免除科目があり楽に合格ができますが、資格の無い方でも高校の理系程度の化学の知識があれば十分に合格できます。企業の研究職や開発職をめざす学生さんが取得されることも多いようで、個人的には、研究職志望の方が秘書検定を受ける、というようなことよりは説得力があり、潰しが利く資格であると思います。しかし、研究・検査・製造部門が無い企業、マーケティングを主にしている会社においてはあまり役に立ちません(危険物がそもそもない)ので、ご注意ください。

 

食品の業界を志望されているのであれば覚えておいたほうがいいHACCP(ハサップ)とは

 

 

HACCP(ハサップ)=Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で危害分析重要管理点を意味します。
食品製造の衛生、安全性管理プログラム。従来の方式に加え、原料の入荷から加工製造、保管、出荷までの過程において、すべての工程ごとにあらゆる危害を予測し、予測された危害ごとのポイントをあらかじめ決めます。
そのポイントごとにルールを設け、それを継続的に記録をいたします。

もし、どこかの工程で製品に異常が起きた場合、その場で生産を一時中止し、原因の追求を直ちに行います。
その結果、未然に防止がされ、危険性のある商品は出荷前に消費者のもとへ出されることなく、
さらなる安全性の高い製造工程への改善が可能となるのです。
ちなみに、製造に関するあらゆる工程において、危害発生を予測し調査分析することを「HA(Hazard Analysis=危害分析)」といいます。

 

 

先ほどのCCP(重要管理点)と併せて、この品質管理手法をHACCPと呼ばれています

HACCPはNASAが考案した宇宙食に関する品質衛生管理方法です。宇宙飛行士が宇宙空間で食中毒を起こしたりしたら大変なことになります。
おこりうる危害を、未然に予測し管理することは、口の中に入る食べ物である以上、宇宙でも市場でも関係なく大切であり、HACCPによる品質衛生管理方法が現在、食品衛生管理の世界基準になっていることも頷けるところです。
日本でも義務化の動きが進み、HACCPについて資格取得など学生のうちは問題ないですが、就活生の皆さんは今後従事する上で必要な知識となり、それが当たり前の時代になりつつ職種に関わらず準備をしておいた方が面接やエントリーシート(ES)にも役立つことでしょう。

 

 

補足:HACCP関連の資格とは

HACCPに関する専門知識を有し、HACCPに関する資格が数多く設けられています。
これらは全て国家資格や公的な資格ではなく民間団体や学会、実務経験など独自に設定した資格となります。
資格の一例資格では
・HACCP普及指導員
・HACCP管理者資格
・HACCPリーダー(食品安全管理技術者)がございますので、頭の片隅程度に置かれておいてください。

 

 

内定を貰えても希望部署へは配属できない恐れもある

就活は苦労の連続です。そこまでの道のりは平坦なものではありません。

晴れて志望企業に内定が決まり、入社して希望部署で働けることを想像していたにも関わらず、希望部署に配属されないことのほうが一般的だと心しておいた方いいでしょう。
配属先は入社式後に分かりますので、「あなたがどんな仕事をするのか?」ではありません。その企業には「どんな部署が存在するのか?」なのです。
いまいちど企業選定や志望動機の記入の前に業務内容や部署は若干異なりますが、どんな部署が存在するのかを企業研究を踏まえ、調べておきましょう。
今回は、食品業界の企業の中には様々な職種が存在することを簡単にご紹介しました。
今後も、就職活動で志望動機を考えながらエントリーシートを書いたり、自己分析をしながら面接準備をしたりする中で、業界内の仕事内容について理解をさらに深めていけると良いでしょう。また、ここで大事なこととして、自分はこの仕事が向き不向きと選り好みせず、全体像をじっくり把握することから始めていきましょう。